『魔』いつか過去のフリージア 作:ある日そこに居たであろうクマさん
静まり返った闇の中...
そこで動くのは二つの影だった。
「おいおい、聞いたか!フェアリーテイル復活だってよ」
「ああ、しかも大魔闘演武に出場すんだろ!」
「だがよ、いくら主戦力が帰ってきたとはいえ七年間で優勝回数0回だぞ。それも帰ってきたメンバー全員が今のレベルには追いついてない」
「その通り。いくら凄いとはいえ、七年間動けなかった連中と今まで現役バリバリで戦ってきた連中じゃレベルが違う。まあ、流石に優勝は無理だろうな」
影の正体はこの街に住む住人の様で彼らは近々開催される大魔闘演武の事について話している様だ。
そして二人の内一人がハッと何かを思い出した様にもう一人に話しかける。
「そう言えばお前聞いたか?」
「何を?」
「つい最近、新しい魔道士ギルドが設立されたそうだぞ。それも大魔闘演武に出場するらしい」
「はあ!?」
その話に聞いていた男は驚きの余り顎を外しかけ、堪らず大声を上げる。
それはそうだ。何せ新しいギルドがこの時期に設立され、その上で大魔闘演武に出場すると言うのだからそれは驚く。
寧ろ驚くなと言う方が無理があるのだ。
「まじか...で、そのギルドの名前は」
「確か、名前は...」
男がその名前を口にした瞬間...
何処からか強烈な熱風が吹き荒れた。
それは祭りの始まりを告げる息吹だったのかも知れない。
一方...七年前のある事件から帰還し、大魔闘演武に出る為に七年のブランクを修行で埋めようとするフェアリーテイルの天狼島組のメンバーだったが...
「あぁ...アァァァァ.....」
「すっ全てが...」
「終わった...」
ある意味で終わりかけていた。
というのも実は彼等の一部メンバーはとあるビーチの近くで宿を取りその近くて修行に励んでいたのだが、メンバーの一人であるルーシィの精霊達に精霊界と呼ばれる精霊達の住む世界に案内されておりその日はその場で宴を楽しんだ。のだが...
「まっまさか、精霊界と人間界の時間にこんなに差があるなんて」
その嘆きの理由が精霊界と人間界。
即ち、元の世界との時間差にあった。というのも彼等が招待された精霊界での1日が自分達の世界の三ヶ月に該当する。つまりは残っていた大魔闘演武までの修行期間の殆どを奪われてしまった。それも精霊達は歓迎などの意でやった事なので悪気などは一切あるはずもなく。これほどまでにタチの悪い話もなかなか無いがいくら泣こうが喚こうが時間が戻って来るはずもなく。
だが...
その後突如、その場に居たエルザの頭の上に一羽の伝書鳩がとまっておりその足に括り付けられた手紙によって彼等はその送り主の元へ向かったのだが...
そこに居たのは...
「ジェラール!?」
「変わってないな...エルザ」
そこに居たのはその場の殆どのメンバーと因縁のある相手であるジェラール。そして彼が元
そして各々が言葉を交わす中本題に入ったのはウルティアだった。
「で、貴方達を呼んだのは別に自己紹介をする為じゃあないのよ。貴方達、第魔闘演武に出るんですって?」
「おっおう」
「会場に私達は近づけない。だから貴方達に二つ頼みがあるの」
「...だっ誰かのサインが欲しいのかッ」
「それは遠慮しとくわッ」
そしてナツの天然発言に調子を崩されかけながらもウルティアやジェラール達は話を続ける。
「まず一つ目...実は毎年大会の開催中に妙な魔力を感じるんだ。その正体を突き止めて欲しい」
「なるほど...それで、二つ目は...」
「うむ、それなんだが...」
ジェラールは一つ目の頼みを話し、それを聞いたエルザが二つ目の頼みを聞くと彼は気まずそうにしながらも彼等にその内容を話し始めた。
「確実では無いが...実は三ヶ月前、君達が修行に向かったその後日から新しい魔道士ギルドが設立された」
「はぁ!?新しい魔道士ギルド...ん?ちょっと待てよ。それの何が問題あんだよ」
そのジェラールの話に疑問を持ったグレイは彼にそう問いただす。何せ闇ギルド認定されるようならともかく、新たなギルドが出来た事の何が問題なのか...
だが、次の瞬間。ジェラールの口からその答えは露わとなった。
「その期間が僅か二日で尚且つメンバーは五人でその全員がS級クエストを数十回無傷で達成し帰還している。これを聞いても問題では無いと...」
『は?』
その発言に皆が驚いた。二日でギルド発足。ここまでは分かる。だが...重要なのはそこでは無い。
「メンバーは五人で...」
「S級クエストを数十回達成...」
「しかも...無傷で、だと?」
「おいおい、何の冗談だ」
そして驚く皆にジェラールは更なる爆弾を投下する。
「そして重要なのはここからだ」
「ッ!まさかっ!?」
「そう、そのギルドが大魔闘演武に出場する!」
その名こそは...
場所は変わってとある荒野。
いや、正確には...
そしてそこには計十名ほどの人間の姿が...
「貴様らァァァこんな事をし「煩え」グギャアァァァァッッッ!?!?」
「まっマスター!?」
「嘘...だろ?」
その内の一人レイブンテイルマスターのイワンがボロボロの状態で倒れ伏しながらも怒号を上げたがその背中を上から飛んできた薙刀で串刺しにされ激痛に悶えながら絶叫を上げる。そしてギルドメンバー達はそれを見て自身達の運命を悟るのだが...
その時、倒れ伏したレイブンテイルのメンバーの一人であるフレアに相手側の一人が近付いて来ており...
「hit!良いわね。貴女」
「へ...わっ私の事...」
「ええ、決めたわ!ルミリ!」
「はーい!マミュ様!」
その時を以て...
「えっ何っ何なの!?」
「それでは少し眠っていてくださいね♪」
彼女はフレアではなく...
別の何かへと変わっていった。
そして残された者は...
「それじゃあお前らは消えとくか。どうせ生かしても碌な事にはならなそうだしたな...」
「そっそんなっまっ待ってくれ!」
「悪いな...
そうして彼等は跡形も無くその身を切り刻まれ、その身全てを灰へと化し、この世から消えていった。
祝え!歌え!騒げ!
その身を焦がす情熱の名の元に...
全ての熱は我らに在り...
即ち!
「いざ、
X972年 大魔闘演武。
正史の参加ギルド。レイブンテイルが出場取り消しとなり...
代わりにあるギルドが大魔闘演武に出場。
その名は...
邂逅は近いのかも知れない.....