海の狩人   作:紅涙

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ゴールデンウィークだ!→関係ないけどね!(笑)



狩人と鬼の島

 

 

 まるで雷が鳴り響くかのように…。 

 

 斧と金棒が激しくぶつかり合い、強大な覇気(覇王色の覇気)が周囲へと拡散する。

 

 これは、覇王色の覇気の衝突である。

 

「さすがは()()()()()()だ」

 

「そういう君はかなり余裕じゃないか!!」

 

 四皇〝赤髪のシャンクス〟のもとに、とある理由から離れ離れになっていた赤髪の娘ウタを送り届け、魔王との戦いや三日三晩の宴などと色々あり、一同とお別れした〝狩人〟カリュウ・D・トルコが次に目指した場所は、偉大なる航路(グランドライン)の後半部〝新世界〟にある世界政府非加盟国──〝ワノ国〟だった。

 

 ただ、トルコがワノ国を目指したのにも理由がある。

 

「おいトルコ!

 おれと代わりやがれ!お前は別に四皇の首を狙ってねェだろ!?()()()()()()()()()()ぞ!!」

 

 赤髪海賊団との宴の最中に、赤髪に挨拶にやって来たルーキー海賊──〝火拳のエース〟とその一味(スペード海賊団)

 

 無論、挨拶とは喧嘩を売りに来たわけではなく、火拳の義弟が世話になったという赤髪にお礼を言いにやって来ただけで、文字通りの挨拶だったのだが、挨拶しにやって来た場所に自身と同じ歳の億超えの賞金首(トルコ)がいたこともあり、火拳はトルコに決闘を申し込んだ。宴の余興にと赤髪海賊団の面々がトルコと火拳の決闘を囃し立て、その結果……火拳はトルコに一撃で気絶させられてしまったのだが…。

 

 手加減を忘れたことに反省し、このまま放っておいては後味が悪いと思ったトルコは、怪我を負った火拳が回復するまでの間、船長(火拳)が動けぬスペード海賊団の護衛として、航海に同行することを提案したのである。提案とは名ばかりで、半ば強制的に同行したとも言える。

 

 ワノ国に到着するまでに、トルコの矢がいったい何隻の敵船を沈めたことだろうか…。王下七武海の一角を落とし、ルーキー海賊でも破格の懸賞金を誇る火拳を狙う海賊達はトルコの予想よりも遥かに多く、驚かされたことだ。それと同時にトルコは同行したのは間違いではなかったと安堵もしていた。

 

 この一件で、スペード海賊団には正体不明の凄腕の狙撃手(弓使い)がいると噂されるつつあるようだが…。

 

「そうだな……百獣のカイドウ本人だったら止めていたところだが、怪我もほぼ治ったことだし、リハビリには最適の相手かもしれないな。ということで、選手交代だヤマト。ここから先はエースがお前と戦う」

 

 とにもかくにも、スペード海賊団と共にトルコがワノ国にいるのはこういう訳である。もっとも、とある大海賊──百獣のカイドウが根城としている鬼ヶ島で、そのカイドウの娘との戦いに発展してしまったのは、トルコが滞在先で昼寝していたらいつの間にか火拳のエースがスペード海賊団を率い、鬼ヶ島に乗り込んだからであり、トルコは寝起き後に慌ててやって来ただけである。

 

 トルコが鬼ヶ島に到着した時には、火拳達と百獣海賊団の下っ端達が戦っており、そこにカイドウの娘が現れ今に至るというわけだ。

 

 内心、百獣のカイドウ達が遠征で留守にしていたことに安堵しただろう。

 

 トルコは猪突猛進な火拳とは違い、己の力量を理解している。カイドウの娘よりも己が強いこと、カイドウの娘と火拳の強さが同等であることも…。

 

「あ!ちょ、ちょっと待ッ──うわァ!?」

 

 もうこれ以上、スペード海賊団に同行する必要はない。

 

「次はおれが相手だ、カイドウの娘」

 

 そして、火拳が完治した今、トルコがワノ国に残る理由は…。

 

 役目を果たしたトルコは、カイドウの娘の相手を火拳に任せ、己は何事もなかったかのようにその場から静かに立ち去ってゆく。

 

 この国に近づくにつれ、これまで味わったことがない()()()()()()()トルコは、その原因(悲劇)を知るべく、頭痛がもっとも強まる方角の先を目指す。

 

 目指すべき場所はワノ国に存在する六つの郷の一つ──九里。その九里のある方角は、トルコ達が漂着した方角でもあり、トルコは戻ることになる。珍しく昼寝をしていたのもその頭痛が原因で、事が落ち着いたら向かおうと思っていたようだ。そう、一際激しい頭痛が指し示す場所──()()へ…。

 

 そこにはどれだけの想いが漂い、遺されているのか…。

 

 鬼ヶ島を出て、広大なワノ国を目立たぬように、尚且つ素早く移動すること数刻…。

 

 トルコは目的の場所へと辿り着く。

 

 そこには、焼き滅ぼされた城の跡地と、数多くの墓が存在していた。

 

「頭痛が鳴り止まないほどの悲劇が満ち溢れてるな。

()()()()()()になるなんて相当だが、視るしかないな……ワノ国に起きた悲劇を…」

 

 己の目的の為に、トルコは過去へと意識を向ける。

 

 遡ること十数年前、ワノ国にて一人の偉大な侍が死んだ。

 

 その侍の名は──光月おでん。

 

 

 ✮✮✮✮✮

 

 

 光月おでん、カイドウ、オロチ、そして──()()()()

 

 トルコが視た過去はあまりにも重かった。

 

「しんどい…」

 

 さすがのトルコも地に大の字になり寝転ぶほどだ。

 

 おまけに、ワノ国の悲劇はウタと赤髪海賊団の場合とは違い、今のトルコが関わったところで解決できる問題ではない。

 

 何故なら、ウタの場合は赤髪海賊団と協力することで解決できる問題ではあったが、今回はその真逆なのだ。

 

 四皇〝百獣のカイドウ〟とカイドウ率いる百獣海賊団と衝突しなくてはならない。

 

 たとえ、火拳のエース達と協力したところで勝ち目など万に一つもないだろう。

 

 ただ、()()()()……だ。

 

()()()か…」

 

 過去を視たトルコは、4年後の未来にこのワノ国で何かが起きるであろうことを知った。

 

 もちろん、4年後の未来に何が起きるのかまでは視ることはできない。過去と少し先の未来は視れても、数年先の未来までは視ることはできないのだ。

 

「もっと強くならないといけないな」

 

 ワノ国は悲劇に満ち溢れている。トルコはそれを知った。だが、今はまだ我慢の時。トルコが今動いてしまえば、より大きい悲劇に見舞われる可能性もある。いや、確実にそうなるだろう。

 

 それだけ、百獣のカイドウは強大な敵だ。

 

「歯痒いもんだな」

 

 そこに、救うべき者達がいるというのに、何もできない。

 

 まさに弱肉強食の世界だ。

 

 強くなければ生き残れない。弱ければ死ぬのみ。

 

 トルコは改めて痛感した。ウタを救った時、人と人の繋がりが悲しみの連鎖を断ち切る力となることを知ったが、この世にはそれらを無にする強大な力が在るのだと…。

 

 強さはすべてを手に入れ、弱さはすべてを喪う。

 

「世界最強という肩書には興味はないが…」

 

 トルコはこれまで以上に強さを追い求める。

 

 

 ✮✮✮✮✮

 

 

 ワノ国の悲劇を知ったトルコは、これまで以上に強くなってワノ国に戻り、必ずワノ国を救うことを誓い、火拳のエースとスペード海賊団の面々との別れを済ませ、先にワノ国から出航した。

 

「おい…」

 

 ……のだが。

 

「なんでお前がいる──()()()

 

「ついてきちゃった、アハハ!」

 

 百獣のカイドウの娘を連れての出航である。

 

 これが意味するものが何か、馬鹿でもすぐに理解できるだろう。ここにいるのは、百獣のカイドウの娘なのだ。即ち、百獣のカイドウとの激突は免れない。

 

 勝手についてきたとはいえ、百獣のカイドウはそう思わないだろう。娘を連れ去られたと思うはずだ。遠征から戻り、それを知ったらすぐに追っ手を放つか、もしくは百獣海賊団を率い自ら追いかけてくるかのどちらかである。

 

「いやァ!エースに誘われたんだけどね!エースとの旅も面白そうで気になったんだけど、ボクとエースよりも遥かに強いキミと旅をする方が強くなれて、楽しそうかなって思ってェェェ!?い、痛いよッ!なんで殴るんだ!?」

 

 何れは戦うべき相手ではあるが、今はまだその時ではない。

 

 そう思っていたのだが……どうやら、トルコは意図せずしてカイドウとの繋がりを作ってしまったようだ。

 

「はぁ……またワノ国に戻るのもめんどくさい。

 ついてくるなら扱き使うから覚悟しておけ」

 

「やったァァァ!

 これからよろしくねトルコ!()()()()()()()()()()()恩は必ず返すよ!」

 

 どうやら、トルコはカイドウの娘ヤマトを救っていたようだ。ならば、ついてくるのも致し方なしというもの。

 

 ただ、これは世界にとって重大な事件である。

 

 カイドウの娘が、知られてこそいないが鷹の目の弟子の仲間に加わってしまったのだから…。

 

 世界政府と海軍にとって間違いなく脅威となるであろう。

 

 






爆発する手錠外してもらった恩を返すべく、ヤマトin!

クエスト発生!カイドウに追われる日々!

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