オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士   作:ナイトメア・ゼロ

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ミッション28 宇宙要塞ソロモン

 オデッサが地球連邦の手に落ちオデッサからの撤退をすることになったヘリオスとウルフは、宇宙要塞ソロモンで休息をとっていた。

 

「宇宙じゃもうこいつは使えないんだな」

 

 整備場で解体が決定されたウルフ専用陸戦高機動ザクをウルフは眺めていた。

 

「僕の旧ザクも無くなったし僕達は、もしかしたら本国に帰るかもね」

 

 手すりにもたれドリンクを飲みながら隣にいるヘリオスが言った。

 

「ルミアの奴、いきなりどうしたんだろう。グラナダに呼び出されたって・・・・・・キシリアに俺のことを報告しに行ったのか?」

 

 ウルフがそう呟くとヘリオスは温かい目で見つめていた。

 

「なんだよ?その気色悪い顔は?」

 

「ひどいな〜、いや〜、ウルフがルミア技術少尉を彼女にするなんて意外だなって思って〜」

 

「変な喋り方をやめろ!別にそういうんじゃねーよ!」

 

「まぁまぁ、で、なんで惚れたんだ?ぶっちゃけるとウルフが惚れた理由がどんなのかすっげぇ興味ある」

 

 ヘリオスがキラキラと目を輝かせた。そんなヘリオスを見てウルフは呆れていた。

 

「別に俺は惚れてねーよ。ルミアは、完全に俺に惚れてるみてーだけど」

 

「じゃあさ、じゃあさ、なんで、ルミア技術少尉のこと呼び捨てにしてるんだ?ルミア技術少尉もお前のことウルフさんって呼んでたし」

 

「だから、お前が気になるようなことはなんもないって。オデッサでギャロップが奇襲を受けてルミアも死にそうになったところを助けたら惚れられたんだよ。いきなりルミアって呼んでって言われた時はビビったけど」

 

「いや〜、あのウルフがね〜」

 

 ヘリオスがニヤニヤと笑いそれを見たウルフは。

 

「まだ、立ち直れないか?」

 

と、言った。

 図星を突かれたのか少し曇らせると。

 

「・・・・・まーね。やっぱり僕は前線で戦う兵士に向いてないみたいだ。鉱山基地にいた時みたいに適度に仕事をサボりながら警備兵をやってる方がよかったかもな」

 

 そう言った。ウルフは、なんと声をかけたらいいのか分からなかった。その時だった。

 

「聞いたか?オデッサ基地の司令官が左遷されることになったみたいだぜ」

 

「あ、その話知ってる。オデッサの防衛に失敗したことと南極条約で禁止された核兵器を隠し持ってたこととかそういった責任をとってもらうって話だろ?」

 

「え?」

 

 兵士達の噂話を耳にしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マ・クベさん!!」

 

 ヘリオスはドアを勢いよく開けてマ・クベ大佐の部屋に入った。

 

「入る時はノックをしたまえ。品がないぞヘリオス君」

 

 中ではすでにマ・クベ大佐が異動の準備を終えようとしていた。

 

「マ・クベさん。あなたが左遷されるって本当なのですか?」

 

「あぁ、本当だ。この前の軍法会議で決まってしまったのだよ。核弾頭の違法所持やオデッサの防衛の失敗。その責任として2階級降格と僻地への異動、いや、左遷を言い渡されたのだよ。と、言ってもジオンの僻地コロニーだから左遷は大袈裟かもしれんがな」

 

 マ・クベ大佐は、そう言って微笑した。

 

「ドズル司令に直談判しましょう!連邦軍がソロモンに攻めてきたら間違いなくマ・クベさんの力が必要になります!」

 

「残念だが、私の左遷を決めたのはそのドズル閣下なのだよ」

 

「そ、そんな」

 

 マ・クベ大佐の左遷が真実だと分かりヘリオスの顔は曇った。

 

「そう、落ち込むな。私はこうして生きているのだから」

 

「どういうことですか?」

 

「言葉通りだ。軍法会議では私は死刑と決まっていたのだが運良く、キシリア様とドズル閣下の兄妹仲が意外と良かったおかげで生き延びれたのだよ。キシリア様の説得のおかげで私は降格と左遷で済んだんだ」

 

 荷物をまとめ終えるとマ・クベ大佐はウラガンにウルフを連れてくるように言うと。

 

「ヘリオス君、付いて来なさい。私は君達に最後の仕事をしなければならない」

 

と、言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘリオスとマ・クベ大佐は、格納庫に向かっていた。途中、ウラガンが連れて来たウルフと合流し2人はマ・クベ大佐の後を追っていると。

 

「ウルフ少佐、私は君が嫌いだ」

 

と、突然言った。

 

「私は人類が長い年月をかけて築き上げてきた文明と文化を愛している。ヘリオス君は未熟ではあるが歴史を通じて文明や文化を理解しようとしていた。それに比べ、君はただの野蛮人だ。グール隊という暴力や略奪、陵辱しか頭のない野蛮な部隊に所属していた者がキシリア様の部下にいたと思うと反吐が出る。文化人のヘリオス君もなぜ君のような野蛮人と友を続けていたのか。私には未だに分からない」

 

「ま、マ・クベさん?」

 

「初めて意見があったなマ・クベ」

 

 ヘリオスが戸惑っているとウルフは、不敵に笑った。

 

「俺もアンタが嫌いだ。たぶん、これは・・・・言うのも恥ずかしいけど嫉妬だと思う」

 

「ウルフ?」

 

「親に捨てられて孤独だった俺が初めてできた家族(しんゆう)だ。・・・・・俺がニュータイプ研究所に売られた時も俺はヘリオスが幸せになれるならと思って喜んでニュータイプ研究所に行った」

 

「ちょっと待て!ウルフ、お前、今、とんでもないこと言わなかった!?売られたってどういうことだよ!?新しい親に引き取られたんじゃなかったのか!?」

 

 ヘリオスのツッコミを無視してウルフは続けた。

 

「だから、お前みたいな胡散臭い奴がヘリオスの友達になってるのが気に入らなかった」

 

 ウルフがそう言い終えると、ついにヘリオス達は、2機のモビルスーツの前に立ち止まった。

 

「そうか。私を相手にそれだけ吠えれるならコイツをウルフ少佐に託すのも一興かもしれんな」

 

 そう言って、マ・クベ大佐は、振り返った。

 

「ウルフ少佐には私の専用機になる予定だったこのモビルスーツをくれてやる。そしてヘリオス君、君にはこのモビルスーツを用意した」

 

「こ、これって」

 

「新型なのか?」

 

 目の前のモビルスーツを見て2人は驚愕した。

 

「ドズル閣下からも許可を貰っている。この機体を好きなようにカスタマイズするといい。私は前線から消えるがジオン公国を、キシリア様を頼んだぞ。オデッサの死神、オデッサの鬼よ」

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