ボア・マリーゴールドって、元々は可愛かったらしいね。
トルコにとっても良い思い出がない
その
女系戦闘民族〝九蛇〟が住む女ヶ島。代々、皇帝が治める王国の名は〝アマゾン・リリー〟。
〝海賊女帝〟ボア・ハンコック率いる九蛇海賊団の本拠地だ。そして、九蛇海賊団の船長は代々、アマゾン・リリーの皇帝を兼任している。
「絶っっっっっ対にイヤじゃ!
わらわはトルコと離れとうない!わらわはトルコについていく!」
つまり、トルコに縋り付き駄々を捏ねるボア・ハンコックは九蛇海賊団船長兼アマゾン・リリー皇帝ということだ。
あの男嫌いで有名なボア・ハンコックが、よくぞここまで懐いたものである。特例措置を取り
「ったく、お前はアマゾン・リリーの皇帝だろうが…」
「わらわ皇帝辞める!
ソニア!マリー!アマゾン・リリーはそなた達に任せる!」
そして、妹達からですら性格最悪と言われる彼女のワガママ度がいつにも増して酷い有り様だ。
「こ、こんな姉様見たことがないわ…」
「い、いったい何をどうしたら、姉様がここまで男に懐くというの?」
ただ、ハンコックがトルコに好意を抱いているのは一目瞭然なのだが、彼女の様子は恋する乙女というより、母親や頼りになる兄に甘える
そもそも、トルコはハンコックの母親でもなければ、兄でもない。それどころか、トルコは10歳近く歳下だ。
「俺もハンコックと離れるのは寂しい。
けどお前には七武海という立場がある。守るべき民がいる。俺と共に行けば、ハンコックは七武海の立場を喪ってしまうことになる。そうなったら、アマゾン・リリーはどうなると思う?」
しかし、多くの弟妹達の面倒を見てきて培われたトルコの長男力にして母性は、ハンコックに優しく言い聞かせるのである。
王下七武海の一角であり、アマゾン・リリーの皇帝であり、九蛇海賊団の船長でもある〝海賊女帝〟ボア・ハンコックという存在が、
「安心しろ。ずっと離れ離れってわけじゃない」
それと同時に、トルコは一度己の懐に入れた者に対してとことん甘やかす。
ハンコックの辛い過去を視てしまったのもあるだろうが、トルコは心に傷を負った者を放っておけない。己に弱さを見せてくれたのならば尚の事だ。
「俺は今以上に強くなる。悲しみの連鎖を断つには力が必要だからな。
トルコにとっても、ハンコックは大切な存在となった。
「ハンコックが七武海の地位を失ってもアマゾン・リリーを守れるように俺が抑止力になる。
その時は……俺と共に来てくれ」
大切だからこそ、絶対に守り抜きたいからこそ、トルコは今まで以上に鍛え上げるつもりでいる。目指す先は果てしなく遠い……が、守るべき者がいる者は強い。
「や、約束じゃぞトルコ!二言は許さぬからな!
(も、もしや、わ、わわわ、わらわは今ッ──トルコにプロポーズされておるのか!?)」
こうして、トルコとハンコックは一時の別れとなるのであった。
だが、トルコとハンコックの再会の時……つまりは、約束が果たされるのは案外、早いかもしれない。なぜならトルコは〝
トルコ本人はその
それ故に、Dの名を持つ者はこのように呼ばれるのだ──〝神の天敵〟と…。
何かが起きようとしている。
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遅かれ早かれ、何れはこのような日がやって来るであろうことは確かだった。それこそ、火を見るよりも明らかだ。
「ただ目の前を横切った幼い子供達を射殺しようとしたどころか、うちのヤマトとキャベンディッシュを
この世の悲劇を断ち切ることを己の夢の果てすると同時に、信念ともするカリュウ・D・トルコにとって、〝天竜人〟という存在は海軍と並んで……いや、ボア・ハンコックと出会い、彼女の過去を視た今となっては、海軍と海賊以上に悲劇の元凶かもしれない。
ましてや、己の懐に入れた存在を奴隷にしようなど、たとえこの世界で神のように扱われる存在だったとしても許すことはできないだろう。神であろうとも、大切な存在を傷つけるならばトルコにとっては殲滅対象だ。
「虫酸が走る。
貴様ら全員、狩り尽くしてやるよ」
数日前、
それはもう、神をも恐れる大逆事件である。
シャボンディ諸島にて2人の天竜人がその身を複数の矢で射抜かれ、周囲に控えていた世界政府の役人や護衛騎士達も重傷を負わされてしまった大事件である。
主犯は言うまでもないだろう。
懸賞金5億ベリーを超える大罪人──〝狩人〟カリュウ・D・トルコだ。
事の発端はトルコが口にしたように、己達をこの世界の神だと自称する天竜人達が、目の前を横切った幼子を射殺しようとし、しかもそれだけにとどまらず、ヤマトとキャベンディッシュの容姿を気に入ったからと奴隷にしようとしたからである。
無論、トルコの怒りを買ってしまった。
まだ理解力の乏しい幼子をトルコの目の前で射殺しようとし、大切な仲間を奴隷にしようとしたのだから当然だ。
その時のトルコの怒り様はあまりにも静かで、それでいてあまりにも激しく、まるで底なし沼に沈んでゆくかの如く、深く、暗く、強大な〝覇王色の覇気〟によって多くの者達を気絶させてしまった。
トルコにしては珍しく、一般人達すらも気絶させてしまっていたのだが、恐らくそれは、天竜人に危害を加えるトルコを止めなかったからという理由で、その場にいた者達が理不尽な罰を与えられないようにする為でもあったのだろう。
天竜人が射抜かれ、政府の役人や護衛騎士達が次々と狩り倒されていくなか、意識を失っていたのなら、知らぬ存ぜぬを通せる。駆けつけた海軍も、気絶した一般人達に対して罰を与えるような真似はしないはずだ。
もっとも、その点に関してはそこまで心配する必要はなかったようだ。
シャボンディ諸島を戦場にするまいと、トルコ達が迅速にシャボンディ諸島を出航したのもある。何より、世界政府と海軍の標的はトルコだ。
「トルコ……すまない。
ぼくが美しいばかりに。ぼくの美しさが天竜人すらも虜にしてしまい、このような事態になってしまった」
「お前、奴隷にされそうになってたの理解してるか?」
どうやら、トルコが射抜いた天竜人達が奴隷にしようとしていたヤマトとキャベンディッシュも標的となっている。
「トルコが海軍を嫌う理由は知ってたけど、それをようやく理解できたよ。ぼくも好きになれそうにない。
トルコ──思いっきり暴れていいよね?」
「当然!
悲しみの元凶を断つ為、これは第一歩だ。おまけに何の因果か……
シャボンディ諸島を出航したトルコ達は今、キャベンディッシュの出身国──〝ブルジョア王国〟にいる。
それはなぜか……トルコ、ヤマト、キャベンディッシュの中で、出身国がはっきりとしているのがキャベンディッシュだけだからだ。トルコは故郷を喪っており、ヤマトが〝百獣のカイドウ〟の娘であることを世界政府と海軍はまだ掴んでいないだろう。
トルコはこう考えた。奴隷にしようとしたキャベンディッシュに逃げられた腹いせに、一命を取り留めた天竜人達は彼の出身国であるブルジョア王国を滅ぼそうとするだろうと…。罪なき故郷の民達が理不尽に殺され、故郷が滅びゆく光景に絶望し、許しを請う姿を堪能し、彼を奴隷にするはずだと…。
トルコの推測は当たっていた。
ブルジョア王国の沿岸部に立つトルコ達の視線の先には、10隻以上の軍艦が並んでいる。
国家戦争クラスの大戦力による無差別攻撃──〝バスターコール〟によって、世界政府と海軍はキャベンディッシュの故郷を滅ぼすつもりでいる。
ただ、世界政府と海軍は読み間違えてしまった。
本来、天竜人に逆らい傷一つでもつけようものなら、海軍本部から海軍大将率いる軍が派遣され容赦ない報復を受けることとなる。現に、海軍大将の1人がトルコ達を捜索している最中のようだ。
その傍ら、海軍は天竜人達からの追加命令でバスターコールを発令し、大戦力をブルジョア王国に放った。
そこに、トルコ達本人が待ち受けているとは知らず…。
「よし!開戦といこうか。
ハンコックから貰った〝
━━神箭・
開戦を告げる一本の矢がトルコから放たれ、その矢が宙で無数に増えていく。それはまるで、多くの流星が雨のように見えるほどだ。
海軍本部中将複数人を含む大戦力。
しかし、それでは足りない。
世界政府と海軍、天竜人はトルコの怒りを買ったのだ。それはあまりにも高い。
後日、世界は震撼する。
世界政府と海軍の悲劇とブルジョア王国に起きた奇跡に…。
そして、〝
ハンコックのオリ主に対する想いは難しいところです。
母親や頼りになる兄への親愛なのか、異性に対する愛なのか…。本人も持て余してるところです。
ルフィに対する者と何が違うのかは、トルコの強さと原作で出会った時のルフィの強さの違いもあるのでしょう。それから、トルコは兄属性、ルフィは弟属性というのもあるのかな?