オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
61式戦車一個中隊を全滅させたヘリオス達の前に連邦軍の大型陸戦艇ビッグトレーが現れた。
「!!」
ウルフはブーストを吹かして両舷の三連装大型砲を躱した。
「連邦軍もとんでもねー兵器を持ってたんだな」
ヘリオスがそう言ってると右舷の三連装大型砲がヘリオスがいる丘に向けられた。ヘリオスも慌ててブーストを吹かしその場を離れると同時に砲弾が着弾した。大きな音と地響きがなりヘリオスの旧ザクはバランスを崩し倒れた。
「うわっ!!くっそー、なんつー威力だよ」
カメラを動かしビッグトレーの方にモノアイを向けると左舷の三連装大型砲がヘリオスに向けられていた。ヘリオスは慌てず姿勢を立て直していると。
「うおおおおおっ!!」
ウルフのヒートホークが左舷の三連装大型砲をぶった斬り破壊した。ヘリオスもマゼラトップ砲を構え右舷の三連装大型砲に向け狙撃した。マゼラトップ砲の砲弾は、真ん中の砲身に飛び込み大きな爆発を起こした。両側の三連装大型砲が使えなくなりウルフはそのチャンスを見逃さなかった。ジャンプしブーストを吹かしながらブリッジのまえに行くとザクマシンガンを構え至近距離からマシンガンを連射した。
「これだけでかいと装甲も相当だろうな!だけど、ブリッジを至近距離で撃てば!!」
ブリッジを破壊され大きな爆発が起きた。そしてありとあらゆるところが誘爆し始めた。ウルフは、高速移動で丘に向かっているとヘリオスが手を出していた。ウルフはその手を掴むとヘリオスは無理矢理引きずり込むように丘の陰に身を隠した。大きな爆発が起こり静かになると2人は丘から顔を出した。
「完全にスクラップになっちまってるな」
ウルフがそう言ってると運良く生き残ったのかビッグトレーから脱出している連邦兵が見えた。ウルフは、連邦兵を逃がさないように回り込みザクマシンガンを向けた。
「ま、待て!!お、俺達は降伏をする!!南極条約に従い捕虜として」
「んなもん知るか。俺は、ヘリオスの敵には容赦しねぇ!」
そう言ってウルフがザクマシンガンを撃とうとしたが、
「はい、ストップだウルフ」
ヘリオスがウルフの肩に手を置き止めた。
「ヘリオス?」
「ウルフ。確かに僕達は、戦争をしてる。彼らは僕達の敵かもしれないけど降伏した人を殺したらそれはもう人間じゃない。ただの殺人鬼だ。ウルフ、お前は、僕の家族(親友)は、殺人鬼じゃないだろ?」
ヘリオスは落ち着かせるようにそう言うとウルフはゆっくりと深呼吸してザクマシンガンを上にあげた。
「お前の言う通りだヘリオス」
ウルフがそう言うとギャロップに通信を繋ぎ捕虜のことをアトラス大佐に報告した。
「皆さん、申し訳ない。僕の相棒は、少々頭に血が昇りやすい性格で先ほどの戦闘のアドレナリンのせいで非道なことをやりかけてしまいました。本当に申し訳ない。皆さん、ご安心ください。あなた方の身柄は条約に則り安全を保証します」
「おい、今、余計なこと言わなかったか?」
こうして戦車中隊及びビッグトレー壊滅作戦はウルフとヘリオス2人の勝利で終わり生き残った捕虜達はファットアンクルで輸送された援軍によって全員収容された。
ビッグトレーを破壊したヘリオス達は、オデッサ基地に向かっていた。
「それにしても急な収集ですね。オデッサ基地に突然呼び出すなんて」
コーヒーを片手にヘリオスがそう言うと。
「オデッサ基地司令マ・クベ中将からの呼び出しだ。お前達も光栄に思えよ」
と、答えた。
「そう言う割には元気ねーな」
ウルフがツッコむとアトラス大佐はため息を吐き。
「マ・クベ中将は、キシリア派に属する将官でな。あまりいい噂を聞かないんだ。軍の金を横領して美術品を買い漁ってるとか、任務達成の為なら封印された核ミサイルを使用するとか」
「いや、二つ目のやつはなんですか?条約で禁止されてるんですからオデッサにあるわけないでしょ」
ヘリオスが核ミサイルのことを否定するが。
「それがあるかもしれないんだ。私も噂程度しか知らないがマ・クベ中将は、政治に口出しすることができるらしい。政治的な立場を利用して本国から核ミサイルを持って来たとか」
「とにかく危険な相手ってことだな」
ウルフが答えるとアトラス大佐は首を縦に振った。
「とにかく、マ・クベ中将が支配するオデッサ基地には常に気を張ってないと。もしかしたら最悪の場合喰われる可能性も」
(それにしても、マ・クベって名前。どこかで聞いたことがあるような・・・・・まさか、あの人じゃないよな?)
オデッサ基地に到着したヘリオス達は、すぐにマ・クベ中将がいる司令室に案内された。
「フフフッ、ようやくオデッサに到着したか。君がアトラス大佐かね?」
「ハッ!アトラス隊、指揮官、アトラス・ファーンデットであります!オデッサ基地司令官マ・クベ中将閣下の命により参上いたしました!」
(あれがマ・クベ中将。やばいな。この俺がプレッシャーを感じてやがる。どうやらただの将官ってわけじゃなさそうだ)
アトラス大佐は敬礼をして挨拶をしウルフはマ・クベのプレッシャーに負けていた。すると。
「マ・クベさん!?やっぱりマ・クベさんですよね!?」
突然、ヘリオスがそう言った。アトラス大佐は白目になり口をパクパクとしウルフも目を丸くした。
「キサマ!マ・クベ司令に対してその態度は」
「かまわない」
「!?しかし、司令」
「フフフ、やはりか。見覚えのある顔だと思ったがやはり君だったかヘリオス君」
マ・クベの発言に司令室にいる全員が驚愕した。ヘリオスが前に出ると。
「お久しぶりです!マ・クベさん!いや、この場ではマ・クベ司令とお呼びすべきですね!」
「是非、そうしてくれ。この場は公共の場ではなく軍の施設だ。君だけ民間での呼び方を許してしまえば部下達に示しがつかないからな」
そう言ってマ・クベ中将が右手を出すとヘリオスは、両手でマ・クベの手を掴み握手した。