21階層で返り討ちにあったジブン達は、その後の3日間くらいは「森林層」を探索し、その結果、入手できたスキルオーブは・・・たったの3つ。
しかも、肝心の内包されているスキルが〈口笛〉、〈踊り〉、〈演奏〉という現在は必要ないスキルだったため、全部売却することにした。
アイテムに関しては、何故か剣が良く出てくるので、蒼規の予備の剣がどんどん増えていく。
現在の蒼規は、その中の1本である「聖銅の剣」という、以前使っていた「銀の剣」と同様に神聖属性が付与された剣を使っている。
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「聖銅の剣」 武器種:片手剣
聖なる力を秘めた銅製の剣。
邪を払い、魔を滅するための祈りを込めて鍛錬することで、本来は聖なる力を持たないハズの銅に破魔の力が込もった。
所持スキル
〈聖属性付与・小〉・・・悪魔、アンデット系統へのダメージが上昇する。
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ちなみに、ジブン用の新しい斧はまったく見つけられていない。
なので、現在も「死人の鉞」はモンスターの血液をチューチュー吸っている。
刀身もピカピカしており、心なしか喜んでいるように思えた。
それと、「マジックスクロール」なるアイテムも見つけた。
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「マジックスクロール」
魔法スキルが封じ込められた羊皮紙。
このスクロールに記された魔法スキルを発動すれば、その魔法スキルを所持していなくとも使用することができる。
このスクロールには、魔法スキル〈○○○○〉が内封されている。
封じられたスキルを使用すると、このアイテムは消失する。
注:スクロールに封じ込められた魔法スキルの威力は、「神秘」のステータスによる補正を受けない。
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今回の探索では、〈筋力強化・中〉、〈ファイアバレット〉、〈ホーリーランス〉の3種類が手に入った。
これは便利な物を手に入れた・・・そう思ったのだが、よく考えると使いどころがわからないことに気が付く。
ジブン達は、ゲームでは手に入れた強化アイテムは、全クリアまで使わない派だし、そもそも現状では自身の力をも持て余している状態なので、強化魔法とかは兎も角、蒼規が持つ魔法スキルで事足りる攻撃魔法については、これからお世話になるかが怪しい。
なので、売り払おうとしたのだが・・・
「備えあれば憂いなし。ということで、天規、持ってて」
「・・・」
蒼規に押し付けられたので、攻撃魔法だけジブンが所持することになった。
また、ガチャコインに関してだが、頑張って集めた結果、全部で42枚という驚異の枚数を揃える事ができた。
これで1人、21連ガチャを回すことができる。
そして、ジブン達は今、ガチャマシーンの目の前にいる。
・・・ついに、ついに!この3日間の成果を発揮する時が来たのだ!!
「蒼規、頼んだ」
「了解だ」
ジブンは、首にかけていた例のネックレスを蒼規に渡す。
それを受け取り自身に装備すると、蒼規は21連ガチャを回し始めるのだった。
「まず、1回目っ!」
ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガコッ
UR
・・・?
「
「・・・よし、滅茶苦茶気になるけど、後回しにしてガチャを回そう」
その後も、蒼規は引き続きガチャを回す。
・蒼規
「銅コイン」×21枚・・・C(コモン)×10、R(レア)×6、SR(スーパーレア)×4、 UR(ウルトラレア)×1
その結果、URだけでなくSRが4回も出たのは、「金魚の心鱗ネックレス」のお陰なのだろう。
まさか、あんな曖昧な説明文の装備効果で、これ程の成果が出るとは思わなかった。
肝心のカプセル中身の確認は後回しにして、次はジブンの番だ。
「次はジブン!」
「絶対良いヤツ当てろよー」
ガチャ、ガチャ、ガチャ、ガコッ
・天規
「銅コイン」×21枚・・・C(コモン)×17、R(レア)×1、SR(スーパーレア)×3
「・・・」
・・・ま、まぁ、SRが3つもあるだけマシか・・・。
「・・・まだ、まだわからない・・・!中身がすべて・・・」
・蒼規
R・・・ポーション×3、マナポーション×2、鉄の矢10本×5
SR・・・「耐光の黒色指輪」、スキルオーブ〈弓術〉、〈斧術〉、〈ウォーターボール〉
UR・・・「天之矢」
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「耐光の黒色指輪」
光属性と相反する力が込められた指輪。
装備者は光属性に対して強くなり、闇属性に対して弱くなる。
知恵あるアンデットが退魔士との戦闘時に装備することが多い。
所持スキル
〈光耐性・中〉・・・光属性の神秘への耐性が上昇する。
〈闇耐性弱化・小〉・・・闇属性への耐性が減少する。
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「天之矢」 武器種:宝具、矢
天罰の如き神聖さと破壊力を生み出す、神聖存在の使者が使用する矢。
その威力は、大地を砕き、神敵を光の柱へと消し去る。
かつて彼の光の主は、闇の神との戦いにてこの矢を生み出し、闇の軍勢を打ち払った。
専用武器・・・北豊蒼規
所持スキル
〈天之矢〉・・・このスキルは「天之矢」の射出時に発動する。
光属性の高威力の1撃を放つ。威力は使用者の「神秘」に依存する。
スキル〈天之矢〉を発動後、「天之矢」は消滅する。
〈神命〉・・・この武器は持ち主と同化し、持ち主が望めば顕現する。
他の宝具を使用できなくなる。
〈再臨〉・・・消滅後、24時間後に復活する。
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「宝具」・・・宝具には必ず〈神命〉スキル、〈再臨〉スキルを保持しており、〈神命〉スキルを使用しなければ、宝具の力を振るうことができない。
〈弓術〉・・・弓に関する技能が向上する。
効果の丈はスキル所持者の経験によって変動する。
〈斧術〉・・・斧に関する技能が向上する。
効果の丈はスキルの所持者の経験によって変動する。
〈ウォーターボール〉・・・球体状の水属性魔法を放つ。
・天規
R・・・「鉄の斧」
SR・・・「中級ポーション」、「魔刀・風笛」、スキルオーブ〈ライトボール〉
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「中級ポーション」
触れた者、飲んだ者をたちまち癒す不思議な液体。
患部に浴びせるとその部位を治療し、飲むと軽度の病気を治療する。
裂傷等のある程度の傷を治すことができる。
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「妖刀・風笛」 武器種:日本刀
翡翠色に輝く日本刀。
風の魔法が秘められており、この刀を振るえばピューッと笛の音が鳴り、つむじ風が刀身を纏う。
この刀に斬られると、傷口が風によってズタズタになることから妖刀として怖れられた。
所持スキル
〈風笛〉・・・つむじ風を発生させる。
つむじ風は笛の音の大きさに比例して勢いを増す。
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〈ライトボール〉・・・球体状の光属性魔法を放つ。
「よっしゃーーー!!」
「ば、爆死・・・っ!?」
蒼規は欲しい物たくさん当てたのに・・・!
というか、何この宝具って!これ、明らかに切り札級の代物だよね!?
なのに・・・ジブンはそこそこ良い品質のポーションと、使う予定の無い武器!
もっと頑張れよ「金魚の心鱗ネックレス」!!
「目標達成!・・・というわけでアマ。スキルオーブ使えば?はい、斧の武器スキル」
「あ、ありがとう・・・。何故・・・こんなにも差が・・・」
「日頃の行いでしょ」
「殴るよ?」
蒼規に〈ライトボール〉のスキルオーブを渡す。
ジブンは既に攻撃魔法を持ってるし、蒼規からも〈斧術〉のスキルオーブを貰ったので素直に渡した。
・・・何はともあれ、これでジブン達の目標はある程度は達成された。
これは・・・明日には21階層にリベンジできるか?
「じゃあ、少しだけ手に入れたスキル、試して帰ろうか」
「そうだね。アオの「天之矢」も見せて」
「わかった。楽しみにしとけ~」
・
・
・
そして、ジブン達は手に入れたスキルを試すために「森林層」のモンスターやタイラントスネークと戦った。
・・・その際に、蒼規はタイラントスネーク相手に「天之矢」を使ったのだが・・・
「「うわぁ・・・」」
たった1撃で、ボス部屋の中央にあった大樹を諸共に消し飛ばした。
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種族:ムニン 個体名:北豊 天規 性別:女(男)
レベル 10 属性:闇
筋力:C+ NEW 耐久:D+ 敏捷:A 器用:B 神秘:B+
スキル
〈鑑定〉 〈聴覚強化・中〉 〈思考加速〉 〈飛翔〉 〈疲労軽減・中〉 〈スタミナ上昇・中〉 〈神獣〉
スロットスキル・7
〈闇の手〉 〈投槍術〉 〈斧術〉NEW
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種族:フギン 個体名:北豊 蒼規 性別:女(男)
レベル:10 属性:光
筋力:C- NEW 耐久:C 敏捷:A 器用:B 神秘:B+
スキル
〈鑑定〉 〈聴覚強化・中〉 〈忘却耐性〉
〈飛翔〉 〈疲労軽減・中〉 〈スタミナ上昇・中〉 〈神獣〉
スロットスキル・7
〈洗浄〉 〈弓術〉NEW 〈ライトボール〉NEW
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現在のステータスは、こんな感じになっている。
ジブン達のステータスが1つだけ上がっており、ジブンの筋力がCからC+に、蒼規がD+からC-になっていた。
ジブンと蒼規の筋力が上がったのは、斧や剣を振り回していたからだと思われる。
・・・というか、これまで討伐したモンスターを100体以上は軽く超えているのに、ジブン達のレベルがまだ10だというのが驚きだ。
もっと上がっていてもいいはずなのに、これだけって・・・
ちなみに、「天之矢」を使用するための消費魔力は半端ないらしく、蒼規の全魔力の半分が吹き飛ぶそうだ。
あんな破壊兵器みたいな威力がそれで出せるのが凄いな。
「スロットスキルの横にある7って・・・」
「これってスキル上限じゃない?根拠はないけど」
蒼規も予想している通り、これがジブン達のスキルオーブで取得できるスキルの数なのだろう。
多いのか少ないのかよくわからん。
ジブンとしては、もっとスキルの枠はあって欲しかったが・・・。
他にも、あの地雷のような罠に吹っ飛ばされた時のために、空中でもある程度動けるように練習をした。
そのお陰で今では、空中での方向転換くらいはできるようになった。
蒼規に至っては、スピードの制御もうまくできるようになったようで、「器用」のステータスが同じにも拘わらず、何故にこんな差ができるのかが不思議だ。
それはともかく、これで空中戦はまだ無理でも、逃げることぐらいならできそうだ。
それだけでは懸念が消えることはなかったので、蒼規には店売りの皮鎧を着るようにさせた。
もちろん男物だ
機動力は下がらないが、あのクソバードの体当たりには気休め程度の備えなのはわかっている。
だが、無いよりはマシ。
ちなみに、その装備を〈鑑定〉したところ、〈防御力上昇・微〉と、〈衝撃吸収・微〉という効果が付いていた。
どうやらこの皮鎧は、生産系スキル持ちの覚醒者が作ったものらしい。
そのせいで結構お高めの値段だったが、これまでの探索で手に入れたアイテムや武器装備を売ったりして稼いだ金がそれなりにあったので、問題なく買うことができた。
その時に店員から、商品紹介のモデルになって欲しいと頼まれたのだが、もちろん拒否した。
ジブン達は意外と恥ずかしがり屋なので、そんな不特定多数の人物に姿を見られるのは嫌なのです!
・・・時間はかかったが、これでジブン達の準備は整った。
明日はついに配送した、21階層へのリベンジだ。
待ってろ、クソバードッ!
・
・
・
翌日、ジブン達はポータルで20階層へ飛び、さっそく21階層に足を踏み入れていた。
「アイツらの姿は・・・まだ見えない」
「地面にも気をつけて、罠があるかもしれないし」
「なら分担しよう。アオは地面見てて」
「任せて。・・・あっ」
蒼規に地面への注意を頼んですぐ、踏み出した足の靴底からグニッとした感触がした。
「え"っ」
ドッカーン!!
「まぁぁぁたぁぁぁ~~~っ!?」
「ご、ごめぇぇぇん!?」
ジブンは再び、21階層の空中へと打ち上げられた。
・・・2度目なので、何とか冷静に思考を回せているため、落ち着いて〈飛翔〉スキルで体勢を整える。
そして、昨日までの特訓を思い出しながら〈飛翔〉スキルを制御し、空中に留まりながらパタパタと羽ばたいてその場に停止する。
・・・よし、成功した。
特訓の成果が出たと感じながら、そのまま〈飛翔〉を止めて地上に降りる。
・・・あっ。
「おぉ~、復帰、うまくできたね」
「・・・ごめん」
「ん?」
「見つかった」
「ギャァァーッ!ギャァァァーッ!!」
ジブンの言葉を肯定するように、空からヤツ等の鳴き声が聞こえた。
金切声のような鳴き声は次第に大きく、そして数を増やしていき、やがて、数日前に見た群れと同規模のモノとなって押し寄せてきた。
「・・・ア、アマのバカ野郎!」
「ごめん、ガチャ1回分譲る」
「許す、早く迎撃態勢取るよ!」
ジブン達は、迫り来るクソバードの群れを迎撃するため、それぞれの武器を構える。
蒼規が弓で、ジブンが「死人の鉞」だ。
「槍は投げないの?」
「帰ってこなさそうで怖い」
「なら、僕の弓をメインにして迎撃する。アマは僕の護衛して、頼んだ!」
「わかった、頑張る」
クソバードの群れから数匹、ジブン達へとが突っ込んで来る。
自身の身をも
命を懸けてでも敵を殺す!という殺意が明確に感じられるため、今まで相対してきたモンスターとは違うのだと嫌でも感じ取ってしまった。
・・・思えばあの時のジブンは、このモンスターの死兵が放つような気迫に怯え、撤退を即決したのかもしれないな。
「―――フッ!」
「〈剛弓〉!」
蒼規の弓のスキルがクソバードの群れに風穴を開け、ジブン達に接近してきた個体は、ジブンが真正面から向かい討って1匹残さず叩き切る。
〈斧術〉を手に入れた時から明らかに鉞が手に馴染み、威力も技巧も向上している。
だからなのか、迫り来るクソバード共の気迫を受けても恐ろしさを感じず、その動きはスロー再生をしているようにはzつきりと捉えることができる。
―――だから、斬れる!
「は、ははっ」
ジブンの中から、とある感情が湧き上がる。
「ははははは、あははははは・・・」
クソバードの翼がジブンの頬を掠め、この身体になって初めての切り傷ができた。
胴体を斬ったつもりだったが、その直前に体を逸らして片翼だけを犠牲にしたようで、片翼の状態でジブンに一矢報いたようだ。
敵ながら凄い!!
「ははは―――ハハハハハ」
ジブンの未熟さと、自身と相対するモンスターへの尊敬を抱きながらも、心の中から湧き上がる感情が抑えられない。
これでは、命を賭して向き合って来る彼らに対して失礼だ。
彼等は、侵入者であるジブンを排除するために、文字通り命を懸けて戦っているのだから。
・・・けれど、あぁ、だけど・・・
「―――アハッ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
命を懸けた戦いが楽しくて仕方がない!
敵対者の殺意が!戦いの緊張感が!迫り来る死の気配が!!
まるで、幼い頃に遊園地で初めて乗った絶叫アトラクションのように、海で溺れそうになった時、段々と息が苦しくなって必死に水面へと足掻くように藻掻いたその時のように!!
―――いいや、いいや!?そんなモノとは比べ物にならない程に感じる!!
あぁ・・・このスリルが、堪らなく楽しい・・・。
恐らく・・・いや確実に、この時のジブンはオカシクなっていた
この身体になってから初めての余裕のない戦いに、ジブンは無意識の内に怯えを殺すように、無理やりにでも心を奮い立たせようとしてたのだと思う。
だって、ジブンは昔から怖いのが苦手だったのだから。
・・・けれど、その時のジブンが自身の異変を自覚することはなく、狂ったように笑いながら鉞を振り回して戦い続けた。
「ギャァァァーーー!?ギャァァァーーー!?」
しばらく戦っていると、クソバード達の内の1体が甲高い声を上げた。
すると、クソバード・・・いや、翼竜達の群れが一斉に逃げ出す。
・・・どうやら翼竜達は、群れの半数を失ったことで撤退するようだ。
そして、その場に残されたのは、ジブン達2人と大量のドロップアイテムのみ。
・・・どれくらい、この感情に浸っていただろうか?
長く、そして充実した時を過ごすことができた。
ジブンの胸には、未だに先程の高揚感が残っている。
「アハッ!楽しかった・・・」
「天規」
「・・・ん?どうしたの、アオ?」
「戦いながら笑うの、流石に止めた方がいいよ。キモイから」
「・・・」
・・・身内からのキモイって言葉、響くなぁ・・・・・・。
スリル大好き黒カラス(主人公)。
だが、普通に死ぬのは嫌なので、安全マージンは心掛けるという中途半端な感じです。
本人は気づいてないが、マ○の気質があr[「⦅=―
・・・ちなみに、序盤ボスに後半の最強武器の一角を使った結果
君主蛇「カラス共!よくも先代をヤってくれたな!?ぶっ○してや」
白カラス「〈天之矢〉」
ピカァ―――ッ!
君主蛇「ホワァアアアアア~~~―――!?」
大樹「解せぬ―――」