『愛』貴方の為のエーデルワイス 作:ある日そこに居たであろうクマさん
さて、今回は私と一緒に前回までのあらすじをまとめてみよう。
ある日自身でも気付かぬ間にこの世界に連れてこられたシャーレの先生。彼女がこの世界にやってきてから早数日。彼女の元には様々な学園からの様々な事案が届いていた。
そんな中、彼女はアビドス高等学園からの手紙を受け取り、シャーレ特別顧問の私こと二虚ロンとその現場へと向かったが私と離れ離れとなり、砂漠で遭難。そこをアビドスの生徒である砂狼シロコに助けてもらい私より早くアビドス学園到達。突如として現れたヘルメット団を皆と共に迎え撃つが、その後日にアビドスの生徒の一人 黒見セリカが誘拐される。
そして一行は誘拐犯であるカタカタヘルメット団とやらを追い詰めたが、その道中に私こと二虚ロンと再会。なんとも言えない空気の中私は説教を受け、更に後日にはアビドスの借金についての情報やその他の事を洗いざらい吐かされる事となったのである。
果たして、私の運命は如何に!
続けて私視点で話を進めていこう。
昨日、先生とホシノ達アビドス対策委員会諸君と一通りの話をした私こと二虚ロン。だが、どうやらホシノ達はその内容だけでは納得のいかない部分が多かった様でね。まあ最もそれは私が色々と余計な部分まで喋り続けたのが原因なのだが...兎にも角にも時間は移り変わり今日の午前中に私はアビドスに向かい先生と共に彼女達と話し合いをしないといけないのだよ。
だが...それよりも前に...
「先生、着いてきているかね?」
「あっうん。ところで...今からどこに行くの?」
「少し早いと思ったのだが...
「そこでだ」
現在私は先生と共にサンクトゥムタワーの真下。それよりも圧倒的に地下。かつての連邦生徒会長すら感知出来ていない場所まで来ていた。
本来ならまだ誰にも見せていない場所なんだがね。第一ここは
と、そんな事より...
「ついた」
「ここは...てゆーか何故に猫型?」
地下へ通じる階段を降りていき、数分程。そこにあるのは薄暗い空間のど真ん中に建てられた巨大なラボ。大丈夫。『僕、名前無いから♪』だそうだ。相変わらずネーミングセンスのカケラもない。
「昔、このキヴォトスにやってきていたあh...友人が残した物だ。かつての奴が使っていた研究施設の一つでね。今は私が使わせてもらっている」
「え!?リンちゃんや他の連邦生徒会のみんなは知ってるの?」
「いいや、知らないよ。知ってたとしても入り様がない。ここのゲートはキヴォトスレベルの生命体では絶対に開ける事が出来ない様になっている。もし入れた場合、それはこの世界の理を超えたか、今の先生の様に私の許可ありで入る場合。もしくは今から先生に行う生体認証などの登録のみだ」
「へえ〜そうなんだ〜...ふぇ!?ちょっと待って!登録!?聞いてないよ!」
「当たり前だ。言ったら怪しむだろう?それにあまりシャーレに長いさせると
「そっそんな勝手な」
「後一応忠告しておくが、シャーレの部屋のあちこちには盗聴器の類が山ほどつけられているからね」
「は?」
そもそも君より先にこの世界に来た私があちこちで様々な人物と関係を広げたせいで本来の歴史よりも君に興味を持つ者や私と知り合って命を狙ったり、情報を探ろうとしたりと...そう言った輩が増えすぎているのだよ。最も盗聴器や監視カメラなどは勝手に撤去させてもらっているがね。どこぞの狐やどこぞの病弱ハッカーなどが悔しがっている様が目に浮かぶよ。
「さて、そんなどうでも良い事はさておき...君にはここである物を回収してもらう」
「ある物?それって?」
「安心したまえ...怪しい物では.....ないよ」
「ねえ、嘘だよね?絶対危険な物だよね」
チッダメか。
「ねえ!?やっぱり思ったでしょ!?やばい物なんだよね、危険な超弩級の危険物質なんだよね?分かります!!」
ハッハッハ!何をおっしゃる。それでもシャーレの先生かね?女は度胸というだろう?もしかしたら君の喜ぶ物かもしれないぞ。この扉の先を開けたらそこには...!!!!
「いや、そもそも「」を辞めてまるで心の中で話しているかの様に振る舞ってる時点で相当とんでもないでしょ!?いくら私でも騙されないよ!」
「はあ...メタい事を宣うじゃあない。この先に行くには君の事をコンピューターに登録させなければいかんのだ。そもそもこの扉の先にあるのは本当に君の好きな物だよ」
「そんな事「特撮とかに出てくる物かもしれないぞ?」そっそんな事言って...因みにどんな奴?」
ふっ先生はやはりチョロい。君のチョロさはどこぞの双子精霊と同じかそれ以下...いや、そんな事は無いか。あの二人よりチョロいのもなかなか居ないな。
「どんな奴と言われても...まあ、近未来の「どうやって認証するの!?」扉の横にパネルがあるだろう?そこにシッテムの箱の画面を押し当ててみてくれ」え?こっこう?」
よし、誘導できたな。問題なのはここからだ。
《セキリュティコード:レベル:1〜レベル50解除 登録済みの生体反応を確認、登録無しの生体反応アリ。検証します.....該当者あり、シャーレの先生、並びにシッテムの箱を確認しました。登録済みの個体二虚ロンを確認。シャーレの先生の認証登録を行いますか?》
「えっ?ええっと「ああ、頼むよ。登録しておいてくれ」ちょっ!?」
《個体名:二虚ロンからの要請を受理します。これよりシャーレの先生の認証登録。並びにシッテムの箱のデータを登録致します。今暫くお待ちください》
「はっはい!」
「緊張しなくても良いのに。あと、言い忘れていたがアロナは大丈夫かい?」
『はっはい。私は...えぇ!?私の事が認識」
「出来ているよ最初から...先生と出会った頃から見えているのだ。悪いがね」
「アロナの事知ってたの!?もう、言ってくれれば良かったのに!」
やれやれ、そこまで驚かんで良いだろう?そもそも私も君達の前で領域外の力を平然と使っていたじゃあないか。アレが出来るのだから、アロナ君が見えても不思議ではあるまい。
「いや、それ十分不思議だよね」
「良いかい先生、そして読者の君達も覚えておきたまえ。謎がある人間というのはどうやっても好かれてしまう生き物なのさ。何せ人間が自身の知らない『未知』を恐れ、それでいてそこに魅力を感じてしまう生き物だからね」
「ごめん。一つ言ってしまうんだけど、今の発言って言ってはいけないものが大前提で含まれてなかった?」
「?先生、細かい事を気にする大人はモテないんだよ」
「ッぐはッ!?」
良いかい先生。そしてこれを読んでいる外側の君達。これも覚えておくと良い。
世の中には口に出して良い言葉と出してはいけない言葉がある。その時の場合によっては逆転することもあるが、対人関係においてたった一つの選択でそれまでの全てが崩れていく事もあるんだ。
人生と一緒だよ、それまで一つ一つ積み上げてきた物がたった一つの横槍やミス。はたまた慢心か。自身や他人。あらゆるものの影響で崩れ去っていく。
だがね...そこで挫けてはいけないよ。君達の人生というレールは有限だ。だから時には焦ってしまう事もある。失敗という物をすれば尚更だろう。
だからこそなのだ。だからこそ、落ち着いて見直してごらん。何が原因で失敗してしまったのか?何が悪く、何が良く、何で始まって、何で終わったのか?その始まりから過程、そして終わりの瞬間。よく思い出してごらん。そうすればきっとそこから新しい道筋が見えてくる。
そして新しい未来が見えてくる。それでも未来が見えてこないなら空を見上げなさい。空はどこまでも空白だ。どんな色があろうとも空は君の色にしか染まらない。君だけのキャンバスなんだ。
だから諦めないで、どこまでも走り続けなさい。君が描くのを辞めない限り色は無限に湧いてくるし、君が走るのを辞めない限り人生という道は続いていく。人との縁が切れようとも、今の仕事が無くなっても、誰が何を言おうとも、君が走り続けるだけでいつかどこかの空の下。
そこに君だけの未来がある
《シャーレの先生及びシッテムの箱のデータ登録を完了しました。ようこそ、『五条ロン』のラボ第1795号こと僕、名前無いから♪へ》
「という感じで認証登録が済んだよ」
「いや、今明らかに凄い間無かった!?そもそも何その変なラボ名ッ!」
《シャーレの先生の発言を否定、並びに訂正を要求します。変なラボ名ではありません。開発者が変人と訂正していただきたい》
「ラボのおそらくAIであろう存在に変人呼ばわりって何!?第一その人開発者、つまりは貴方?の親だよね!?」
《YES。アレは私の親であり、変人です。いつも目の周りにバイザーを付け、ネーミングセンスは壊滅的。人間を虫以下のゴミとしか思っておらず、自信を世界で一番の知的生命体の神と思っている変態です》
「ねえ、その人なんなの?何をどうしたら自分の作ったAIにここまで言われるの?そもそもさっき五条ロンとか言って無かった?つまりは...!!」
ハッハッハ。先生、勘のいいガキは嫌いだよ。だが安心したまえ。私は自分でもアレより性格が良いと自負している。あの馬鹿は性格の悪さで言えば我々の中でトップクラスだろうからね。最厄はとんでもなく歪んでいるがおそらくアレは境遇故のものだ。対してあの馬鹿は本当に天上天下唯我独尊よりも上のナルシスト。オリジナルにはちゃんと忠誠がある癖にそれ以外はゴミとしか見ていないのだ。普段から一見丁寧語を使い話していると思いきや自分の周りの声など聞いてはいない。
ハエが周りで羽音を鳴らしているとしか思っていないのだよ。
「まあ、その話は良いじゃあないか。そんな事より見せたいのはこの先だ」
「えっうん」
奴の話をいくらしても頭がおかしくなるだけだからね。ここからはパッパと進んでいこう。
そうして先生と私はそのまま扉の先にあった通路を真っ直ぐ進んでいる訳だが...
「凄いね。最初見た時よりすっごく広い」
「だろうね。最初に見たのは入り口の一部。人間の体で言うと口の歯の辺りだ。現在が喉の手前と言えば分かりやすいかな?」
「えっそんなに広いの?」
「先程のAIが言っていただろう。ここで1795号だと...これより広い物から狭いものまで...その知人もこことは違う世界の住人なのだが...この世界には他に後十件以上はラボがあるはずだ」
「マジですか」
「本気と書いてね...ただ、ここは少し特殊でね。ある意味先生の為に造られたと言っても過言では無い」
「え?私の為?」
そう。このラボは特別な物。そもそも何故奴がこの世界を訪れてラボを作っていたのか。本当の目的は定かではないが...奴の目的の一つは分かっている。シャーレの先生はそれぞれの
何せ、彼女の見た目は...
「
「?...どうかしたの?」
「いや、別に...それより早く行こうか。目的の場所へ」
「うん。そうだね...わくわく♪」
「君、結構楽しんでるだろ」
さて、そんなこんなであれから10分ほど...
「ここが目的地?結構大きい扉だけど」
「そうだね。何せ中身が中身だ」
(まあ、場合によっては小さくなるが)
「それで、これはどうやって開けるの?」
「先程と同じだ。扉の横にパネルがあるからそこにシッテムの箱を翳してみたまえ。今度からはシッテムの箱か大人のカード。それらが無い場合は登録された先生の生態反応のみに反応してシステムが作動する」
ここにあるのは本当に先生の為だけに作られたシステム。オマケで私の登録もしているが、それは本命の先生のサポートを任せる為だろう。ここまでくればやはり奴の目的は未来...つまりは今の状況を知っていたが為の行動とも思えるが...絶対に別の目的もある筈。
「あっ扉が開いた!」
「じゃあ先生。ここから先は簡単だ。後は君一人で行ってくれ」
「ええ!?ロンは?」
「私はここに残るよ。悪いがこの先は君一人で行くべきなのだ」
「でも「因みに選ばれし者だけがソレを手に」行ってきます!」
そうして私はドタドタと走っていく先生の姿を見届けたのであった。
大体幾つか他の世界も大まかに観測しては見たが、どの先生も特撮とかヒーローとか、もしくはそう言った単語に弱く無いかな?全員があまりに簡単に釣られているんだが...
「さて...どうなる事かな...」
(そもそも早く終わってくれないとアビドスの集合時間に間に合わないんだがね?)
そうして数分。扉の向こう側に歩んで行った先生を待っていると...
「グスッ、うっゥゥゥゥゥゥッッ!!」
「うわ〜...泣きながら帰ってきたんだが」
扉が再び開き、そこを見るとニッコニコの笑顔で走り去って行った先生がとてもじゃないが淑女とは思えない様な鼻水と涙で全てを埋め尽くす様な顔で戻ってきていた。マジで何があったのだろうか...気にはなるがあえて聞くまい。私は空気が読める大人だからね。だから先生。君はその涙と鼻水を私の白衣で履こうとするんじゃあない。汚いだろう?
「ありがどうね゛がっごよぐじでもらっで〜!!」
「君はどこぞの未来の海賊王かね?私はMr.3とかいう蝋人間では無いのだが」
どうやら『適合』とやらが出来たようだね。彼女の為だけに造られた
「だが、君が無事で良かったよ。おそらくそのコアとは話が出来たのかな?」
「うん。良い人?だったよ。私の事をお姉様って呼んでくれてさー♪可愛いなぁ〜」
「君ねぇ...」
おそらく待機形態とも呼べる現在のブレスレット型の物。あれこそが今回彼女が手に入れた彼女だけのお宝。『奴』が用意していたこの神秘の世界でも持て余すであろう力。
奴から聞いた名は確か.....
「エーデルワイス...と言ったか」
「あっこの子もその名前名乗ってたよ」
エーデルワイス。確か花にヨーロッパの一部地域で多く咲く花だったか?花言葉は勇気、忍耐、純潔。後は...
「確か大切な思い出とか...」
「へえ〜ロンってそう言うの詳しいんだね」
「まあね...知人に花に詳しい人物がいるのだよ」
花に詳しい人物。無論オリジナルの事だが...あの人も妙に花に詳しいところがある。最初は薔薇だけかと思っていたが、あまりにも詳しいのでこちらもある程度は覚えてしまっていた。
第一私の方の計画もそれに関与する物があるからなんとも言えないのだが...
「まあ、良いだろう。とにかく先生がそれを手に入れた事はとても良い事だ。これによって君の自衛能力は格段に上がった...というか基本的なキヴォトス人には絶対に負けないだろうね」
「でも、こんなのを私が持ってて「因みにそれは普通の人間やキヴォトス人などが君から無理矢理剥がそうとしたりすると面倒な事になるから気をつけてね」はい...私が持ってます」
「よろしい。では、あまり時間が無いのでそろそろアビドスに向かおうか」
「え?もうそんな時間?だってまだ...!?」
何せもう集合時間まで10分を切っているからね〜こう言う時は誰でも一度は焦ってしまうものさ。因みに今の先生がそれ。大量の汗を流しながら、『えっマジ、ですか...』みたいな表情を取り、顔を青ざめさせている。だが...安心したまえ。何故なら...
「私がいるからね」
「ええ!?」
「先生、しっかり掴まっていたまえ。少し
このキヴォトスには案外に次元などを観測できる存在がいるし、更にあのカエル共がどう来るか全く読めない分、動きづらいのだが...仕方あるまい。
「では...行こうか」
最近はあまり使っていなかったし、成体から幼体に戻っている状態だからそこまで遠くの異世界などには行けないのだが...ここからアビドスに移動するくらいは扉一枚隔てた場所を通るのと同じ...つまり歩数にして一歩ぐらいと言ったところか...
「さて、着いたよ」
「へ?」
そうして我々は...
「ようこそ、アビドス上空へ」
「えぇ〜〜〜〜!?」
アビドス高等学園の上空へとやってきていた。
「どっどうやって!?」
「はて?言っていなかったかい?私は空間転移も得意でね。このくらいは朝飯前さ...先生の入浴シーンも簡単に」
「覗かないでねッ!?」
「はいはい.....分かってるよ」
「ちょっと良いなって思ったでしょ!?」
ハッハッハ!何を言っているんだい先生。私は『彼女』の身体に興味はあっても君のその無駄に肥えた身体に用はな「フンッ!」分かったから殴らないでおくれ。君の拳は何気に痛いのだよ。そこに愛があるからね。
「では、行こうか先生。早く行かないと次はホシノの鉄板パンチを食らってしまうよ」
「お願いだから本人にそれを言わないでね。私も一緒に殺されちゃうから」
「...巻き込まない様に善処しよう」
「今巻き込もうとしなかった?ねえ、ちょっと迷ったよね!?」
では、改めて話をしに行こう。彼女達とこれからのアビドスの為に...
あと先生。先程も言ったが細かい事を気にする大人はモテんよ。
「グバァァァァッッ!?」
そして次回。アビドスの借金とその裏側に潜む本当の巨悪の存在が明らかに...
果たして私こと正義の味方 二虚ロンと先生。そして胸の復讐者小鳥遊ホシノは諸悪の根源こと陸八魔アルを打倒出来るのだろうか!?
「絶対に見たまえよ♪」
「ななななっなんですってッッーーーー!?」
何を驚いている?こうなるオチは見えていただろう?