オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
ヘリオスは、なんとか別ルートでソロモンからの脱出に成功した。ステルス機能に加え隕石のダミーバルーンを使って連邦軍の追撃を躱しそのまま宇宙要塞ア・バオア・クーに向かおうとしていた。
「まずいな」
だが、ヘリオス専用ゲルググのコックピット内にある空気が残り僅かしかなかった。燃料は、ア・バオア・クーまでもつかもしれないが空気に関してはほぼ限界だった。
「ア・バオア・クーの他に何か補給できそうな場所は・・・・・」
そう言ってヘリオスはマップを開き探していると。
「サイド5のテキサスコロニーが近いのか」
テキサスコロニーが一番近いと分かるとヘリオスはそこに向かうことにした。
コックピット内は空気の残量に限界が来てるのか警報音が鳴りヘリオスもブーストを吹かし急いだ。そしてギリギリでテキサスコロニーに到着した。コロニーに入りコックピットから出るとコロニー内にある空気の補充機のケーブルをヘリオス専用ゲルググに取り付け空気の補充を開始した。
「とりあえず、しばらくここに隠しておくか」
そう言ってヘリオスは、ジェットパックを背負いテキサスコロニーの中に入ると。
「・・・・・酷い光景だな」
中は、酷い荒野だった。戦争が始まる前の映画とかで出てくるような美しい荒野はどこにもなかった。人が住んでた家や別荘っぽい建物の残骸や白骨化した死体があちこちにあった。
(確か、ルウム戦役でジオンが勝利した後、コロニー内に潜んでた連邦軍の残存兵と反ジオン勢力を一掃する為に攻撃をしたって聞いたな。まさか、こんな風になってたなんて)
念の為にヘリオスは、ノーマルスーツの上からマントを羽織りハンドガンを隠し持った。
しばらく歩き続けていると難民居住区を見つけた。みんな寒さを凌ぐ為にドラム缶で火を焚き簡易住宅に身を寄せていた。なるべく、ジオンの軍人だとバレないように慎重に歩いていると飲食店を見つけた。
「へー、西部劇みたいな店だな」
戦争中じゃなかったらもっと楽しめたかもしれないこの店に足を踏み入れると中は荒れ果てておりカウンターにはショットガンを持ったマスターらしき男がいた。
「あん?なんのようだ?」
「し、食事をさせてくれませんか?」
ヘリオスがそう言った瞬間、マスターはヘリオスにショットガンを向けた。
「テメーみたいな金無しの難民に食わせるメシはねー!!消え失せやがれ!!」
ヘリオスは財布を取り出し金をカウンターに置くと。
「サイド5の通貨じゃないけど使えるか?」
マスターに訊ねるとマスターは目を丸くしてヘリオスと金を交互に見た。そして、金を回収すると。
「今は、こんな状況だ。簡単なものしか作れねーぞ」
そう言って出してきたのはホットドッグ2つと水だった。
「戦争が始まる前は、ビール瓶を片手に俺の特製スペアリブを食べるのがこの店の売りだったんだが・・・・・今じゃ、こんなファーストフードがご馳走になっちまった」
ヘリオスはケチャップとマスタードをかけて食べ始めた。
「それで、見ない顔だが誰なんだお前?」
「ただの難民者ですよ。今まではサイド6に身を隠してたんですが盗みとかがバレましてね。コロニー整備用のボールを盗んで逃げてきたんですよ」
ヘリオスはルウム戦役の時のことを考えて嘘をついて誤魔化すことにした。ゲルググに空気を補充し終えたらすぐにア・バオア・クーでウルフと合流するつもりなのでバレたとしても問題ないだろうと考えていた。
「・・・・・そうか」
ヘリオスは食事を終え店を出るのだった。