エンデュミオンの奇蹟 -the another story-   作:Toa-Kise

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相反

雨はまだ止まない。

二つの影が細い道を駆ける。

 

走りながら上条は叫ぶ。

「おいステイル!!奴は、レディリーは何が目的なんだ!?」

 

『さっきも言っただろう!彼女は自らの死が唯一の目的で行動理由だ!』

 

自分が死ぬためにならなんだってする。

だから死ぬために殺す。

 

「ふ、ざけんなッ!!根本から捻じ曲がってんじゃねぇか、そんなことがあっていい訳ねぇだろ!!」

 

『1000年の中でそこまでに彼女は壊れてしまっているんだろうね』

 

まぁ自殺志願者が死ぬために手を尽くすというのは当然のことだけどね、とステイルは付け足した。

 

ただ。

スケールが違うだけの話。

 

「なんで、あいつは死ねないんだ?」

 

『わからない、が、少なくとも外部からの干渉であることは確かだろうね。使用者に永遠の命を与える、なんて魔術的アイテムは世界に満ち溢れている。彼女は『元』人間だ』

 

「元…」

 

『間違っても救おうなんて思うなよ、上条当麻』

 

「ッ…」

今も人間だろう、と

しかし上条は言えなかった。

 

1000年生きた人間は果たして人間ではないのだろうか。

ただそれだけなら「人間に決まっている」と上条は即答しただろう。

だが、人類を滅ぼそうとするその自殺志願者を前に、答えは出せなかった。

 

「別に、人間だろうが怪物だろうが、やることは変わらねぇよ」

 

『どうだか』

ステイルは半信半疑のようで、微妙な顔で短く応じた。

 

『だから僕は早く取り壊せと言っていたんだ…

こういうことが起きないように…』

ぶつぶつと文句をこぼすステイルだったが、

 

『言っても仕方ないな、さっさと始末をつけよう』

 

「ああ」と

上条が返す前に、

 

唐突に真横に吹っ飛ばされた。

 

建物の壁に勢いよく打ち付けられて落ちる。

「ッが、あああああああ!!?」

痛みが遅れてやってくる。

壁に直撃した背中が悲鳴をあげている。

「ぐっ…」

…。

一瞬の出来事で理解が追いつかない。

「…(何が…起きたんだ…?)」

 

ふと隣をみると同じように吹き飛ばされたステイルが立ち上がるところだった。

よろめきながら壁に手をついて立ったステイルは、ただ一点を睨んでいた。

 

その先にいたのは。

 

魔女狩りの王(イノケンティウス)……!?」

 

かつて上条が何度も見た炎の巨人が目の前にいた。

そこに燃え盛っていた。

しかし、同じものとは思えない、まったく違う箇所が一点あった。

色だ。

上条が知る深紅の、爆炎のそれではない。

蒼。

青く蒼く、それは輝いていた。

 

ただ一点を忌々しそうに睨みつけている彼のローブの左側は。

凍っていた。

 

巨人は冷たく、恐ろしく冷たくそこに燃えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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まったまた久しぶりの更新ですね〜
次からはちまちま更新できると思います故なにとぞm(_ _)m
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