オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
レビル暗殺作戦が失敗したことを知らないヘリオスはキム軍曹、ヤオ軍曹、ゾルダ伍長と一緒に撤退をしていた。マ・クベ本隊との合流を目指していたが簡単な道のりではなかった。しつこく追撃してくる連邦のモビルスーツ隊を迎撃しながらの撤退戦は、ヘリオス達のメンタルを徐々に削っていた。
「くらえ」
待ち伏せをしていた戦車を一台マゼラトップ砲で狙撃。残りの戦車も3機のグフに破壊された。
「前方の戦車隊を撃破しました」
「了解。このままもう少し進んだら少し休憩を挟もう」
キム軍曹の報告を聞いてヘリオスはそう言った。
「隊長、休憩せずにそのまま撤退するべきだ」
しかし、ゾルダ伍長が反対しこのまま進むべきだと言った。
「ハァ!?ゾルダ、あんた本気で言ってるの!?もう、私達は、昨日から休まずずっと逃げて戦ってを繰り返してるのよ!もう、限界よ!少しでもいいから外の空気を吸わせてほしいわ!」
「落ち着いてヤオ軍曹。ゾルダ伍長、なんで進むべきなの?」
ヤオ軍曹を宥めながらヘリオスが訊ねると。
「なるほど、そういうことか。隊長、マップを見てください」
理解したキム軍曹がマップを見るように言った。ヘリオスはマップを確認すると。
「現在、我々はこの地点にいます。この地点は本来ならジオンの支配地域なので連邦軍はいないはずなのです」
「・・・・この状況で考えられるとしたら」
「連邦が前線を押し上げているということです」
「れ、連邦軍の特殊部隊とかじゃないの!?」
「特殊部隊がバレバレの戦車を使うはずないだろ!」
ヘリオスは状況を理解すると。
「考えたくないな」
と、呟きそして。
「ゾルダ伍長の意見を採用。僕達は、休憩せず一気にマ・クベ司令の本隊に合流する。みんな、疲れてるし精神的にキツイかもしれないけど後、もう少しだから!」
ヘリオスがそう言った瞬間だった。
「!?」
ヤオ軍曹のグフにビームが命中した。
慌ててヘリオスはその方向にマゼラトップ砲を構えるとそこにはビームスプレーガンを持ったジムが2機、ロケットランチャーを持ったジムが1機がいた。ヤオ軍曹は、何発もジムのビームを受け続け倒れた。
ヘリオスは、攻撃力が一番高いランチャー持ちのジムに砲口を合わせた。
(ヘッドショットよりもコックピットを狙うほうがいいか)
砲口をジムのコックピットに合わせ狙撃した。砲弾はジムの装甲を貫きそして爆発した。
「ゾルダ伍長!ザクマシンガンを撃ちながらヤオ軍曹の盾になって!キム軍曹は、ヤオ軍曹を後ろに下げて!」
「もうやってる!」
ゾルダ伍長は、盾を構えながらザクマシンガンを連射しキム軍曹は、ヤオ軍曹のグフを引きずりながら後方に下げた。
ヘリオスはジムの足下に砲口を合わせると狙撃。ジムの足下が吹っ飛び体勢を崩すとゾルダ伍長がザクマシンガンを撃ち続けた。120ミリを受け続けたジムは火花を散らし始めそれを見たもう1機のジムが盾を構え大破寸前のジムをかばった。
「うおおおおおおおっ!!!」
ゾルダ伍長は、それでもザクマシンガンを撃ち続けた。ヘリオスも狙撃しシールドを破壊すると。
「!待て、ゾルダ伍長!」
ヘリオスが肩に手を置いて攻撃をやめさせた。突然のことにゾルダ伍長も驚愕しているとジムはそのまま大破寸前のジムを捨てて逃げて行った。
「なぜだ隊長!後一息で殺せたんだぞ!なんで見逃したんだ!?」
「あのジムは、脱出したパイロットを手に乗せていた」
「ハァ?それだけか?それだけで敵を見逃したのか!?」
「落ち着いてゾルダ伍長」
「落ち着けるか!!確かにあんたのその優しさはある意味で美学だ!だけど、状況を考えろよ!!敵は俺達を追撃していて俺達は、それを捌きながら逃走中!不殺とかそんなのにこだわってる場合かよ!」
「別に拘ってるわけじゃ」
「じゃかあしい!!これはお前のミスだ!お前のミスのせいで」
「ゾルダやめろ!落ち着け!隊長、ヤオ軍曹が戦死しました」
「!!」
キム軍曹がゾルダ伍長を止めヘリオスに報告するとヘリオスは息を呑んだ。
「ビームを何発も受けていましたから機体は爆発してませんが金属の破片が彼女の首を貫いていました」
ヘリオスはヤオ軍曹の死体を回収する為にグフに近づこうとしたが。
「ダメです隊長。気持ちは分かりますが置いて行きましょう」
「ッ!・・・・分かってるよ」
そうして撤退をしようとすると。
「?なんの音だ?」
「この音って・・・・・隊長!逃げて!!」
「えっ?」
生存本能のせいか反射的になのかヘリオスは思わず大ジャンプをするとキム軍曹達がいた場所が爆炎に飲み込まれた。
どれくらい気絶してたのだろうか。目を覚ますと真っ暗だった。ラバーを何度も動かすが旧ザクは動かなかった。運良くコックピット開閉ボタンは生きてたため外に出ると目の前には砲撃の跡があった。そして目の前にはキム軍曹達のと思われるグフの残骸があった。
「あ、ああ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッ!!!!!!」
それからどうなったかヘリオスは覚えていなかった。右手にハンドガンを持ったパイロットがまるで亡霊のようにフラフラとふらつきながら歩いていた。
そして。
「ヘリオス!どうしたんだ!?お前、モビルスーツはどうしたんだ!?」
ウルフに発見されてギリギリで命は救われたのだった。