オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
連邦軍の大部隊が駐屯していたある中規模の街。駐屯していた連邦軍はすでに全滅していた。全滅させたのは悪名高き、グール隊。一見、美少年、美少女で構成されたエリート部隊に見えるが正体は、人を殺す為に生まれたような殺戮マシーンのような人間(バケモノ)だ。
突撃機動軍総司令官、キシリア・ザビ少将の私兵部隊と言われているが実際、彼らが一体何者なのか誰も知らなかった。分かっているのは彼らはジオン、連邦、双方から嫌われていることだった。連邦軍を全滅させ町を制圧し始めたのは略奪だった。建物を焼き払い住人の財産を奪い男や子供を殺し女は男共の慰め物にされていた。
「・・・・・・・・」
そんなグール隊に1人だけ、略奪に参加してない男がいた。彼は、コックピットを開けて上からグール隊がやっている非道な行為を汚物を見るような目で見ていた。
「チッ」
舌打ちをしイラついた顔で用意していたリンゴを手に取るとそのまま丸齧りをした。
「おーい!ウルフ!お前もそんなとこにいない降りて来いよ!今ならヤりたい放題だぜ!」
グール隊の隊長、クロードが誘ってくるが。
「おい、いつまでこんなくだんねーことしてんだよ。ここを奪ったんならとっとと次の場所に行こうぜ」
彼は拒否し次のエリアに向かうように言ったが。
「ギャハハ!相変わらず、お前は童貞だな!男なら女を喰ってなんぼだろ!」
そう言って目の前の女の反応が悪くなるとハンドガンで撃ち殺した。
「・・・・・・・俺たちは、ジオンを勝たせる為に戦ってるんだろ?だったら1秒でも早く行動して1人でも多く殺さねーと」
「うっせーな!このインキャ野郎!!俺たちの楽しみを邪魔すんな!」
自分達の欲望を優先しているクロード達に呆れ彼らが満足するまで林檎を齧りながら待つことにした。
俺がニュータイプ研究所に売られてからほとんどの記憶を失った。過去の記録を見たところ俺は、両親に捨てられ孤児院に入れられたが・・・・・・・孤児院でも俺は馴染むことができず最終的には、ニュータイプ研究所に売られた。モルモットとしていろんな人体実験を受け最終的に辿り着いたのは、人との共感性を失ってしまった。ジオンと連邦の戦争が始まった時も俺は何度も同じ隊の人間を肉盾にしたし流れ弾で味方を殺しても俺は何も感じなかった。
今、目の前で起きてる略奪も俺はなんとも思っていない。そんな俺だけど・・・・・・・・・・・ひとつだけ、・・・・・・ひとつだけ、気になることがあった。
【どんな手を使ってでもジオンを勝たせる】
これはニュータイプ研究所での実験の副作用か或いはジオンを勝たせるように洗脳したのか分からない。だけど、ジオンを勝たせる。その意思の中に必ず、誰かがいた。
『ウルフー!』
『お前、すごいな!連続で当てたぞ!』
『見てよ、ウルフ!新しい歴史書だ!すげーだろ!」
こいつが誰なのか分からない。だけど、忘れたらダメな人物のような気はしている。
「・・・・・・誰なんだ?お前は誰なんだ?」
今日も俺は、その誰かを思い出そうとした。