あと、気分転換にフィアラの絵を自作しました。素人が描いた絵なので、質の保証は出来ませんが、気になった方は見てみてください。また、解釈違いを起こしてしまいかねないと思った方は見ない方が良いかもしれません。
フィアラ↓
【挿絵表示】
〈三人称視点〉
『
居城の内部構造が不明であったため、いきなり居城内部に転移することはなかった。
転移した先は湿地帯であり、辺り一面に霧が立ち込めていた。
「ふむ。どうやらこの霧、『魔力感知』を妨害する機能があるようじゃのう」
霧を見たハクロウが呟くと、
「ええ、この霧のせいで、俺もクレイマンの居城内部の偵察が出来ませんでした」
ソウエイが重々しくそう言った。
「全員なるべく気配を消すよう心がけろ!」
ベニマルが指示を出すと、ハクロウは隠形法の極意『朧』で、ソウエイが『隠密』で、ベニマルも隠形法の一つで、アルビスも独自の気配を断つ技術で気配を消した。
「吾輩、隠形法は不得手なのである」
「オレもだ。隠れるのは性に合わん!」
「オレもまだまだ未熟故、隠形法は修めておりませぬ」
ガビル、スフィア、ゲルドが順に打ち明けた。
「では、3人はわたくしが隠しましょう」
シュナはそう言うと、幻覚魔法と妖術を組み合わせた独自の魔法で自分と3人を包んだ。
シュナはユニークスキル『
「よし、それじゃ、行くぞ」
ベニマルの号令で全員が歩き出す。
しばらく歩いたところで、ハクロウがふと立ち止まった。
「どうした?ハクロウ?」
ベニマルが尋ねると、ハクロウは重々しく口を開いた。
「この霧、どうやら魔力感知妨害だけでなく、『空間干渉』の特性まで持ち合わせていたようですじゃ」
「何?まさか!?」
「ええ、既にここは、敵包囲網の中心」
霧が一部晴れ、周囲の大量の『
そして、それらを従えるように立つ司祭服を着た一体の『
(これは……あれを隠しておく場合ではなかったかのう)
ハクロウは心の中で独り言を呟く。
敵がどこから見ているか分からないため、ハクロウはとある力を隠していた。
ハクロウはそれを後悔した。
「なるほど、貴様がアダルマン。この地を守護する『死霊の王』か」
ベニマルが確信したようにそう問うと、
「如何にも、余がアダルマン。偉大なるクレイマン様にお仕えするこの地の守護者!下賤なる侵略者共よ!大人しく命を差し出すのなら、せめて苦しまぬよう殺してやる!」
「生憎と、ここで死ぬわけには行かないんだ!押し通ることにする!総員!戦闘体勢!突破するぞ!!!」
「「「「「「「了解」」」」」」」
ベニマルは刀を抜き、ハクロウが居合の構えを取り、ゲルドは斧と盾を構え、ガビルは
その時、
「おいおい、まさかここにいるのがアダルマンだけとか思ってないよなあ」
「ギギギ」
その2つの声と共に、その場にヤムザ、そしてビオーラがその場に姿を現した。
ここに、クレイマン配下幹部『五本指』の内3人が揃った。
「いえいえ、随分かくれんぼが下手くそな者の気配があることぐらい最初から分かっていましたわ」
その言葉と共に、アルビスがヤムザに攻撃を仕掛ける。
しかし、即座に不死系魔物が壁となり、その攻撃はヤムザに当たらなかった。
そして、不死系魔物の崩れ去る残骸の間を縫うように、ヤムザの剣がアルビスに迫る。
アルビスは、それを難なく受け流し、再度ヤムザを斬ろうとした次の瞬間、その場から飛び退いた。
「ほぉ、気付くとは、なかなかにやるではないか」
先ほどまでアルビスがいたその場所をもう1人のヤムザの剣が振り抜いていた。
ヤムザは装着している『
それを見たアルビスは、嘲笑を浮かべながら言う。
「くだらないですわ」
「何?」
「弱い者が増えたところで、それが何と言うのですか?」
その挑発するような言葉にヤムザは
「殺す!!!」
激昂し、2人で一気に攻撃を仕掛けた。
「だから、くだらないのです」
アルビスのその言葉と共に、血が舞った。
アルビスとヤムザの戦いが始まったその時、不死系魔物が一斉にシュナたちに襲いかかった。
シュナはそれを一瞥し、
「『
1つの魔法を発動した。
それは、『
この魔法により、一定以上の力を持たぬ不死系魔物は結界内に入ることが不可能となった。
「わたくしはね、怒っているのです。異世界人の行いに、ファルムス王国の侵攻、そしてそれら全てを仕組んだクレイマンに、ひどく憤りを覚えているのです。ゆえに、わたくしは物見遊山に来たのではありません」
アダルマンへと近づきながら、シュナは話す。
「わたくしがアダルマン、貴方を倒しましょう」
その言葉を聞いたソウエイは理解する。
シュナは既に、守られるだけの者ではないのだと。
「それは楽しみだ」
アダルマンは、そう言い、
「楽には死なせてやれぬ!恨むでないぞ?『
魔法を発動させる。
ここに、シュナとアダルマンの戦いの幕が切って落とされた。
それと同時に、その場に残っていた不死系魔物の一体である
死霊騎士の剣を受けたハクロウは、
「なるほど、腐肉となって尚、その剣技……生前に……全盛期に試合たかった」
そう言うと共に、死霊騎士の体を切り刻んだ。
しかし、2体は死なず、即座に再生した。
「なるほど、魂はアダルマンの中にあるようじゃのう。それならば、心ゆくまで死合おうぞ!
ハクロウはそう言うと、再び死霊騎士と相対した。
「死なぬなら、アダルマンが死ぬまで切り刻み続けるだけのこと」
ソウエイはそう呟き、再度、死霊竜を切り刻み、それを何度も繰り返す。
そして、
「ギギギ」
それまで沈黙を貫いていたビオーラが突如動き出した。
「オレがやろう」
ゲルドが動き、盾でビオーラの攻撃を止めた。
「オレらやることなくね?」
スフィアがそう呟くと、
「気を抜くな。まだどこに伏兵が隠れているか……」
ベニマルの言葉が最後まで紡がれることはなく、轟音が鳴り響いた。
「スフィア!」
轟音の発生源、それは、先ほどまでスフィアが立っていた場所。
そこは、轟音と共に土煙が立ち込めていた。
「オレは大丈夫だ!!!それより!!!」
「おや?スフィアさんを攻撃したと思ったのですが、トカゲでしたか?」
「ゴホッ、ゴホッ。トカゲとは言ってくれる!吾輩を舐めるでないぞ!」
怒りの仮面を被ったふくよかな男の拳をガビルが水渦槍で受け止めていた。
怒りの仮面の男……フットマンの攻撃がスフィアに直撃する直前、ガビルがスフィアを突き飛ばし、身代わりとなったのだ。
なんとか水渦槍で受け止められたものの、衝撃は受け流せなかったようで、相当なダメージを負っている。
「油断……いや、慢心していたのは俺だったか!!!ガビルから離れろ!!!」
ベニマルがそう叫び、怒りの仮面の男に斬りかかる。
「おーっと!フットマンの邪魔はさせないよ!!!」
ベニマルの刀は、涙の仮面の少女……ティアによって防がれた。
「いやはや、ボスが嫌な予感がすると言うから来てみれば、なんとも大ピンチですね」
「そこの怒りの仮面、見覚えがあるぞ。オークが我らの里を襲った時にいたな!丁度良い、ここで貴様らは殺す」
ベニマルとガビル、スフィア対フットマンとティアの戦いが始まった。
斯くして、クレイマン城攻城戦は始まった。