オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
「それで、ヘリオス曹長。ソロモンからはどのような情報を持って来たのだ?」
ヘリオスは、顔を真っ青にしていた。
(な、なんで?なんで、ア・バオア・クーにギレン総帥が居んの!?)
目の前にはジオン公国の総帥ギレン・ザビがいた。
なぜ今、こんな状況になったのか。それはア・バオア・クーに帰還してからだった。
ヘリオスは、シャア大佐のザンジバル級機動巡洋艦に送り届けられヘリオス専用ゲルググと一緒にア・バオア・クーの格納庫に入った。色々と尋問を受ける必要ありと判断されて一旦、営倉にぶち込まれていたけど。
(なんで、総帥自ら僕を尋問してるの!?訳わかんねーよ!!)
ヘリオスは心の中で泣いた。
「どうした?何か答えられないことでもあるのか?」
「い、いえ、そういうわけではありません!」
「なら、早く答えろ。連邦軍は、どのようにこのア・バオア・クーを攻略するつもりなのだ?」
ヘリオスは軽く深呼吸をして報告した。
「連邦艦隊は、三つに分けてア・バオア・クーを攻略するつもりです。本体はどの艦隊にいるのかは分かりませんがこのような形で進行してくると思われます」
ヘリオスはそう言ってア・バオア・クー宙域の図で連邦艦隊の進行の仮説をギレンに伝えると。
「そうか、よく分かった。報告ご苦労であった。連邦艦隊との決戦に備えて休んでおけ」
「ハッ!ありがとうございます!」
ヘリオスは部屋を出ると。
「・・・・・何もなかったな。どうなってるんだ?」
何も言われなかったことにヘリオスは疑問を持った。そして部屋の中にいるギレンは不適な笑みを浮かべるのだった。
「ヘリオス!」
ア・バオア・クーの廊下を歩いていると前からウルフが来た。
「ウルフ!」
ウルフはヘリオスを抱きしめると。
「心配かけさせんじゃねーよ。無事だったんならさっさと戻って来いよ」
と、言った。
「まぁ、色々と事情があったんだよ」
ウルフはヘリオスから離れ軽く肩を叩いた。
「お久しぶりです。ヘリオス曹長」
「ルミア技術少尉!?グラナダにいたはずの少尉がなんでここに!?」
ヘリオスは、ルミア技術中尉がア・バオア・クーにいたことに驚いていた。
「今は、昇格して中尉になりました。ここに来たのはもちろん仕事ですよ」
「仕事?」
「えぇ、ウルフさんの専用機ギャンをニュータイプ専用モビルスーツに改造する為に来ました」
ルミア技術中尉はそう言ってヘリオスとウルフ3人で格納庫に向かった。
「なにこれ!?」
ヘリオスは目の前にある改造されたギャンを見て目を丸くした。
「なんか、前よりもガタイ良くなってない?」
「装甲を強化してバックパックは、高機動型ゲルググのものに交換しました。そしてそのバックパックに直接取り付けたのがサイコミュ試験用機に使っていた両手の有線式5連装メガ粒子砲。そして格闘戦用にビームスピアを装備させて近・中・遠、全てに対応できるようにしたんですよ」
「サイコミュとか僕に言われても分からないけど・・・・ウルフ、これ使いこなせるの?」
「お前がいない間、試験は受けていた。クセは確かにあるけど、十分な性能なだったから大丈夫だろ」
「で、この機体の名前はなんなの?さすがにギャンのままじゃないでしょ?」
ヘリオスがこの機体の名前はなんなのか尋ねた。
「機体の名前は【アシュラ】。インドの神様の名前をそのまま機体につけたの」
「あれ?でも、アシュラって確か顔が三つあって腕が6本だっただろ?この機体は頭ひとつだし腕も4本しかないけど」
「細かい所は言わなくていいの!そもそも、バックパックに直接あと4本付け足すのなんて不可能だったし頭を3つ取り付ける理由がないし!」
ルミア技術中尉は、暴走仕掛けていると。
「まったく、元々、ギャンは私専用のモビルスーツの予定だったのにこんな醜い姿に改造するとはオデッサの鬼は相変わらず品がない」
聞き覚えのある声が聞こえた。ヘリオスはそっちを見るとそこには左遷されたはずのマ・クベ大佐がいた。マ・クベ大佐を見たウルフは嫌そうな顔をしヘリオスは、嬉しそうな顔をした。
「マ・クベさん!ど、どうしてア・バオア・クーに!?左遷されたはずじゃなかったんですか!?」
「キシリア様に呼び戻されたのだよ。ソロモンが連邦の手に渡った以上、ア・バオア・クーとグラナダはジオンの最終防衛ライン。もう、ジオンには戦力を遊ばせている余裕はないのだよ」
マ・クベ大佐がそう言うと。
「君達、少しヘリオス曹長を借りるぞ」
と、言った。
ウルフは、マ・クベ大佐を睨みつけていると。
「ヘリオスに変なことするなよ」
と、言った。
マ・クベ大佐について行ったヘリオスはあるモビルスーツの前に案内された。
「あの、マ・クベさん。このゲルググはなんですか?」
「キシリア様に頼んで用意してもらった君専用のゲルググJだ」
「ゲルググイェーガー?」
「私が発案した統合整備計画によって完成したモビルスーツだ。まぁ、発案自体はキシリア様が発案したことなってしまったがそれはいい。すでに君専用にカスタムはしてある」
そう言って、整備兵にコックピットを開かせると。
「武装は、大型ビームマシンガン、フラッシュ・スモーク・クラッカー、ザクマシンガン、ビームサーベル。固定武装だったビーム・スポットガンは、お得意のダミーバルーンに変更しておいた」
「これほどのものをよく用意しましたね」
ヘリオスは、黒いゲルググJを見上げていると。
「時間がない。今から操縦訓練をしておけ」
「今!?今からですか!?僕、ア・バオア・クーに帰って来たばっかりですよ!?」
そう文句を言いながらも結局、ア・バオア・クー宙域で操縦訓練をしていた。
「いい動きだぞヘリオス曹長。思っていた以上にマスターするのが早かったな」
ヘリオスは次々と大型ビームマシンガンで的を撃破していた。
「思ってた以上にいいなこの機体。割と使いやすいかもしれません。アトラス大佐」
訓練をしていたその時だった。
「こちらア・バオア・クー。ア・バオア・クー宙域で訓練をしている艦隊及びモビルスーツ隊は指定されたポイントに退避しろ」
いきなり通信が入った。
「こちらアトラス!どう言うことだ!?こっちはまだ、ヘリオス曹長が訓練をしている最中なのだぞ!」
アトラス大佐が文句を言うと。
「今から我が軍の極秘作戦が発動する。死にたくなければ素直に指定されたポイントに退避しろ」
と、言ってきた。
「極秘作戦って・・・・・」
ヘリオスはとりあえず指示通りにアトラスと一緒に退避した。
その数分後だった。ア・バオア・クー宙域を大きな光が通過したのだった。