『魔』いつか過去のフリージア 作:ある日そこに居たであろうクマさん
『奴』はまだ動かない。
もし、動いたとしてもそれは...
ただの遊びで終わってしまう.....
一方 大魔闘演武が行われている間。
ギルティナ大陸のとある水の都では...
「五神竜は返してもらおう」
「ン〜誰かな?」
「貴方、誰なの?」
「何処かで嗅いだ事のある匂いだね」
そこで会話ををしていたのは四人の人物。
一人は『ロン』達と対立している...いや、これから先対立するであろうローブの人物。そしてそれと並ぶのがこの大陸に住まう五神竜と呼ばれるドラゴン達。その内の既に三体を捕獲した...
最魔のロンとされるロン・マールス・ディーンハイム。彼に派遣された計三名。
だが、この場の全員。ロンに作られし
故に...
「食べちゃえば分かるよねーーー!!!!」
「待ちなさい!グラトニー!まだっ」
「大丈夫!胃袋に閉じ込めて終わりだよ!」
三人の内、黒と赤の入り混じった髪をしたグラトニーがローブの人物目掛けて飛翔!その細身な体を弾丸の様に飛ばし、彼目掛けてライフル弾の様に高速回転しながら飛んでいくッ
だが...
「邪魔だな...」
かの人物はそれを容赦なく迎え撃つッ!まず胸の前で腕をクロスさせ、そのまま
そして...
「ッ!グラトニー!避けてッ!!」
「はえっ?」
気づいた時には...
「もう遅いッ」
それはグラトニーの全てを粉砕し、彼女に再生する暇すら与えず...
「グギャアァァァァッッッッ!!?」
その血肉の全てを消滅させ、その身をその場から...
「グラトニィィィィッッ!!!!」
「嘘...そんなっ」
真・暴食。元々のとある世界の人造人間達と自動人形達を元に最魔のロンが更なる調整を加えて作った自身の七人の子供達。それが今...
「真・暴食、これにて終了。後は奴をこちらで修復し、そのまま五神竜が囚われている空間にアクセス...と思ったがどうやら気付かれた様だな」
「ッ!よくもグラトニー「おい...」ッ!?」
「この声はっ!」
真・暴食ことグラトニー。彼が消え、ラース達が怒りを露わにするもその近く...いや、そこより遠く離れた地より...
それは...
「やってくれたなァァ.....」
「「お父様!?」」
聞こえてきた。
まるで、子を殺された親の様な声で...
そう。それは彼等の親たる最魔のロン。彼の声であった。彼は自身の魔法の一つでイシュガル大陸からその声をこの大陸まで飛ばしているのである。
たが、それは同時に...
「...予想通りだな。どうやら
『...仮に出ていた所で何になる?』
彼がそこから動けない事を意味する。下位個体とはいえロンの名をもつ者。当然彼がその気になればギルティナ大陸までなら一瞬で来れた。
だが、彼はそこから動かなかった。
否...
「おっお父様『真・色欲。グラトニーはそいつに直してもらえ。あと、五神竜は必要無い』お父様...」
「ほう、意外だな。五神竜はお前にとって欲しかった『材料』の一つだと認識していたが...」
『それは違うな。元々五神竜は予備パーツ。いざという時の保険に過ぎん。私の計画には元々必要無いのだよ、あのトカゲ達は...』
「なるほど...」
ローブの人物と最魔のロン。二人は先程までとは少し違い、まるで親しい間柄の様に話を進める。そしてここから明らかになるのは...
『
『...なるほど、確かに...それはそうだな』
「お父様?...」
「何を?」
最魔のロン。彼にはローブの人物を傷付ける事すら出来ないという事実。
だがそれは...
『我々の事を知っているなら分かるだろう...我々には絶対に出来ない事が...どうやっても覆す事の出来ないものがあると...だからこそだ。今回の事は水に流す。故にさっさとトカゲでと、何でも好きに持って帰るが良い』
見逃す理由になるのだろうか.....?
「お父様ッ!」
『黙れラース。悪いがこのローブは見逃す。それにお前らは壊れても私さえ居れば蘇れる。それこそあの薄気味悪い『最厄』にお前らを持っていかれるより百倍はマシだ』
「...はい、分かりました」
『...スロウス、お前も良いな』
「...はい。了解」
そして謎が深まるまま彼女達とローブの人物の戦闘は呆気なく幕を閉じた。
ローブの人物。それは一体何者なのか?かの人物は何故ロン達と敵対するのか?何故ロンはかの人物を見逃したのか?
そして何故この人物は...
ROZEN HORIZONという技を使ったのだろうか...
それが何を意味するのか...
その本当の意味を.....
その本当の正体は...
未だ誰も知らなかった。