オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
連邦軍がついに動き出した。ベルファウストに配備された部隊はあるエースパイロットの働きで戦力の30%を削り作戦開始を遅らせることに成功したと思っていた。
しかし、連邦軍は、スペイン方面から強襲上陸をしてきた。最前線の部隊はイギリス方面から攻めてくると思い込んでいた為、結果的に連邦軍は、奇襲という名の先手を打つことに成功した。
ジオンの最前線部隊も一旦、前線を下げ大勢を整えるとジオンも反撃を始めた。
ヘリオス達は、とある鉱山基地に来ていた。
「・・・・・ここって」
ヘリオスはキョロキョロと見回していると。
「懐かしいかねヘリオス曹長。ここは昔、君が所属していた鉱山基地なのだよ」
と、マ・クベ司令が答えた。
そう、ここはまだ、ヘリオスがウルフと再会せず警備兵をしていた鉱山基地だった。
「あの時、連邦軍に制圧されたと思ってたのですがマ・クベ司令が奪還したのですか?」
「その通りだ。この鉱山基地はオデッサ防衛戦とレビル暗殺計画にどうしても必要だった」
どうやら、マ・クベ司令は、この鉱山基地を秘密裏で奪還したようだ。
「ところでマ・クベさん。ひとつ訊いていいですか?」
ヘリオスはあるものを指さした。
「・・・・・あれなんですか!?あんなバカでかいキャノンこんなところになかったですよね!?」
それは全長数百メートルはあるバカでかいキャノンだった。マ・クベ司令が命じたのか基地内も魔改造されていてありとあらゆるところに大型のジェネレータが配備されておりキャノンと直結していた。
「本国で開発された試作型の超大型ビームキャノンだ。名前は確か【オーバードビームキャノン】だったかな?」
「本国はなんでこんなもん開発したんですか!?」
資源の無駄使いでしょとヘリオスはツッコミをいれた。
「それが意外と無駄使いというわけではないのだよ」
「どういうことですか?」
マ・クベは、オーバードビームキャノンに目を向けると説明を始めた。
「この兵器は大型のジェネレータを複数直結させることで大型のメガ粒子砲を発射する。計算上だとたった一撃で連邦の戦艦を破壊することが可能。そしてこの兵器の1番の特徴は、モビルスーツ1機で操ることが可能なのだよ」
「!?モビルスーツ1機で?こんなにバカでかい兵器なのにモビルスーツ1機だけで使えるのですか!?」
普通、これだけの兵器になると大勢の兵が必要になる。細かい作業も必要かもしれないがそれでもモビルスーツ1機で扱えるのならなかなかいいものなのかもしれない。
「その通りだ。しかし、まだプロトタイプだ。もちろん欠陥もある」
「どういう欠陥なのですか?」
「まず、ビームを撃てる回数は3回までだ。砲身の冷却に時間がかかりすぎて間に合わないのだよ。おまけに大型ジェネレータを複数使っているからそれなりのコストが必要だ。少なくとも1発、撃つ度にムサイ3隻分の金が吹っ飛ぶだろう」
それを抜きにしても性能は十分だと思うのだが。と、マ・クベ司令は付け足した。
「・・・・もしかしてこれがレビル暗殺計画の武器ですか!?」
「その通りだ。すでにスパイからレビルが乗っているビッグトレーの情報を割り出している。予定通り手薄になっている左翼の陣に食いついてきたのだよ」
クククッと、嗤い右手で自身の口を隠した。
「わざと左翼の陣形を手薄にした?」
ヘリオスはポツリと、呟いた。
「その通りなのだよ。すでにスパイがレビルをここへ来るように誘導している。後は、君がレビルを暗殺しスパイが攻勢に出れば連邦軍は一網打尽にできるはずだ」
「・・・・・マ・クベさん。あなたが用意したスパイってもしかして」
ヘリオスが勘づくとマ・クベ司令は人差し指を唇に当てた。
「では、後は頼んだぞ。ヘリオス曹長」
そう言ってマ・クベ司令は旧鉱山基地を後にした。
〈連邦軍side〉
連邦軍の主力部隊であるレビル艦隊は、ゆっくりと駒を進めていた。レビル将軍が乗っているビッグトレーの司令室でコーヒーを飲んでおりエルランは、ヨーロッパ周辺の地図を見ていた。
「予定通りの展開ですな。マチルダ隊は、ホワイトベース隊との接触に成功しているようだし・・・・後は、後方撹乱として部隊を北方より南下させる」
「何が気に入らんのだね?」
レビル将軍がエルランに尋ねた。
「ハァ、ホワイトベース一隻で右翼の後方を攪乱。本当に将軍は彼らをニュータイプの可能性ありと考えているのですか?」
「報告書は君も見たんだろ?」
「しかし、僅かなデータで彼らをニュータイプと即断するのは危険ではありませんか?」
エルランが不服そうな顔で言った。
レビル将軍は立ち上がり地図の前に行くと。
「だが、今、戦っている正面の戦力を割くことはできない」
と、答えた。
「ジオンの赤い彗星のシャア。最近、オデッサで名を上げている【オデッサの鬼】と【オデッサの死神】もニュータイプじゃないかと兵士達が噂している。もし、それが事実なら我が軍にもそんな連中が現れても不思議ではないだろう。赤い彗星すらも退けた彼らの力に期待してみようではないか」
レビル将軍はそう言うとエルランは仕方なさそうな顔をした。
「仕方ありませんな。それよりも将軍、最前線で戦ってるモビルスーツ隊からの情報なのですが左翼側がなぜか手薄のようです。罠の可能性もありますがもし、配置ミスなのだとしたらこれほどのチャンスはありません。この戦線の指揮は私に任せて将軍はそちらから一気に強襲してみてはいかがでしょうか?」
レビルは顎に手を当てて少し考えると。
「分かった。この戦線の指揮はエルラン、君に任せよう。君も自分のビッグトレーに戻りたまえ」
「ハッ!」
エルランが敬礼をし司令室を出て行った。エルランはヘリに乗りそのまま自分のビッグトレーに戻っていると。
「クッ、クククッ」
エルランは不気味に笑った
「予定通りだ。後は、マ・クベの部隊と私の部隊でレビルを挟み撃ちにしレビルを倒すだけ」
そう言って、エルランはこの後のことについて胸を高鳴らすのだった。