『平』遠く眩しいルドベキア 作:ある日そこに居たであろうクマさん
場所は薄暗い部屋の中...
そしてそこを照らすのは一台のテレビから映し出される映像とその光。
だが、その部屋を最も照らすのは...
「アハハハハッッッ!!!!」
一人の人物の笑い声だった。
「どっドクターッ聞いたかい?『私を人殺しにしないでくれたまえ』ぶふっフハハハハハッ!!」
「ああっ聞いとるよ先生。にしても面白い子じゃの。
「あっああ!そうだね。はぁはぁ、いや〜彼女は良いね。本当はあの顔を見た時まるであの女が蘇ったのかと思ったが...あの顔であの言葉。近場でそれを見ているオールマイトは一体どんな顔をしているんだろうねぇ」
暗闇の中で二人の人物はお互いにテレビに映る彼女を見て自身の感想を話し合うが...
「おおっそうじゃった。そう言えば先生。例の集団も雄英体育祭に向かっておるらしいぞ」
「へえ...良いねえ、それ。でも、ヒーローの邪魔が入りそうなのがよろしく無い。まあ、ある程度は支援でも入れてあげようかな」
「ふむ、それもまた悪くは無いかもしれんな」
二人の邪悪は微笑み合う。
いずれ来るその日まで...
案外予定外の楽しみも良いかもしれないと...
そして...
雄英体育祭側では...
「スタートッッ!!!」
第一種目の障害物競争が幕を上げていた。
『いよいよ始まったな!!雄英体育祭第一部門ッ実況はこの俺様ことぉぉぉッップレゼントマイクと解説はァァァッッよろしくな☆Mr.ミイラマン』
『無理矢理読んだんだろうが...』
そして実況にはプレゼントマイクと解説には一年A組の担任である相澤消太ことイレイザーヘッド。
彼等の声も聴きながら観客達や教員達はじっくりと生徒達の活躍を目にしていく。
そしてまずは生徒達が狭いゲートの中を押し合いながらも通過しようとする。だが、その中でA組の轟の個性によって大多数の者がゲート付近でその足を凍らされた。
だが、同じクラスの者やその他の生徒も何人かその個性による氷結を回避しており皆が皆、自身の個性を駆使して前へ前へと進むのだが...
『おぉーーと!!これはどうした事か!?選手宣言でみんなの完璧で究極のアイドルになった志村亡菜が動かないィィィッッ!!これは一体どうしたことかァァァッッ!!!』
『...なるほど、つくづく合理性に欠けるな』
『ンンンッッ!!?解説のミイラマンは何か分かったのか!俺にも教えてくれヨォォォなあ、ミイラヘッドォォォ』
『次その気色の悪い呼び方したらしばくぞ、山田』
『本名を出すなよッ!?それで、一体何が分かったんだ?』
『奴の選手宣言を聞いたか?はっきり言ってあいつは本当に他の生徒の事を虫か何かだと思ってんだろうな...そしてその精神性は敵のそれに近い』
『おいおい、ヴィランって...』
イレイザーヘッドの解説を聞いていたプレゼントマイクと観客達は困惑しながらもゲート前で未だにその動きを止める彼女を見ながらイレイザーヘッドの話も耳に入れていく。
『要するに奴が何をやる気かだろ...簡単だ。おそらくあいつ...』
『ゲートに溜まった奴等を...』
彼がそう言いかけたその時だった。
「おい、動いたぞッ!!」
「「「「「ッ!?」」」」」
その時、観客の一人が声を上げその場から亡菜が動いた事を皆に伝えるが...遅かった。
「「「「「ギャアアアッッッ!?」」」」」
突如としてゲート付近から鳴り響く悲鳴。そして吹き荒れる突風とまるで何かが崩れる様な轟音。
即ち...
『あいつは敢えて最初に他の参加者達を行かせて、ゲートにある程度人数が入り、その後、再びある程度人数が減ったらその後の残った生徒を不合格者として吹き飛ばす判断だったんだろう』
『おい、そりゃあ...』
『そう、あいつは
(たくっブラドの奴...いや、これは仕方ないか...)
そう、亡菜の目的はあえて後からスタートする事によって自身の目の前のゲートに詰まっている参加者である生徒達全員を蹴散らす事。抜け出せたのなら良い。だが、未だゲートで溜まっているなら必要は無い。ゴミはゴミ箱へ...
容赦はしない。
A組やB組。その他にも普通科やサポート科など様々な生徒達が個性や身体能力などを使ってそれぞれの場所にある関門を突破していく。
まず第一の関門ロボ・インフェルノ。雄英の入試などでも使われたロボット達による妨害。これは倒すも良し、ワザと残して妨害するも良しとなっている。因みにこのロボット。実は滅茶苦茶口の悪い場合が多いのは気のせいなのだろうか...
そして第二関門ザ・フォール。ザ・谷&島!一度落ちたら這い上がる事すら叶わない断崖絶壁、その幾つもある足場から更に先へと繋がる綱。これを伝って先のゾーンへと辿り着けた者だけがこの先の第三関門に挑めるのだッ!!ぶっちゃけ綱渡りっていりますかねぇ?
そしてそしてぇッ!!最後にあるのはこのゾーン。地雷ゾーンこと第三関門の地雷原!ここを突破すれば後はゴールのみ。障害物競走はクリアとなるぞぉッ!!
そしてそんな中、最前線に立つのはやはりこの二人。爆豪勝己と轟焦凍。彼等は一年生の中でもトップクラスの実力を持ち、今は障害物競走の最後の関門、地雷原へとやって来ていた。
だが...
ドドドドドッッッ!!!
「来やがったなァァッッッ!!!」
「もう追いついて来たのかッ!」
現時点で...圧倒的トップの彼等に追いついて来たのは...
否!
それを...
ビュウッッッ!!!!!
「「は?」」
「悪いが追いついて来たのでは無い...」
「既に追い越したのだよ...」
『なんと言う事だアァァッッッーーーー!!!先程まで圧倒的後方で圧倒的に不利な筈だった志村亡菜ァァッッ!!あっさりと戦闘の二人を追い抜きィィッッッ...今、ゴールインンンンッッッ!!!!!』
「嘘...」
「もう、スタートからゴールに...」
「さっきのあいつのスタート。あれから十秒も経ってねえぞ」
「チートじゃねえか」
雄英体育祭。第一競技、障害物競走。様々な障害を掻い潜り見事一位でゴールし、他の生徒達に絶望を植え付けたのは...
「ふむ、ティータイムにしようか」
志村亡菜こと...
怪物、大筒木ロン。
その目的は未だ明かされず...
だが、その実力の一端はこの体育祭で垣間見る事は間違いなく...
そして...
「貴方達...誰?」
「我が名は...
「伝説の昆布ダンスの伝道師、ボボ村ボボクソンだ」
「いや、絶対に違うだろ」
ある場所では
二つの出会う筈が無い存在達が遭遇していた。