海の狩人   作:紅涙

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未だに謎の一つ。

エースはどうやって新世界から楽園に逆走した?




狩人とバスターコール

 

 

 〝海軍の英雄〟モンキー・D・ガープとの遭遇、そして激闘。その後に逃亡。

 

 かつて、〝海賊王〟ゴールド・ロジャーを何度も追い詰めた英雄に傷を負わせて、尚且つ逃げ延びた若者──〝狩人〟カリュウ・D・トルコに対し、世界政府と海軍は新たに5億ベリーを超える懸賞金を懸けるに至った。

 

 全世界が今、カリュウ・D・トルコの今後の動向に注目しているはずだ。それと同時に、彼を仲間に引き入れようとする者達も少なくないだろう。

 

 なんせ、あの英雄ガープに傷を負わせ、逃げ延びたのだから…。衰えたとはいえ、現在の海軍本部で中将の座に就く海兵達の中でも、ガープを超える実力者は果たして存在するだろうか…。それほどまでに、ガープがこれまで残してきた数々の伝説は異次元なのだ。

 

 故に、ガープの伝説の数々に比例して、トルコに対する警戒も高まっている。政府と海軍の警戒が高まれば高まるほど、トルコの力を求める輩は急増するだろう。

 

()()()()()()()()()からそこまで経ってないってのに大したヤツだ。()()()()()()だけはある」

 

 当然、トルコと面識がある者達も気にしているはずだ。

 

 四皇の一角〝赤髪のシャンクス〟もその内の1人で、赤髪海賊団には赤髪のシャンクス以上に気にかけている者がいる。

 

「シャンクス見て!

 トルコの新しい手配書!モノすッ──ごく!カッコイイよ!」

 

 トルコに救われたウタは、新たに出回ったトルコの手配書にうっとりとした様子で見惚れている。命だけではなく、心も救ってもらい、父親との繋がりを取り戻させてくれたトルコはウタにとって大恩人だ。

 

 そして、恋に落ちた男でもある。

 

 心配するのと同時に、惚れた男が海軍の英雄を相手に活躍したという記事を見てしまっては心が躍るというもの。

 

「ウタ!おれの手配書を見るんだ!

 おれの方が断然カッコイイだろう!?額も凄いぞ!トルコの8倍だぞ8倍!」

 

 無論、父親は気が気ではないだろう。

 

 

 ✮✮✮✮✮

 

 

 それは一方的なライバル心。

 

「くっそ!

 懸賞金でも上を行かれちまった!」

 

 ただ、賞金首同士でも、〝狩人〟カリュウ・D・トルコとルーキー海賊〝火拳〟ポートガス・D・エースは大きく違う。

 

 片や、海軍と海賊の戦いがきっかけで家族と故郷を喪い、双方に強い憎しみを持つトルコ。復讐心に駆られ行動した結果、賞金首になってしまった。トルコは自ら海賊を名乗ったこともなければ、略奪を行ったこともない。市民の犠牲を厭わない憎き海兵と、市民に危害を加える海賊を狩っていただけだ。

 

「しかも、()()()に怪我させて逃げ切ったってどんだけだよあの野郎!!」

 

 対して、火拳のエースは堅気にこそ手を出さないタイプだが、海賊旗を掲げ、海軍と海賊を相手に暴れ回っている。懸賞金は3億ベリーを超え、ルーキー海賊の中でも頭一つ抜き出ている。

 

 そんな火拳のエースは、数週間前にトルコと出会い、決闘を申し込んだ結果、圧倒的な力を見せつけられ完敗してしまった。一撃も食らわせることができず、たったの一撃で敗北を喫してしまったのだ。

 

 火拳のエースがそこまでの圧倒的な力の差を見せつけられた相手は、トルコ以外ではそれこそ1人のみ。たった今〝ジジイ〟と口にした海軍の英雄のみである。

 

 そう、火拳のエースはモンキー・D・ガープの()()()()なのだ。もっとも、()()()()()()()()()とのことだが…。

 

「トルコはおれの遥か先を行ってやがる。

 負けてらんねェ。絶対に追いついてやるぜ!」

 

 だからこそ、火拳のエースは闘志を燃え上がらせる。

 

 敗北を喫した同じ歳の男が、己の祖父と戦い活躍したと聞かされてしまったのだから当然だ。エースは、トルコに一撃も食らわせる事が出来ていない上に、祖父に対しても同じくだ。何度も祖父に鍛えられてもらっているが、その度に拳骨を食らうばかりで一撃も食らわせる事が出来ていない。

 

旧時代の老いぼれ(世界最強の海賊)をブッ倒して次に、トルコ!次はお前に勝つ!!」

 

 若き海賊はこの海を最速で駆け上る。

 

 これよりほんの少し先……火拳のエースと彼が率いたスペード海賊団が〝白ひげ海賊団〟に加わることとなる。

 

 そしてその後、永らく欠番であった2番隊隊長の座に、火拳のエースが就くこととなるのであった。

 

 

 ✮✮✮✮✮

 

 

 場所は、西の海(ウエストブルー)

 

「トルコ、この島でいったい何が起きたんだ?」

 

 その島はかつて、()()()()()()と呼ばれていた。

 

 そして現在、その島は地図から名前が消されている。

 

「この島の名は〝()()()〟。

 海軍の無差別攻撃で壊滅した島だ」

 

 ワノ国を出航し、様々なトラブルに見舞われながらも、トルコとヤマトはどうにか目的地に到達することができた。厳密には、偉大なる航路(グランドライン)の後半部〝新世界〟側から凪の帯(カームベルト)に入り、そこを抜けた先は西の海(ウエストブルー)北の海(ノースブルー)かのどちらかで、西の海に抜けたトルコは、海軍の英雄ガープと遭遇するもどうにか逃げ切り、そのまま過去の悲劇の声に導かれるようにこの島にやって来たのである。

 

「酷い……堅気を守るのが海軍の使命なんじゃないのか!?」

 

「海軍は三大勢力の一角として絶対的な正義を掲げてはいるが、世界政府直轄の組織にすぎない。要は政府の言いなりだ。政府に都合が悪いことがあれば、政府の命令で平然と殺しも行う」

 

 この島にはもはや、かつて考古学の聖地として栄えた面影は一切ない。残ったのは悲劇の爪痕だけ。

 

 トルコはゆっくりと地に膝を突き、掌を地面の上に乗せて瞳を閉じた。

 

 トルコは過去へと向かう。

 

 オハラがどのようにして滅ぼされたのか…。考古学者達の無念と、彼らが未来へと遺した想いを…。

 

 世界政府と海軍の非道さを…。

 

 今から20年近く前に起きた悲劇を、トルコは己の目で確かめる。これが、トルコが世界中を旅する理由の一つでもある。

 

「ここでもお前か──()()()

 

 ただ、この行為は海軍に対するトルコの怒りを強めることになってしまう。

 

 オハラの一件にも、トルコが海軍で最も憎む海兵が関わっていたのだ。徹底的な正義を語り、悪の芽を根絶やしにすべく避難船まて砲撃し撃ち沈める光景がトルコのトラウマを呼び起こすと同時に逆鱗に触れる。

 

 火に大量の油が注がれてしまった。

 

「!?

()()()()()()…」

 

 しかし、〝過去視〟にて憎き相手の蛮行を目にしたことでトルコの怒りが膨れ上がっていくなか、トルコは己以上の悲劇に見舞われた存在を知り(視て)、幾分か冷静さを取り戻す。

 

 それは同時に、トルコにとって新たな敵の出現でもあった。

 

 憎むべきは海軍だけではない。全ての悲しみの根源は、海軍のさらにその上にあったのだ。

 

 トルコが知った存在も、その被害者の1人だろう。

 

「何が〝悪魔の子〟だ。

 何が()だ。お前達こそ悪魔だろうが…」

 

 オハラ唯一の生き残り──〝悪魔の子〟ニコ・ロビン。

 

 当時、まだ8歳だったニコ・ロビンという女の子が、オハラ壊滅のきっかけともなった〝歴史の本文(ポーネグリフ)〟の解読ができる事が発覚し、8歳にして7900万ベリーの懸賞金を懸けられた。

 

 オハラに起きた悲劇を視たトルコの関心は今、そのニコ・ロビンに向いている。

 

「ヤマト、次の目的が決まった」

 

「次は何処に連れてってくれるんだい?」

 

 海軍に対する怒りは収まるばかりか、さらに増してしまった。それどころか、海軍の上──世界政府に対しても、トルコの怒りは向くこととなった。

 

「場所じゃなく、ニコ・ロビンを探す。

 彼女を世界政府と海軍から守るぞ」

 

 悲しみの連鎖を断つ為に、トルコはこの地をあとにする。

 

 海軍と海賊によって全てを喪ったトルコ。

 

 世界政府と海軍によって全てを喪ったニコ・ロビン。

 

 この2人が出会った時、いったい何が起きるのだろう。

 

 






エースならメラメラとストライカー使ってかなりのスピードで凪の帯(カームベルト)抜けられそうだから、それで新世界側の北の海か西の海経由して、リヴァースマウンテンから楽園に入ったりしたのかな?

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