転生したら蛇だった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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 クロスオーバータグを保険で付けていたのですが、現状特にクロスオーバー要素がない気がするので、外しました。
 今後クロスオーバー要素が出てきたら付け直します。


フォビオ救出

〈リムルside〉

 

 クレイマンの相手をシオンに任せ、俺は暴風大妖渦(カリュブディス)の依代となったフォビオを助けることにした。

 

 最初は『暴食乃王(ベルゼビュート)』で取り込んで後は『智慧乃王(ラファエル)』に任せれば良いと思っていたのだが……

 

《告、万全を期すならば、あまりおすすめ出来ません》

 

 なんでだ?

 

 『暴食乃王』なら喰えるだろ?

 

《解、『暴食乃王』を発動した場合、ほんの一瞬抵抗されます。それが個体名フォビオの命取りとなる可能性があります》

 

 どういう事だ?

 

《解、個体名フォビオの魂は現在衰弱しております。この状態で捕食への抵抗をした場合、魂が斬り裂かれ、霧散してしまう可能性が高いです。霧散した魂を集め、修復することは不可能ではありませんが、万全を期すのなら、抵抗できない状態まで弱らせてから実行すべきかと》

 

 なるほど……普通に弱らせるのは良いのか?

 

《解、『暴食乃王』は、魂にまで影響を及ぼすスキルであるため、弱っている魂は抵抗によって傷付く可能性がありますが、魂に影響がない攻撃であれば問題ありません》

 

 なるほど、じゃあ殺さない程度に手加減しつつ、ボコろう!

 

 

 

 

 

 そう決めたは良いものの、暴風大妖渦が意外としぶとく、手こずることになってしまった。

 

 でも……なんとかなる程度の強さだな。

 

 殺さないようにするのが大変なだけで、そこまで強いとは感じない。

 

 何度か攻撃をかすってしまったが、それもすぐに回復できる。

 

 暴風大妖渦も傷の再生を行なっているが、それもどんどん回復スピードが落ちてるし……うん、後ちょっとでフォビオから暴風大妖渦を引き剥がせそうだ。

 

「そろそろ終わらせるぜ?」

 

 渾身の力を込めた拳を暴風大妖渦に叩き込む。

 

 その瞬間。

 

 眩い光と共に現れたそいつに俺の拳が激突した。

 

「グオッ!!!痛いではないか!!!何をするのだリムルよ!!!」

 

 拳が激突した箇所を押さえながらそいつ……ヴェルドラが不満そうに言ってくる……

 

「何しに来たんだよ。今忙しいんだけど?」

 

「何しに来ただと?あのような仕打ちをしておいて、心当たりがないとは酷いではないか!!!」

 

「え?俺なんかしたっけ?」

 

「要件はこれよ!!!」

 

 ヴェルドラが懐から取り出したもの……それは漫画だった。

 

 …………あ、あれか!!!

 

「カバーと中身が別物とはどういう事だ!!!最終巻でこれはあまりにも酷いではないか!!!悪質であろう!?面白かったがな!!!」

 

 読んだんかい。

 

「はいはい、最終巻は後で渡すから。今は暴風大妖渦を……ってああ!!!回復が追いつかないスピードでダメージ与えてたのに回復終わっちゃってんじゃん!!!!!」

 

「何?それは間の悪い時に来てしまったようであるな。どれ、詫びに我が半殺しにしてやろうではないか」

 

 そう言うと共に、ヴェルドラは暴風大妖渦を数回殴った。

 

 たったそれだけで、暴風大妖渦は虫の息となった。

 

「これで良いのだろう!?」

 

 めっちゃ良い笑顔で聞いてくるじゃん…

 

「まあ……良いか。はいこれ最終巻」

 

「おお!!!早速読むぞ!!!」

 

 胡座をかいて漫画を読み始めたヴェルドラを一瞥し、暴風大妖渦の引き剥がしに取り掛かる。

 

《告、ここまで弱っているのであれば、丸ごと胃袋に収納せずとも暴風大妖渦の部分だけ分離し、捕食することが可能です》

 

 そうなのか?

 

 じゃあ、それでいこう!!!

 

《告、これより、暴風大妖渦の分離捕食を開始します……完了しました》

 

 えっもう!?

 

 少しは時間かかるかと思ったんだけど……。

 

 ちゃんと分離できたようで、目の前には気絶したフォビオが倒れていた。

 

「ヴェルドラ、フォビオのこと見ててくれ」

 

「良いぞ」

 

「頼むなー」

 

 フォビオをヴェルドラに託したところで、ランガに呼ばれた。

 

「我が主!どうやらこの九頭獣(ナインヘッド)はクレイマンめに操られ、戦いを強いられているようで…」

 

『助…ケテ…』

 

 九頭獣の念話か!

 

「分かった!!!なんとかする!!!」

 

 『智慧乃王』先生!!!

 

《告、『支配の呪法(デモンドミネイド)』の影響を確認。解呪します》

 

 流石『智慧乃王』!!!

 

 頼りになる!!!

 

 解呪された九頭獣は、一声鳴くと、従魔を元に戻した。

 

 さて、これで後はクレイマンだけだけど……

 

 そう思い、クレイマンを見ると、シオンにボコボコにされたクレイマンが叫んだ。

 

「暴風大妖渦よ!!!さっさとスライムを倒し、私に加勢しなさい!!!」

 

 そう叫んだクレイマンは、倒れ伏すフォビオを視界に収め、驚愕を露わにする。

 

「残念だったな。頼みの綱の暴風大妖渦はもう取り除いたぞ?」

 

「……っ!!!」

 

「まだ何か奥の手があるなら出して良いぞ?それも纏めて踏み潰してやる」

 

「フッ……フフッ……ああ、そうだな……奥の手……そんなものはないさ……ただあるのはこの肉体のみ」

 

「そうか、それでどうする?」

 

「私は魔王!!!今、戦い方へのこだわりを捨てよう!!!」

 

 クレイマンの魔素が膨れ上がった?

 

「久しく忘れていた……敵を自らの手で捻り潰したいというこの感情……高揚感を!!!思い出させてくれて感謝しよう!!!!!」

 

「リムル様、お下がりください。ここは私が」

 

 前に出ようとするシオンを止め、前へと歩む。

 

「少しマシになったじゃないか。見直した」

 

 仮面を付けたクレイマンに告げる。

 

「俺はリムル。ジュラ・テンペスト連邦国国主リムル・テンペスト。お前を殺す者だ。決着をつけようクレイマン」

 

「魔王……いや、今はこう名乗ろう。『喜狂の道化(クレイジーピエロ)』クレイマンだ。殺してやろう魔王リムル」

 

 

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