オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士   作:ナイトメア・ゼロ

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プロローグ1

 人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀。地球の周りには巨大なスペースコロニーが数百基浮かび。人々はその円筒の内壁を人工の大地とした。その人類の第二の故郷で人々は子を産み、育て、そして死んでいった。

 宇宙世紀0079年。地球から最も遠い宇宙都市サイド3は、ジオン公国を名乗り地球連邦政府に対し独立戦争を挑んできた。

 開戦当初の1ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半数を死に至らしめた。

 戦争は膠着状態に入り8ヶ月あまりが過ぎた。

 総人口の半数が死んだこの時、連邦、ジオン双方の軍組織は無きに等しく年端も行かない少年少女達が戦場に駆り出されて行った。

 当初の電撃戦で勝利を収めることに失敗したジオン軍は、長期戦に必要な鉱物資源を確保するために地球にモビルスーツを降下させ鉱山を中心とした地上の各所を制圧していた。そんなジオンに対し連邦軍は、着々と反撃の準備を始めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある山岳地帯を慎重に進軍している連邦軍の61式戦車大隊。彼らの作戦目標は、ジオンに奪われた小さな鉱山基地を奪還することだった。もうすぐでジオンの勢力圏内。奇襲に警戒しながら進軍していると。大きな爆発が起きた。

 

「!?なんだ!?」

 

 突然、61式戦車が1台破壊されたのだ。

 

「敵襲!!ジオンの奇襲だ!!」

 

「モビルスーツに警戒しろ!!各車砲撃準備!!」

 

 大隊長の指揮で29台の戦車は、迎撃の体制を整えた。

 

「さぁ、来るなら来やがれ。ジオン!」

 

 そう言うと同時に大隊長が乗っていた戦車が狙撃された。戦車の装甲に穴があき爆発した。

 

「大隊長!!」

 

「クソ!!どこだ!!今、どこから撃ってきやがった!!」

 

「慌てるな!!指揮は私が引き継ぐ・・・・」

 

 指揮を引き継ごうとした男も狙撃され戦車が爆発した。

 

「しょ、少佐ー!!」

 

「どこだ!?どこから撃ってきてんだ!!」

 

 戦車大隊はあちこちに砲撃して敵を探し出そうとしていた。そしてまた、1台戦車が狙撃され爆発した。

 

「あそこだ!あそこの山から撃ってきやがった!」

 

 1人の連邦兵が山を指さし報告するが。

 

「クソ!射角が全然たらねぇ!!」

 

「こ、これじゃー一方的にやられるぞ!」

 

 そう言ってる間にまた一台破壊された。

 

「まずい!撤退!撤退だー!!」

 

「退けー!」

 

 連邦軍の戦車大隊は、ジオンからの狙撃に対応できず結局、61式戦車を5台、破壊されるという結果で終わってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山の中に隠れてマゼラトップ砲を撃っていた旧ザクのパイロットは操縦機から手を離すと。

 

「司令、連邦の戦車大隊を撃退しました」

 

 無線で基地にいる司令に報告を始めた。

 

『何?撃退?全滅させたんじゃないのか?』

 

「えぇ、戦車を5台ほど破壊したら撤退して行きましたよ。相手もちゃんと理解したみたいですね。この場所じゃモビルスーツの方が有利ってことに」

 

『バカか貴様!!連邦は1人残らず全滅させろ!!なぜ、戦車をたった5台で済ませたんだ!!どうせ、いつものようにゴミみたいな本を読んでいたんだろ!!いいか、貴様がちゃんと働かなかったら私の評価が地に落ちるんだぞ!!私がちゃんとした指揮とちゃんとした人事配置によってお前は安全に戦えてるんだぞ!!感謝して私の為に連邦を全滅させないか!!』

 

 司令の怒りの言葉にパイロットは心底鬱陶しそうな顔をしていた。

 

「ハイハイ、申し訳ありません。次は全滅させますよ」

 

「貴様!!その適当な態度はなんだ!?それが上官に対する態度か!?おい、聞いてる・・・・・」

 

 我慢の限界が来るとパイロットは、無線のスイッチを切った。そして静かな空間が生まれると傍に置いてある歴史書を手に取り読み始めた。しばらくすると当直の交代時間が来た。旧ザクの隣にジープが来るとパイロットはコックピットを開いた。

 

「お疲れ様です、軍曹。今回の戦果は過去最高でしたよ」

 

「へー」

 

「軍曹は、本当に出世とか手柄とか興味がないんですね。普通ならこれだけの戦果を自慢するのに・・・・・でも、そんなんだからあの大佐(笑)にあなたの手柄を横取りされるんですよ。大佐(笑)の野郎、今日も軍曹の手柄をまるで自分の手柄みたいに報告してましたよ」

 

 パイロットは、歴史書を持ったまま交代し旧ザクから降りた。軽く背伸びをし旧ザクに乗ろうとしているパイロットを見ると。

 

「僕は徴兵された軍人だからね。正直、ジオンが勝とうが負けようがどうでもいいの。僕は、給料分の仕事をするだけだから」

 

 そう言うとジープに乗り基地に帰還するのだった。

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