『魔』いつか過去のフリージア 作:ある日そこに居たであろうクマさん
深夜 12時。
フィオーレ王国。
その上空に浮かび上がる巨大な球体の様な迷宮。
大魔闘演武 予選 スカイラビリンス。
その中を走り進む数々の参加ギルドの精鋭たち。
その中で特に目立つのは二つのチーム。
一つは...
「よお、兄ちゃん」
「地図持ってるよなぁ?」
「恨みは無いが...」
「あっァァァッッッ」
「「「地図を...」」」
その時...また一つ。
「あっ俺達終わった」
大魔闘演武参加チームが消えた!
その時彼等が目にしたのは暗闇を照らす閃光と自分達の
「「「「「ミギャアァァァァァ!?!?」」」」」
そして彼等の断末魔を後にそこに残った地図を拾うのは...
「ふぅ〜これで幾つ目だ?」
「十からは数えてねえぞ。地図も脱落者も」
「皆さんお願いですから、もう少し暴れない様にしませんか?」
「寧ろ、ナツ達の暴れ具合でこっちが落とされそうかも」
「だが、そのおかげ地図も手に入り他のチームもいくつか落とせた。結果的にはプラスと言えるだろう」
彼等はこの迷宮の道中にて他チームの書いた地図を奪い取りと自分達の地図を照らし合わせる方法を取っていた、のだが...
「おいおい、また動いてねえかッ」
「不味いなッ!」
「そもそもどんだけ揺れんだよ!」
本日何度目かのフィールドの揺れ、これにより更に多くの参加チームが振るい落とされていく。だが当然フィールド全体の動きというものはナツ達フェアリーテイルのチームにも影響を与えていた。
そしてそんな中...
もう一つこの大会で目立っている...
という訳でも無く、どちらかと言うと最も騒がしいチームはというと...
「おいおい、またフィールド移動かよ」
「あっ今度は斜めに傾いてますよ。皆さんお気をつけて...」
「...みんな、揺れるよ」
「ええ、分かってるわ。それより...」
「う〜ん」
そこに居たのは数ヶ月前にある方法で身分などを無視して魔道士ギルドを設立した者達
大地が揺れる中、その場の一人を除いたメンバーはその場に立ったまま動かずにただ目を瞑りあるものを待っていた。そして他のメンバーに待たれているもの...否、その内の一人ルミリはというとその場に坐禅を組んでおり何かを考え込む様にしていた。
だが...
突如として彼女は立ち上がった。
その決心の元に...
「よーし!明日のカラーはあの2色でいきます!」
「lei...誰か嘘だと言って...朝のヘアカラーを考える為だけに予選を突破せずにそのまま動かないなんて」
「正直に言うぞ。馬鹿だろ」
自身のヘアカラーを決めた!
そう、自身のヘアカラーを決めて!!
大事では無いが敢えて2回言ったのである。つまり彼女は自身の明日、否、今日の朝のヘアカラーをどうするかを考えてここに十分程居座っていたのだ。そして今ちょうど迷宮のゴール付近では
「では行きましょう!」
その言葉と共に...
そこから何キロも離れた迷宮のゴールその前に立つ大魔闘演武のマスコットキャラクター マトー君とそれを目前にしたスティング達。
だが...
そんな音と共に...
否、スティングに悪寒が...
それは...
「まっまさか!?」
そして、その時は訪れた!
「ひゃっほーーー!!!!」
「また、てめえぐぼべッッッ!?!?」
「すっスティング様ーーーー!?」
スティングの顔面にめり込むヒール。更に自身達の横を通り抜ける突風。そして吹き飛ばされるスティングとそれを見て悲鳴をあげるユキノ。
ゴール直前の段階で起こった様々な異常に他のメンバーも流石に面食らっており...
結果何が起こったかというと...
「...ハッ失礼しました。
「はあ、どうにか間に合ったな」
「久しぶりに全力で走ったわよ。全くルミリったら」
「ふぅ...少し疲れました」
「...まあ、良いんじゃない」
「イェーイ♪いっちゃーく!」
大魔闘演武 予選 スカイラビリンス。
一位通過チーム
この直後復帰したスティングの雄叫びがクロッカス全体に響き渡るのだがそれは後に堕ちた竜の咆哮と言われ数年間は多くの者にネタにされるのだった。
そして夜が完全に明け、大魔闘演武 開会式。
いよいよ...
「さあ、選手入場です!」
選ばれた上位八チームがで揃う!
「先ずは予選八位。過去の栄光を取り戻せるか、名前に反した荒くれ集団。フェアリーテイル!!」
まず最初に出てきたのはナツ達フェアリーテイルのチーム。
と言っても彼等が知らないだけで実は正式名称はフェアリーテイルAチームの方が正しいのだが...それは置いておく。
そして...
「さあ、続いては予選七位通過。地獄の猟犬集団。クワトロ・ケルベロスーーー!!」
「予選六位通過。女性だけのギルド大海原の舞姫!マーメイドヒールゥゥゥーーー!!!」
「五位は漆黒に煌めく青き翼!ブルーペカザスーーー!!」
「続いて予選四位。愛と闘いの女神、聖なる破壊者!ラミアスケイルーーーー!!!!」
そして次々と予選を突破したギルドの者達が紹介され、残すは後三つ。ナツ達は久しぶりに会う他のギルドメンバーと話し合いながらその中で自分達知る残りのギルドはセイバートゥースだけであり後二つは何者なのかと考察するのだが...
「予選三位通過!おおっと!これは意外!!落ちた羽の羽ばたく鍵となるのか!?まさかの、まさかの...」
その時鳴り響いたのは...
全てを貫く雷鳴だった!!
「フェアリーテイルBチームだーーーー!!!」
「なっ何ーーーー!?!?」
そう、そこに現れたのはガジル、ラクサス、ミラ、ジュビア、
そして...
「つうかつうかつうか!何でミストガンが居るんだよ!」
それはかつてこことは別の世界、エドラスで別れを告げた筈の存在。ミストガンだったのだが...
「お前...まさかジェラール」
「しぃー」
エルザがその正体を口にしようとした瞬間。彼は口に指を当て何も言わない様に指示を出し、エルザもそれを見て口を閉ざした。
今ここで彼の正体が知れれば騒ぎは避けられない。
それ故の判断である。
そして、各々がフェアリーテイルのBチームに関してそれぞれ意見や感想を言い合う中...
いよいよ...
「これは何という事でしょう!?予選
「はあー!?」
「嘘!?」
「セイバートゥースが...」
「二位!?」
その紹介はある意味観客達にとっては意外なものだった。何故なら彼等はこれまでの大会でいやと言うほど彼等の実力を目の当たりにしている。そのセイバートゥースが二位。ならば...
「クソがッ!」
「...奴等ッ」
「こんな事は記憶に無いねぇ」
「全くだぜ。だが、侮れねえのも確かだ!」
「.....はい」
(入場を見るにセイバートゥースは本当に二位通過。ならば、一位は何処のギルドが?)
そして他の皆が驚きを隠せない中、エルザが一位通過のギルドの事を考えていると...
「さあ、いよいよ一位通過!」
「つい三ヶ月前に作られた5人だけの新規ギルド。その実力は正に未知!分かっているのは一ヶ月で百近くのS級クエストを全て解決し、更にたった5人で炎熱竜 ラグナルを討伐したとんでも集団!!」
『はあ!?』
「炎熱竜...」
「ラグナル!?」
「聞いた事がある...確かイシュガル大陸の東部の火山の中に住み着いているドラゴン...」
「マジかよ...」
あまりに異常。だが、彼女達からすればそれは...
あまりに正常!!
「その熱は全てを焼き尽くし!いつか玉座のその先に至る!!予選通過一位...
「インパクトジェネレーションーーーー!!!!!」
そしてその言葉と共にそれは舞い降りた。
「なっなんだ!?」
『ッ!?』
中央から溢れ出る土煙。
そこから立ち上がってきた者こそ...
「さあ...
「おっ、お.....」
この物語の第三の主役である!