『知』いつか未来のナナカマド 作:ある日そこに居たであろうクマさん
「天は我に全を与えず。天は我に一を施し」
「王は私を大地に導き。王は私に人を教える」
「海は我々に生を与え。地は我々に恵みを与えた」
「白は精神に絶対の安定を齎し。黒は肉体に力を齎す」
「我々は人である、欲なる獣でありその化身。我らが完成において『一』での完結などあり得ない。そこにあるのは大いなる矛盾だからだ」
「さあ、謳いたまえ。謳歌するのだ。人の子よ...」
「君達の魔なる人生に絶対の祝福があらんことを...」
前回、冥界の自身のラボ内でソーナと通信をしていた篠ノ之ロン。
時は彼とソーナが話をする少し前のレプリカ内へと戻る。
ゲギャギャギャギャギャギャッッッ!!!!
「おいおい、なんだこの化け物は!?」
「嘘...!!さっきの
「それだけではありません。リアス、あの怪物の内から我々とは比べ物にならない魔力が...下手をしたら
「一体...どうなっている!?」
ゲームの最中、急遽、謎のアナウンスと共に発せられた警告。それと同時に他の眷属達のほぼ全てが転移魔法陣によってその空間から強制退場させられてしまったリアスとライザー達四人。彼女達の眼前にはその後に突如として空から飛来した町中の機械兎達が重なり合った結果生まれた存在。
その存在はあまりにも異形そのもの。兎の様なフォルムでありながら、口は四つに裂け、顔には
そして現在の場所はリアス達が一誠が眷属に加わってから初めて行ったはぐれ悪魔のバイザーを退治した館の近くである。
だが、この様な怪物を前にしても四人はある意味冷静でいられた。
何故ならば...
「「「「あのクソ男ォォォ」」」」
『わーい♪みんな呼んだ〜?今ケーキが焼けたんだけど、一緒にティータイムにしない?アハハハハハハッ!!』
彼ら彼女らにはこの事態の犯人が全て同一人物であり、最初のアナウンスをしてきた時にこう言った事態が絶対に起こると...
「チッまあ今は気にしていても仕方ないッリアス、雷光の巫女!手伝え!!今は争っている場合じゃない!!」
「そうね、朱乃!私とライザーで先ず先制するから貴女とユーベルーナは二人で魔力を溜めつつ相手の出方を見て頂戴!」
「っ分かりました!」
「お任せくださいッ!」
先程からじっと空を見上げながら笑い続ける
が...
「吹き飛びなさいッ!!」
「消し飛ぶが良いッ!!」
ゲェェ...ギャギャギャ?.....
二つの強力な魔力攻撃。その力は取り敢えずの様子見という事もあって威力は本気のソレよりも遥かに劣るものであった。
それに対して...奴は。
「「ッ!?」」
ドゴオォォォォォッッッ!!!!
強大な二つの魔力の直撃直前。奴はこちらを見て笑った。
否、
そしてそれは少し離れた地点で魔力を溜めつつ、二人の攻撃により爆風に包まれた兎型異端脅威を見た二人も然り。
彼女達もソレを見た...あの怪物が
「今のあの怪物の顔...見ましたか?」
「そうね...確かに笑った。それもあの二人を嘲笑うかの如く。そしてアレを作ったのは『あの人』でしょう。今回どんな魂胆があるかは分からないけど...」
「そうですね。
「そう。だからこそ早く奴『ゲギャアァァ?』えっ?」
「
そう。嘲笑ったのは四人。奴はただ月を見上げていたのでは無い。最初からリアス達全員の位置や呼吸音からなる緊張感。更に喋り方や小さな仕草から分かる個人の性格などを確かめていたのである。
そして兎型異端脅威ことオリギルミナス。その最初の獲物に選ばれたのが...
「ユーベルーナッ!逃げろォォォォッッッ!!」
それがこの女であり、こういった存在から消していけば群れはいずれ完全な崩壊へと繋がる。自身の本能がそう告げていたのであった。
「おのれぇぇぇぇッッッ!!」
「ライザーッ待って!!」
「罠ですわッ!戻って!!」
「関係あるかッ!焼き尽くしてやるッ!」
敵のその巨体からは想像も出来ない俊敏さにより強烈な一撃を叩き込まれたユーベルーナ。ただ、それは即座に展開された魔力障壁によってなんとか軽減され、ゲームからの退場はさせられず、重症の身体で近くの住宅地へと吹き飛ばされていった。
更に次はそれ見たライザーが自身の眷属であり、
そしてその炎の兎型異端脅威の全身を...
「まだまだァァァァッッ!!!」
ゲギャアァァァァ.....???
「なっ何ィィィッッ!?」
燃やし尽くさなかった。それも何故か炎が相手に届く前に
ゲギャアッ!!
「ガアァァァァッッッッ!?」
「ライザー!?このッ彼を放しなさいッ!!」
ライザーの身体に素早く複数ある腕の一つで拳を捩じ込む様に入れ、そのまま彼が体制を崩したところを他の腕で掴み取った兎型異端脅威であったが...
ゲ...ギャアアアァァァァァァッッッ!?
「嘘...攻撃が、効いた?」
「リアス...もしかして」
「そう...か。なるほど、な」
リアスがライザーを救うために再び放った滅びの魔力。先程の攻撃時は明らかに効かなかったと思われたソレは再び放った途端、兎型異端脅威すら想像しなかった結果として...自身の
「リアス...よく聞け。おそらく現状、奴にダメージを与えられるのは君だけだ」
「ライザーっ傷は!」
「問題ない。君も知っているだろう?フェニックスは不死身だ。ダメージ許容量の上限を超える様な攻撃でも受けない限りは何の問題も無い」
「それより聞け。未だ確実では無いが、それでも君の攻撃が効いた以上。その原因は君の『滅びの魔力』だ。それが奴の何らかの防御系統の能力を突破、もしくは
「なるほど...リアスの、
「そうだ。そして現に奴はその攻撃を避けずして、ダメージを負い。今も尚そこで悶え苦しみ暴れている」
ライザーやリアス達がすぐそばの住宅街を見ると、そこには兎型異端脅威がその巨体をあちこちへとぶつかながら痛みに苦しむ姿があった。
そしてこれこそがこの怪物を倒す手段の一つであり...
ゲギャアァァァァァッッッ!!!!
「クソッ!もう起きて来やがった!」
「不味いッ、こっちに飛んできますわ!」
「仕方ないっ私がやるわ、二人は一度下がって!!」
更に...
汝、望むものなれば、我、希望を齎す者と知れ
Boost!Bosst!Bosst!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!
ゲギャアァァァァァッッッーーー!?!?
三人に迫り来る兎型異端脅威。それを阻止するかの如く、別方向から彼女達の眼前には飛び出てその巨体を貫通したのは...
「「
「赤龍帝...と誰だあの女は!?」
「部長、朱乃さん.....と、ついでに
「おい、ちょっと待て!?今何か余計な言葉が混ざってなかったか!」
「やれやれ...君達、騒々しいぞ。ゆっくり
「「呑気で良いよなアンタはよぉッ!?」」
そこに現れた存在。それはこことは別の場所で強制転移をさせられずにリアス達の元へと駆けつけていた一誠とアーシアであった。
「赤龍帝ッそれはまさか
「っああ!本当はお前を倒す為に身につけたモンだが...出番が予定より早くなっちまったかな」
先の修行で一誠が身につけた新しい力。本来ならより時間をかけて何らかのキッカケなどでの覚醒などが基本だが、今回は篠ノ之ロンが取った中の龍がドン引きするレベルの強引な方法でそれを会得させられていた。
グギャアァァァァッッッッ!!!!
「マジかよっ今のが効いてねえのか!?」
「ッ無駄だ!赤龍帝とそっちの女も良く聞けッ!この化け物を倒すにはリアスの滅びの魔力を使う以外に手は無い!」
「なっマジかッ!それじゃあ...!!」
「そうだ!オレ達の勝ち筋はリアスを守りつつ、彼女の滅びの魔力で奴を屠る以外に無い!」
だが、その赤龍帝の籠手の禁手である
これを見て、更にライザーからの情報を聞いた一誠はリアスが魔力を溜める事を察知し、兎型異端脅威に対して即座に構え直し。自身が先ず相手の注意を引こうと考えたが...
その時...
「導け!!」
『ッ!?』
響いたのは...
「っアーシアッ!何をする気ってうおっ!?」
その場に聞こえた謎の機械音。そして一誠が見たのは
そしてそこから、彼女を中心として黒い巨大な竜巻が出現。その範囲はとても巨大であまりの事に禁手化した一誠やそれと共にいたリアス達もその場でうずくまる事しかできていなかった。
そして...現れたのは...
「っ一体何が起こって...なんだ、アレ...!?」
「アーシア...なの?」
「次から次へと...!これはッ!?」
それを見た皆はそこに立つ存在に驚き...
ある研究室内では...
「アハハハハッ!!どう、凄いでしょ!わざわざ
「いや、お前の研究ラボに来れる事なんて中々無いから寧ろラッキー...って言うと思ったか!?寧ろ訳が分からんわ!なんだあのアイテムは!?めちゃくちゃじゃねえか!...後で同じもの寄越せよ」
「オレは問題無い...寧ろ大歓迎だ!!ここまでの力は中々見られない!ロン、この後はどうなるんだ!?奴はどう言う風に戦う!?」
ロンとある二人組。その先にあるのは全身が金色の鎧に包まれたアーシア。それは肩から蒼いドラゴンの貌を出して背中に灰色のマントを纏い、頭部から唯一出る髪を
「あれが完成版黒堕奏姫!!使用者によって鎧に違いは出るけど...その力は絶大そのもの。しかも使用者の力量に応じて力を増すからねぇ」
(さあ、どう動く...アーシアちゃん♪)
こうして兎...否、『知』が見守る中...
異端の技術と異端の怪物。異なる二つの者達がぶつかり合うのであった。
次回、決戦!機械兎狩り!!
お楽しみに♪