やっと続きが書けました!!!!!
〈三人称視点〉
ベニマル、ガビル、スフィアの3人とフットマンとティア2人の戦い。
数的有利は明らかにベニマルたちにあった。
しかし、数的有利など、あってないようなものだった。
「ホホホ、随分遅い攻撃ですねぇ!!!」
ガビルの放った水渦槍をあっさりと避けたフットマンが、ガビルの腹に強烈な一撃を見舞った。
「ガビル殿!?」
スフィアが叫び、ガビルの方へ駆け寄ろうとすると、
「おっとー、戦場でよそ見は禁物だよ?」
ティアの鋭い蹴りがスフィアの脳天を捉え……
「おっと!」
あと少しで直撃するところでティアが何かを避けた。
ティアの胴が先程まであった場所を黒炎を纏ったベニマルの刀が振られていた。
「お前もな」
ベニマルはそう言うと、再度ティアに斬りかかる……ことはせずに眼前に迫ってきたフットマンから飛び退き、距離を取った。
「スフィア!ここでは一瞬の隙が命取りになる!自分の命の責任は自分で持つ!俺も、ガビルもだ!!!だから、お前も目の前の敵への対処を第一に考えろ!!!」
ベニマルのその叫びに
「その通りなのである!!!」
呼応するように叫んだガビルがティアに水渦槍を突き放った。
「おっと、そんなの当たらないよ?」
ティアがそう言いながら避けた。
しかし、その避けた先に
「分かったぜ!!!!!」
一気に駆け抜け、先回りしたスフィアがいた。
そして、獣化させた手で、ティアを殴り飛ばした。
しかし、ティアはさほどダメージを負った様子がなく、
「やるじゃん!」
ガビルとスフィアでは視認できない速度で、スフィアの頭を地面に押し付け、ガビルの顔面を蹴り付けた。
「助けに行きたいですか?させませんよ?」
フットマンはそう言い、ベニマルに殴りかかる。
「助ける?舐めるなよ。俺はあいつらを信頼している。だからこそ、涙の仮面は2人に任せる。俺はお前を倒すことに集中するさ」
ベニマルは不敵に笑い、フットマンの拳を避け、その腕を斬りつける。
「そう簡単には斬らせませんよ」
その斬撃は、フットマンに塞がれた。
「ああ、そうだろうな!!!だが!!!あまり自分の力を過信しない方が良いぞ?」
フットマンとティア。
2人は、究極能力を持ってこそいないが、その実力は覚醒魔王級である。
ベニマルは、並の魔王なら互角以上に戦えるほどに強い。
けれど、覚醒魔王にすら届くフットマンには一歩及ばない。
……身体能力においては。
そう、ベニマルにもフットマンに勝ち得る可能性があった。
それこそが、
「『梅花・五華突』」
技である。
フットマンとティアは、確かに覚醒魔王級の力を持つ。
けれど、あまりにも、技術が拙い。
長く生きているにも関わらず。
放たれた朧流の奥義は、フットマンの急所を寸分違わず突き貫いた。
この奥義は、フィアラとハクロウの試合において、ハクロウが使用していたのを見て盗んだのだ。
「ゴフッ!」
「お前は強い。あまりにも。だがな。技術は俺の方が上だ」
倒れたフットマンをベニマルが見下ろす。
ベニマルがトドメを刺してガビルたちに加勢しようかと思った次の瞬間。
ベニマルの頬をフットマンの貫手が掠った。
「チッ!」
「確かに。その通りです。私も、ティアも、戦闘技術は拙い。けれど……けれどね?技だけでは埋まらぬ差もあるのですよ?」
ベニマルは確かにフットマンに傷を負わせた。
けれど、
「この程度はかすり傷です。さあ、続きといきましょう」
フットマンとベニマルが再度ぶつかり合った。
そして、ガビルたちは
「オラァ!!!!!」
スフィアの爪がティアに迫る。
避けた先にはガビルが待ち構え、水渦槍で攻撃する。
「良いね!良いね!楽しいね!」
2人の攻撃全てを避けながら、ティアは笑う。
無邪気な子供のように。
「楽しくないのである」
「まったくだ。気が合うな」
ガビルの呟きにスフィアが答えた。
「楽しいじゃん!!!」
ガビルの眼前にティアの脚が迫る。
「ふんぬっ!!!」
それが直撃する寸前、ガビルがティアの脚を掴んだ。
「スフィア殿!!!!!」
「おう!!!!!」
それに合わせ、スフィアがティアに攻撃を繰り出す。
脚を掴まれ、動けないティアは、スフィアの攻撃をモロに喰らうかと思われた。
次の瞬間、ティアを掴んでいたガビルの腕が切り裂かれた。
いつの間にかティアの手の中には巨大な鎌があり、どうやらそれで斬られたようだ。
腕は失ってこそいないが、もう腕を使うことができそうにない。
それほどの傷だった。
そして、ティアはガビルを遠くへと蹴り飛ばし、スフィアに斬りかかった。
スフィアは、防御に徹することを余儀なくされた。
「おやおや?あちらはそろそろティアが勝ちそうですよ?」
「そうかよ!!!」
ベニマルは、特に気にすることなくフットマンに攻撃を続ける。
ベニマルは気付いていた。
ガビルが飛んでいったその先にすでに戦いを終えたシュナたちがいることに。
それ故に、ガビルは助かり、増援も来ると確信していた。
そして、それは当たっていた。
突如、フットマンの右腕が切り離された。
「無事ですかな?若!!!」
フットマンの腕を切り飛ばしたハクロウがベニマルに尋ねる。
「ああ、問題ない」
「これはこれは……少々まずいですねえ。これほどの実力者を相手にするのは想定しておりませんでした」
フットマンがそう言い、距離を取る。
ハクロウに続き、シュナ、ソウエイ、そしてアダルマンまでもが到着した。
「おや、裏切ったんですね。アダルマンさん」
「私は新たな神を見つけたのです!!!」
ベニマルの元に増援が駆けつけたその頃、スフィアの元にも増援が駆けつけていた。
「大丈夫ですか?スフィア!!!」
「おせーぞアルビス!!!」
アルビス、そしてゲルドが到着し、次いでガビルが戻ってきた。
形勢逆転。
これにより、フットマンとティアに勝つことができる。
誰もがそう思った。
思っていた。
『◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!!!!!!!!!!!!!!!!』
悍ましき音が響いた。
声にならない声が響いた。
音は、声は、ヤムザを拘束している場所から響いていた。
「おや、どうやらあれが溶けたようですね。帰りましょうかティア」
「そーだね」
その声に気を取られたその隙に、一瞬にしてフットマンとティアが消えた。
溶けた。
それは、とあるコーティングのこと。
ヤムザの歯には、とあるものがコーティングされて封じ込まれていたのだ。
それは、
元々は、暴風大妖渦を複製するためにクレイマンが研究していたもの。
けれど、それは暴風大妖渦の再現に至らず、その代わりに災いの種となった。
ただの暴風大妖渦であれば、その再現に成功していただろう。
けれど、フィアラによって改造された暴風大妖渦は再現できず、不完全な怪物を生み出した。
そして、それは不完全だからこそ最悪の災いとなった。
名を『変異災害』。
辺りにある全てを取り込み、膨張を続ける災害。
いずれ全てを飲み込まんとする怪物である。
フットマンとティアって、序盤で出てくるには余りにも強すぎる敵だと思うんですよね。
なので、ベニマルでも決めきれないという感じにしました。
この時期のベニマルだと、クレイマンなら簡単に倒せると思うのですが、フットマンとティアは流石に少し厳しいかなと。
原作でティアとフットマンは暴風大妖渦を倒せないと発言しており、ベニマルはそれを倒していたけど、おそらくあれは広範囲攻撃技を持っていないから倒しきれず、再生されてしまうという意味だと思うんですよね。
なので、対人戦ならおそらくフットマンとティアに分があるはず……。