双子カラスは迷宮時代を駆け抜ける   作:@7281mo-mu

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不思議の森のモンスター

 

「アマ、右の子鬼3体頼む!」

「了解!」

 

 11階層を探索して、僅か5分で子鬼の群れに遭遇した。

 その数は20体弱で、同一モンスターの群れでは初めての規模だ。

 そんな剣や棍棒を振り上げて襲いかかる子鬼の集団に対してジブンは、近づいて来た個体から順に斬り伏せていく。

 ジブンに襲い掛かった3体と、茂みに隠れえていたナイフ持ちを1体で合計4体のt討伐完了。

 残りはどれくらいだ?

 

「こっちは4体倒した!そっちは」

「こっちも4体―――せいっ!・・・今ので5体倒した。後は奥にいる弓持ち個体5体とその護衛の剣とハンマー持ち6体だ!」

「ジブンは左からやる。アオは右から挟み」

「OK、伝わった。失敗しないでねっ!」

 

 前衛のゴブリンを手早く片付けたジブン達は、弓持ちに向かって左右に分かれながら走り出す。

 弓持ちとその護衛の子鬼達は、左右から挟み撃ちをするように迫ってくるジブン達に対し、どちらを先に対処すればいいかの判断が遅れて硬直してしている。

 その隙を見逃さずに、まずは槍持ちに向かって「死人の鉞」を振りかざし、その身体はあっさりと両断する。

 やっぱり、この武器の性能がとても良い。

 

 その後は、混乱して味方に誤射する小鬼達を、順々に処理して行って終わった。

 

「これで全部。・・・アマはどう思った?今回の戦いは」

「不意をつけたからよかった」

「だね。そのお陰で終始順調だった。索敵とかできないのか?この小鬼ども」

「たまたま、いない群れに当たった可能性」

「確かに在り得る。そういう個体がいる可能性は考慮したほうがいいか。そういう個体でも不意をつけるように、弓を使えるようになりたいけど・・・」

「練習すれば?」

「洞窟だと暗いし狭いしで練習が難しいんだよ・・・。まぁ、弓矢はいずれ練習するとして、他の木にすべき点はこの新モンスターについてだね」

 

 蒼規が指さす方向には、血だらけで倒れているモンスターの姿がある。

 そのモンスターの特徴は、一言だけで表すのならば”逆コカトリス”。外見は大型犬くらいの大きさで、トカゲの顔と尻尾を持つニワトリだ。

 こいつは、先程の子鬼の群れでリーダー個体だと思われる子鬼が騎乗していたモンスターだ。

 先程の戦闘では、リーダー個体であるゴブリンが何をしてくるかわからなかったため、木の上から奇襲をかけて首を斬り、速やかに倒すことができた。

 その際にこいつも倒そうとしたのだが、弓持ちの小鬼が突然現れたジブン達に射ったであろう矢が、誤射によって全身に受けたことで瀕死となった。

 そのため、ジブン達はこいつの討伐は後回しにしていたのだ。

 

 物珍しい姿のモンスターなので、2人でじっくりとその姿を観察する。

 

「こいつ何?コカトリス?」

「コカトリスは尻尾が蛇だから違う。恐らくはオリジナルモンスター」

「じゃあ仮称ニワトリトカゲで」

「まんまじゃん」

 

 ネーミングは簡単な方が覚えやすいから別にいいだろ。

 

「・・・そういえば、〈鑑定〉があった」

「そうだったよ。ではさっそく〈鑑定〉。・・・えっ?」

「どうした?」

 

 うっかり存在を忘れさられていた〈鑑定〉を発動させた蒼規は、使用した瞬間、何やらから驚きの声を上げた。

 その後、しばらく何かを考える素振りをしていたが、ジブンに〈鑑定〉を使ってみろと言う。

 

「〈鑑定〉」

 

(ニワトリトカゲ)

 

 ・・・?

 

「これって・・・」

「たまたま、天規が考えた名前が被ったとは思うけど・・・これは誰が命名したと思う?」

「ダンジョン創った存在でしょ」

「・・・そっか、とりあえず今は進もう」

「?」

 

 蒼規は一体、何を気にしていたのだろうか?

 そんな疑問を抱いたが、気にせずに気を取り直して先へ進むのだった。

 

 ・

 ・

 ・

 

 ジブン達は今日、14階層まで進むことができた。

 今日は新しい階層に慣れることを目的としていたので、ひとまずは今日の探索はこの辺りで区切ることにする。

 そんな訳で、10階層のポータルを使って0.5階層の踊り場へと戻っていた。

 0.5階層から出ると、探索者の数が当初より少ないように感じる。

 それに疑問を抱いたが、今のジブンには関係ないなと思い直して、地上へと帰還する。

 

 今日の探索で遭遇した新モンスターは、合計で5種。

 

 1体目は、「コカトリ」。

「ニワトリトカゲ」とは違い、蛇の尻尾と中型犬くらいの大きさの、ディフォルメされたニワトリ型のモンスターで、最初見たときにはコカトリスだとビビった。

 だが戦ってみると、毒は使わず、身体能力も子鬼くらいのスペックだったため、蒼規が「これはコカトリスじゃない」と断言した。

 そのため、レッサーコカトリスとかの別の名前にしようとしたが、すでにコカトリという名前が着いていた。

 外見は結構かわいい。

 ドロップアイテムは、ヘビかトリの生肉。

 

 2体目は、「ヘルメットモンキー」。

 名前の通り、ヘルメットを被ったサル。

 赤い目と簡素な防具に、どこから調達したのか鉄パイプを持っており、探索者に群れで襲いかかってくる。

 木々を軽々と飛び回りながら素早い身のこなしで襲いかかってくるので、対処するのは面倒臭い印象を持った相手だった。

 ドロップアイテムは、ヘルメットと鉄パイプ。

 

 3体目は、「緑ヘビ」。

 これも名前の通り、緑色の3mくらいのヘビ。

 牙に毒がある以外に言えることは無かった。(検証者は子鬼)

 ちなみに、〈鑑定〉の結果、出た名前であるため、決してジブン達が適当につけた名前ではない。

 ドロップアイテムは、蛇皮。

 

 4体目は、「鎧魚」。

 鎧のように固いウロコをもった魚。

 基本的に戦闘能力は無く、この階層の最底辺のモンスターであると思われる。

 ドロップアイテムは、魚の切り身と鎧魚のウロコ。

 

 5体目は、「バナナワニ」。

 13階層辺りから見かける水辺付近にいる、バナナのようなものを頭に乗せた黄色のワニ。

 恐らくだが、頭のバナナ(仮)で水面に落ちた果実に擬態しているんだろう。

 だが、滅茶苦茶怪しい。

 2mくらいの大きさをした真っ黄色のワニで、上から水面を覗いてみるとバナナワニが潜んでいる所だけ水面が黄色に染まるという、隠れるのに向いていないモンスターである。

 そんな見え見えの罠だが、それでも引っかかったりする小鬼の知能の低さに戦慄した。

 ドロップアイテムは、黄色のワニ皮にワニ肉。

 

 以上だ。

 

 

 地上に戻ったジブン達は、今日の成果を換金する。

 明らかに1~10階層にはない素材に驚かれながらも、職員の人はテキパキと査定する。

 その15分後、ジブン達は30万円弱の収入を手に入れた。

 

 その後、ジブン達は再びダンジョンへと戻る。

 そして、珍しく誰もいない0.5層を抜けて、1層へと降りてガチャ部屋へと入る。

 

 そう、お待ちかねのガチャの時間だ。

 

「コインの配分はどうする?」

「そういえば、金色のコインを誰が使うか、まだ決めてなかったんだっけ?」

「そうだった。なら、じゃんけんやろう」

「そういえば前、それで決めるって言ってたね。・・・よし、やるか!」

 

 そういう訳で、金コインを巡ってのじゃんけん1回目。

 最初はグー、

「「じゃんけん、ぽん」」

「―――ぁ、あぁぁぁあ!?」

「よし、また勝利!」

 

 また、負けた・・・!?

 

「ということで、僕は金1枚に昨日のボス戦で出た銅10枚。そして、昨日と今日の探索で手に入れたコインは16枚があるから・・・どうする?」

「・・・金は銅の10枚分で」

「なら銅は8枚か」

 

 ジブンの提案をあっさりと許諾した蒼規は、意気揚々とジブンの取り分を確保した。

 敗者であるジブンには、その姿が一層恨めしく感じる・・・!

 

 ま、まぁ別に、銅コインだからといって良いアイテムが出ないとは限らないか。

 逆に金でも外れるかもしれないし?銅の当たりを引ける確率が高いジブンが蒼規よりも良い武器とかをゲットできるかもしれないし?だからもう別に羨ましいと思ってないし?

 と、とりあえずジブンは、自身の持つ手札で勝利を掴むだけだ!

 だからジブンは、己の取り分である18枚の銅コインで大勝利する!!

 具体的に言うと、SSRが欲しいです。

 

「最初はジブンから行く!」

「頑張れ~」

 

 

 神よ、宇宙よ、星よ、命よ!願わくば、我に幸運を与え給え!!

 いざっ!!

 

 ガチャ、ガチャ、ガラッ×18

 

 ガチャ結果は、C×16とR×2だった。

 Cは日用品やスーパーで売っているような食材で、Rが下級ポーションと普通の「鉄製の剣」だった。

 

「・・・」

「あ、ああー・・・。まぁ、ドンマイ」

 

 ・・・泣きそう。

 

 ・

 ・

 ・

 

 案の定、中身は大した物では無かった。

 ・・・よし、忘れよう。

 次だ次っ!

 

「ということで、良いやつ当てろー」

「もちろん!まず銅ガチャをやる!」

 

 ガチャ、ガチャ、ガラッ

 C、C、C、C、C、C、R、C

 

「「あー・・・」」

「だ、だけど、金がまだある」

「これは外したくない!・・・えいっ!」

 

 ガチャ、ガラッ

 SR

 

「よし!」

「コモンじゃなくて良かったな」

「これが日頃の行いか・・・」

「うるさい、さっさと開けて」

 

 レア度が高いやつ引いたからって調子に乗るなよ・・・。

 

「中身は何かな〜。・・・ん?」

「何?産廃でも引いたの?」

 

 能力が高いが、装備条件が厳しいとかデメリットのある装備だったのだろうか?

 そんなことを思っていると、蒼規が近寄ってきて「ガチャカード」の内容を見せてきた。

 

 ――――――――――

「進化の宝玉・逸話級」  

 人類の上位種族への進化を促す宝玉

 この宝玉の中には様々な伝承や可能性が内包されており、いつかその伝承に秘められた力を取り込む者が現れる日を待っている。

 この「進化の宝玉」を使用した場合、下位の種族を「チクタクマン・逸話級」へと進化させる

 ――――――――――

 

 ・・・ん?

 

 




 毎度、ガチャになるとテンションがおかしくなる双子カラス。
 
 蒼規・・・ガチャは回すためのアイテムを貯めて一気に放出するタイプ。ちなみにソシャゲでは無課金勢を貫いている。
 天規・・・新しいキャラが出て、それを少しでも気に入れば手持ちのガチャアイテムを使い切ってしまうタイプ。いつもガチャをしたがっているが、こちらも現状では無課金勢を貫いている。
 
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