『欲』私の為のゲッカビジン 作:ある日そこに居たであろうクマさん
揺れ動くは尸魂界...
では無く...
BLEACH。と呼ばれる世界とその他の世界の境界線とも呼べる特別なトンネル。
名を
と、されていた。
だが、実はここにも幾つか例外が存在する。
一つはご存じだろう『ロン』と呼ばれる存在。以前にも説明したが彼等には自身の存在が生まれた瞬間から備えられた能力とその後自身が覚えた能力。そして他者から学んだ、もしくは奪った能力が存在する。
そして彼等には全員にデフォルトで次元跳躍と呼ばれる能力と精神干渉系能力無効。更に彼等の生まれる際に使われたあるものによってそれぞれが強力な権能を得ている。
そこで今回、問題なのは
この能力は
のだが...
今回はおかしい。実は下位個体のロン達はその殆どがこの場所に来た事は無い。それは殺生院ロン。彼も同じ。では、何故彼がここに来れたのか...実はその理由は彼等の縁にあった。
ここで二つ目の例外...
正確にはその他の接触者について...
輪廻穿孔道には以前にも頻繁にここを使う者がおり、その筆頭がロン・クロイツの祖父であるローズ・クロイツ。彼は以前にある事情から異世界に頻繁に出かけており、その当時に魔術を使いこのトンネルに干渉していた。そして実はこの魔術自体はオリジナルのロンことロン・クロイツが習得しており、それは彼の手によってある数人の人物にも伝授されている。
そして今ここで明かせるのは二人。
一人は『亡霊』篁 天甘。
二人目は『最天』のロンの弟子。
異界に存在する堕天使組織。
名を...
「ぐぎぎぎっ!?」
(こいつ...強い!?)
「ふふふっこの程度で?」
ウラビエル。それはとある世界では、超越者と呼ばれる最上位クラスの実力者の一人。だが、そんな彼女が今、押されていた。
それも相手は...
「勢いよく来たと思えば...貴女、以前に聞いた最天の弟子ですね?」
「やっぱり知ってるんだ...じゃあ、悪いけど師匠についての情報を教えて貰えるかな?」
「いえ、教える気はありません。貴女はここで始末します。故に...」
「ッ!!」
自身より強大な怪物...
だがしかし...
「燃やしなさい...」
だからこそ...
「倒し甲斐もあるでしょ...」
彼女は剣を構える。
全ては恩師を見つける為に...
「さあ、第二ラウンドだよ!」
「それはこちらの台詞ですよ...」
再び、ぶつかるッ!!
「「ッ!」」
ウラビエル。彼女の人間時の名前に合わせて
「清姫ッ!」
「なっ!?」
ロンの斬魄刀。『清姫』彼が始解を行った事によりその姿を変えた刀。いや、今は刀では無く元の刀と同じサイズをした巨大な扇子。だが、ただの扇子では無い。麗女の剣が届く前に彼は清姫でその斬撃を防ぎ、弾き返したのだ。更にそこからもう一度彼女に清姫を振るうとそこからその方向にあった全てが燃え上がった。
そして肝心の麗女はというと...
「ねえ、アンタってさぁ...師匠よりは弱いんだよね?」
「ええ、ですが...貴女が知る当時のその師匠よりは強いですよ。何せあの男は我々より強い癖に
ロンから攻撃が来る前にその場から直感的に回避行動をとっていた麗女。彼女はその攻撃を見ながら冷や汗をかきつつ、ロンに自身の師との実力云々についての話をしていた。
と、いってもこれは時間稼ぎに過ぎないのだが...
(なるほど...多分その人物ってのは...あの人だよなぁ〜さっきその人を無視して飛び出してきて...更に当人に思ってた事が確信に変わるとは...まあ、それより今は...)
「そんな事より早くやり合いましょう。私も時間が押していましてねぇ。貴女に構う時間がそんなに無いのです...よッ!!」
「ぐっ!」
そしてその話もあちらから中断され、そこから先程よりも速度と重さを増した踏み込みでロンが迫っており彼女は慌てて剣を構えてガードする。だが、彼の剣は先程よりも更に威力を増しており徐々に麗女の体を押し込んで行くッ
そして更に状況は悪化する。
「随分と情けの無い。これがあの最天の弟子とは...信じられないですね」
「なってめえッ!!」
(なるほど...やはりこの方...)
「貴女...もしかして最天の事が好きだったりします?」
「はっ...ハアァァァッッ!?」
麗女を挑発し、その反応から彼女が最天にどちらの意味にしろ相当な好意を向けている事を察した最欲のロン。自身の目の前でその質問に素っ頓狂な声をあげ、硬直するその堕天使の姿を見つめながら彼は現時点で分かった事と残ったある謎について考察する。
先程のやり取りでの怒り方。更に彼女は最天のロンの情報、もしくは本人に会いたいと言っていた事。
そして何より輪廻穿孔道からこの者がこちらに干渉しようとしていた事実。
更にもし輪廻穿孔道に干渉出来るとして現時点でそれが出来るのはオリジナルのロン、最上位個体のロン、転生者協会含める時空の管理組織などだが...少なくとも今までの情報でこの者が一番接触していそうなのは...最天のロン以外だとオリジナルのロンただ一人。そしてそこから魔術や他の方法を教わりトンネルに干渉。そのままこの世界にやって来ようとした。
そう、そこまでは良い。
だが...問題は...
(何故...私はここに来れた?)
上記でも説明した謎。そう、何故ロンがここに来れたのか?
麗女がこのトンネルに接触した事もましてや最天のロンの手がかりを探してこちらの世界に接触しようとした事も...
まだ分かる。だが、何故自分はここに来れたのか?彼にはそれが全く分からなかったのだ。
そして突然ながら皆様は先程までの説明を見ただろうか...
そう。それはロンと彼等の縁。
確かに麗女は最天だけでなくオリジナルのロンとも会った事がある。だが...実は今回の件に関しては別だった。
今回このトンネルに干渉したのは彼女では無い。
ましてやロン本人でもない...
本来、そこに干渉したのは...
『ッ!?』
突如...
その場に響き渡る力強い声。
それは何処か暖かく、熱く、それでいて優しい...
「...まさか、貴女が出てくるとは驚きだ」
「ほう、私を知っているとは...あの子から聞いたのか?」
「ええ、貴女のお陰ですっかり腑抜けたようで...この責任、取ってくれるなら今すぐにでも取ってほしいものです」
(まあ、それ以上にハッキリとしました。このタイミングで最天の弟子とこの方がそれもこのトンネルに来た。そして例の手紙の件...本気なのですね...)
そしてロンは声の人物に驚愕しながらも冷静に自身の考えを纏め、改めて彼女の真名を呼ぶのだった。
「全く...最天は貴女と合う気は無いと言うし、貴女に至ってはあの方と手を組むとは...面倒な事ですよ...」
「そうでも無いさ。『先輩』として『後輩』の間違いは正してやらんとな...」
「ならせめて『姉』の方も含めて我々には近寄らないで頂きたい」
「ねえ...
そこに降臨したのは純白の天使だった。