オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
ウルフが乗っていたザクは、ヘリオスが乗っていた旧ザクに肩を貸してもらいながら基地に帰還した。基地に帰還すると整備兵達が驚きながらも整備場へ誘導しウルフのザクとヘリオスの旧ザクは、無事収容された。
「フー」
ヘリオスは息を吐きながらコックピットから出ると整備兵がヘリオスに近づき。
「い、良いのですか軍曹?」
「ん?何が?」
整備兵の言ってることが分からず首を傾げた。
「いや、だって・・・・・あのカラーリング・・・・どうみてもグール隊のザクですよね?グール隊の奴を基地に入れてよかったんですか?」
「ウルフは僕の親友だ。だから、大丈夫だよ(グール隊ってなんだ?)」
「親友だからって・・・・・どーなっても知りませんよ」
整備兵がそう言って旧ザクの整備を始めた。
「ウルフ!こっちだ!」
ザクから降りたウルフを見ると手を振っているヘリオスの姿を見つけクスリと微笑った。
「いいのか?俺を基地内に入れちまって」
「さぁ、そこは司令の判断次第かな?」
そう言って、ヘリオスは司令室に向かった。
「なんてことしてくれたんだ!!」
そう言って司令はヘリオスにめがけて酒が入ったグラスを投げつけた。ヘリオスも司令が癇癪を起こしてくることは分かってたから簡単にグラスを躱すと。
「なにかまずいことでしたか?」
と、尋ねた。
「まずいに決まってるだろ!なぜよりによってグール隊の人間を基地内に入れた!」
「整備兵の人達もみんな怯えてたけどそのグール隊って何者なんですか?」
「貴様、グール隊の噂を知らないのか?」
「僕の仕事は攻めてきた連邦軍を迎撃することです。ですから最前線のことを話されても知りませんよ」
「・・・・・そういえば貴様は、そういう男だったな。グール隊はキシリア様直属の私兵部隊だ。噂では、残酷な狂人だけを集めていて虐殺、略奪、味方殺し、仲間殺しも当たり前の危険な連中だ。そんな奴を基地に入れるなんて」
司令は頭を抱えた。
「でしたら大丈夫ですね」
「ハァ?」
「グール隊を全隊でみたらそうかもしれませんがウルフは絶対にそんなことしません。それにもし、ウルフも噂通りになっていたなら僕が今ここにいるはずないじゃないですか」
「呑気なこと言ってる場合か!!・・・・・そういえば、ヘリオス軍曹。貴様、あの、グール隊を助ける為に鹵獲されたザクと戦闘になったって言ってたが・・・・・・まさか」
「カラーリングもウルフと同じだったので今の話から確実にグール隊のザクの可能性が高いですね」
「マジでどうしてくれるんだ!!」
司令は顔を真っ赤にして机を強く叩いた。
「貴様、分かってるのか!!キシリア様の私兵部隊だぞ!!それを・・・・・っ!!!私がキシリア様に目をつけられたらどうするつもりだ!!貴様のせいで私が出世できなかったらどうするつもりだ!!」
ヘリオスが司令にお叱りを受けてる間、ウルフは補給(勝手に)を受けていた。
「い、いいのか?勝手に補給して」
さすがのウルフも戸惑っていると。
「いいんですよ。ここの司令はもっと困ればいいんですよ」
整備兵はそう言ってウルフのザクを整備していた。
「こっちのパーツ、交換終わったぞ!」
「OK!ついでにショルダーシールドも交換しておくか!」
と、順調に作業が進んだ。
「本当に大丈夫なのか?」
「さっきも言ったけど、うちの司令は無能な上クズなんだよ。俺達整備兵だってパイロットが生きて帰れるようにモビルスーツを整備してるのに「戦闘で全然活躍してない奴が生意気言うな」って俺達整備兵の給料を50%カットしやがったんだ。資源採掘班も糧食班も頑張ってるのにそいつらまでカットしやがって・・・・・ヘリオス軍曹や副官が裏でコソコソやってくれてたから結局、なんとかなったけど」
整備兵は、司令への不満や怒りをグチグチ言いながら手を動かしていると。
「大変だ!!」
基地の警備兵が走って整備場に来た。
「どうした?勝手に補給してることが司令にバレたか?」
整備兵達はガハハと笑っていると。
「違う!ヘリオス軍曹と交代して予備のザクで見張りをしていたナムル軍曹がヤられたんだ!!」
報告を受けた整備兵達は、シーンと静まった。
「ちょ、ちょっと待て!それってつまり」
「連邦軍が来るぞ!!」
「なんだと!!」
連邦軍が基地に進軍してる情報はすぐに司令のもとに届いた。
「ヘリオス軍曹!!何をボーッとしている!!すぐに迎撃に向かうんだ!!」
司令はヘリオスに命令するがヘリオスは腕を組み。
「敵はなんだ?戦車の大部隊か?それとも航空機か?」
と、訊いた。
「申し訳ありません軍曹。情報ではナムル軍曹の戦死と連邦軍の部隊がこちらに向かってるとしか」
「・・・・・・司令。僕とウルフで出撃します。その間、この基地からの撤退を進言します」
「ハァ?貴様、何を言っている?バカなことを言ってないでさっさと出撃しろ!」
「・・・・了解しました」
ヘリオスが司令室を出て整備場に向かう前に副官の方に顔を出し撤退の準備を進めるように話すと副官は二つ返事で了承。その後、急いで整備場に戻り。
「ウルフ!」
ウルフを呼んだ。
「ヘリオス!」
「ごめんな、連邦軍が来るみたいだからウルフも一緒に出撃してほしいんだけど」
ヘリオスがウルフに一緒に出撃するよう頼むと。ウルフは軽くヘリオスの肩を叩き。
「事情は分かってる。もちろん、俺も出撃する」
と、言った。
「ありがとう。助かるよ」
「バーカ。礼なんていらねーよ。それに兄弟(親友)の頼みなら絶対に断らねーよ」
そう言ってウルフはザクに乗ると出撃した。ヘリオスも旧ザクに乗りマゼラトップ砲を装備して出撃した。
「ウルフ、お前に伝えとかなきゃいけないことがあるんだ。まず、この地はモビルスーツの狙撃戦が一番有利になる土地なんだ」
「ということは俺も接近戦よりもザクマシンガンを使ったほうがいいのか?」
「そうじゃない。僕達が今まで安全に連邦軍を撃退できてたのは戦車じゃ射角が足りなくて不利になるからだったんだ。被害を無視して攻撃するなら航空機による爆撃が一番手っ取り早い」
「ってことは今回の相手は連邦の戦闘機と爆撃機ってことか?」
「なら、とっくに攻撃が始まってもおかしくないだろ」
「・・・・・・つまり、何が言いたいんだ?」
「僕もこっそりと副官と話した時に思ってたんだけどこの土地は戦車がかなり不利になる土地なんだ。だけど、モビルスーツならどうなると思う?」
ヘリオスがそう言うとウルフもヘリオスが何を言いたいのか察した。
「モビルスーツ同士の戦闘なら後は射程距離がものを言う戦闘になる。連邦の奴らはザクを鹵獲して攻め込んできてるってことか?」
ウルフがそう訊くとヘリオスの顔が曇った。
「ザクが鹵獲されただけならまだマシだけどな」
ヘリオスがそう言った瞬間だった。
「!」
ウルフの頭の中に電流が走った。
「ヘリオス!!」
そう言った瞬間、2人はバックパックのブーストを吹かして大ジャンプした。その瞬間、2人がいた場所に大きな爆発が起きた。
「危な!なんだ今の!?戦車の威力じゃねーぞ!」
そう言ってヘリオスはスコープを覗き敵の位置を確認すると。
「・・・・・・やっぱり」
「どうしたヘリオス?」
「・・・・・なぁ、ウルフ。こんな噂を聞いたことあるか?」
「噂?」
「うん、噂。連邦軍が鹵獲したザクのデータを使ってコピー機を開発したって噂」
「それが何・・・・まさか!?」
「そのまさかだ。あそこにいるのは連邦製のモビルスーツだ!!」
スコープを除いた先にはザクをコピーした連邦製モビルスーツ『ザニー』と連邦製モビルタンク『ガンタンク』がいた。
「通りで簡単に防衛網を突破したわけだ。さて、どうするか」
ヘリオスは、どうするか作戦を考えていると。
「ヘリオス、俺が突撃する。お前は後方から援護してくれ」
ウルフがそう言ってきた。
「・・・・・・信じていいんだなウルフ?」
「あぁ、俺を信じろヘリオス」
ウルフの言葉を聞いてヘリオスはウルフを信じた。ヘリオスは高速移動で別の場所に移動するとウルフもブースターを吹かして突撃した。
「敵モビルスーツ、人型が6!タンクもどきが3!」
ウルフは、1機目のザニーにザクマシンガンを発射した。ザニー達も100ミリマシンガンを向け弾幕を張ってきたがウルフの攻撃が早く1機目はあっという間に破壊された。弾幕を躱しながら2機目のザニーも破壊し3機目は、ヒートホークで胴体をぶった斬った。
「4機目は後ろか!」
そう言って背後にいるザニーにザクマシンガンを向けようとしたが突然ヘッドショットされ倒れてしまった。それを見たウルフは目を丸くしてヘリオスがいる山を見た。
「この距離で当てたのか?」
ヘリオスも背後からウルフを撃とうとしていたザニーをヘッドショットして無力化するとウルフは5機目のザニーに襲いかかった。
「たった1人でモビルスーツを4機破壊って」
ヘリオスもガンタンクに狙われてることに気づくとガンタンクの方にマゼラトップ砲を向け発砲した。ガンタンクに命中しガンタンクも破壊した。そのまま、次のモビルスーツを狙おうとするが。
「あれ?」
殘り2機のガンタンクはすでにウルフに狩られていて残ったザニーも後ずさっていた。しかし、ザニーは後退りながらも100ミリマシンガンを連射した。ウルフはその攻撃を躱しながらヒートホークをザニーの頭に投げ頭がヒートホークで破壊されるとそのままザニーを蹴り飛ばし顔面に刺さったヒートホークを抜きそのままコックピットに叩きつけた。あっという間に連邦軍のモビルスーツは全滅しヘリオスは口をあんぐりと開け。
「「ったく、俺(僕)の相棒はバケモノかよ」」
2人揃って同じことを言うのだった。