『平』遠く眩しいルドベキア 作:ある日そこに居たであろうクマさん
総人口の約八割が超常能力 個性を持つ世界。
そしてこの世界には個性を悪用する
そのヴィランを捕まえるヒーローが存在する。
そんな世界で彼...無個性の少年 緑谷出久はある日No. 1ヒーローのオールマイトから謎の個性ワンフォーオールを授かり憧れの雄英高校ヒーロー科に入学する。そして仲間達と共に切磋琢磨し、夢のヒーローへの階段を駆け上がる!
そう、この物語は主人公 緑谷出久が仲間達と共に最高のヒーローになるまでの話だ!
「まあ...それは私が居なければの話だがね...」
「さあ、少し昔話でもしようか...」
「私と...」
「この器たる彼女の話を...」
それは今より数十年前...
あの日...私は...
「逃げろッ!俊典!!」
「そんなっお師匠ッ!!」
あの日...私はOFA継承者として、宿敵 AFOを相手に盟友たるグラントリノと弟子の...次のOFA継承者の俊典と共に戦っていた...
だが...
「ふ、ふふ...フハハハハハッこれはお笑いだぜッここまで弱く醜い継承者は初めて見たよっそのボロボロの姿なんてっまさしくボロ雑巾そのもの」
「きっ貴様「俊典ッ落ち着け!」おっお師匠っ」
「グラントリノ...俊典を...頼んだぞ...」
「ッ!分かった!」
奴は...あまりにも強すぎた...だからこそ彼を...俊典を逃し、そしてバトンを託すのだ。次の世代に...
「俊典...後は頼んだぞ!」
「おっ...お師匠ォォォッッッーーーーー!!!!!」
そして俊典の叫びを背に浴びながら、私は...
「さて...最後に言い残す事はあるかい?7代目継承者...志村菜奈」
「フッ...貴様に言う事など無い!」
「あるのは...この先の希望だけだ!!」
「そうか...ならば、死ね!」
死に絶えた...
筈だった。
「やあ...こんにちは」
「貴方は...一体?」
気づけば私は全てが黒い見知らぬ空間にその身を置いており、向かいには白い肌に頭から二つのツノの様な物を生やし、片目に見た事の無い六つのピンク色の花弁が存在する瞳を宿した謎の存在が鎮座しており...
「私の名は大筒木ハナシキ...またの名を大筒木ロンとも言う」
「おお...つつき?」
「そうだ。ここは私の作った異空間。君は私の瞳術
「瞳術...サクヤヒメ?そもそもこの空間は貴方のっ」
そして驚く私に彼は...
「落ち着きたまえ。君はもう死んでいる」
「それは...」
当然の事実を告げた。
そう、私はもう...
だが...それも束の間
「ところで...もし、生き返れると言ったらどうする」
「何!?」
「疑っているのかい?ならばこれを見なさい」
そう言って彼は掌をこちらに向けて...そこに広がる紋章のような物を見せてきた。
「それは?」
「これは
「カーマ?」
「これこそ、我が大筒木一族に伝わる人々を救う為の楔だ」
そう言って彼はカーマとやらの説明を始めた。
「このカーマを使えば君の体を蘇らせる事ができる」
「なんだと!じゃあ「だが...」だが?」
「ただでこれを使うわけにはいかん。何せ特別な力ゆえに使い方も考えなければならぬ代物だからな」
「じゃあ...どうすれば良い?私はもし生き返れるなら...俊典達の力になりたい!だから、頼むッどうか「落ち着け...ただ、私の願いを聞いてくれればそれで良い」願い?」
「簡単だ...もし、君の体が生き返ったなら...私の好きなものをなんでも一つくれないか?」
「貴方の欲しい物...」
そして彼の言葉に私は...
「分かった...もし本当に蘇生出来たなら...貴方の欲しい物を一つだけ、私の持つ物から差し上げる。だから...頼む!」
私がそう言うと彼は...
「そうか...では」
そして私の意識は急に薄くなり、最後に聞こえたのは...
「君に一つ...私からアドバイスだ。君は人の話をちゃんと聞いた方が良い。何せ...私は体は生き返ると言ったが精神や魂が生き返るとは一言も言ってない」
「ッ」
「そして...」
そしてその言葉を最後に...
私は後悔だけを残し全てを闇に呑まれて消えた。
現代〜
とある場所...
と、こんな所かな...
そして心優しい彼女はとても親切にその体を私に譲ってくれたのだよ
いや、私もあそこまで...優しい女性は初めて出会ったよ。何せ困っているとはいえ見知らぬ相手に自身の体を差し出すとは...
本当に...
「馬鹿な人間だ...」
そして...
「おーい菜亡!そろそろ教室に戻らないとブラド先生に怒られるぞ!」
「拳藤...分かった。今行く!」
ここから始める。
あの人や花達、そしてオリジナルの為の...
新しい始まりの為の計画...
あの花達とそれを見守るあの人が傷つかぬ世界を...
全てが『平等』の世界を作る為に。
今、天秤はゆっくりと傾き始めていた。
歪んだ結末を迎える為に...
始まりから終わりへと。