オデッサの鬼、オデッサの死神と呼ばれた2人の兵士 作:ナイトメア・ゼロ
「あの、マ・クベ司令官。ヘリオス軍曹とはお知り合いだったのですか?」
アトラス大佐が質問すると。
「大学のレポートで骨董品関係について色々と調べてた時に色々と教えてもらってたんだ。名前は教えてもらってたけど骨董品を集めてるから博物館か鑑定士の人かと思ったけどまさかジオン軍の将官だったなんて」
「2年前くらいかな。骨董品店で偽物を購入しかけていたのが始まりだったのだよ」
「ちょっ、マ・クベ中将。それは言わないで」
ヘリオスの意外な交友関係にアトラス大佐もウルフもマ・クベの副官ウラガンも呆然としていた。
「それにしてもあの時の学生がまさか我がオデッサ基地の司令室で再会するとは・・・・・世間は案外狭いようだな」
マ・クベは、そう言って机の上にある報告書を手に取った。
「今回、君達アトラス隊を呼んだのは君達に任務を任せたいのだよ」
世間話から一変して仕事の話に戻った。
「任務ですか?」
「そうだ。以前、君達が目撃し迎撃した連邦のモビルスーツなのだがすでに量産に成功したという報告があがっている」
「あの時のヒトガタとタンクもどきか」
ウルフはあの日見た連邦のモビルスーツを思い出しそう呟いた。
「そしてここ、イギリスの前線基地でモビルスーツらしき機影を目撃したという情報が入った。今回の君達の役目は偵察、可能なら破壊してくるのだ」
「我々はどうやって向かえばよろしいのでしょうか?支給してくれたギャロップでは海を渡ることはできません」
アトラス大佐がそう尋ねると。
「失礼します!」
司令室に誰かが入ってきた。振り返るとそこには茶髪ショートヘアの綺麗な女性が敬礼していた。
「彼女は、ルミア・ストロンガー技術少尉。オデッサ基地でモビルスーツの整備と改造を担当している。ファット・アンクルやギャロップの整備もしたことがある。実力としては十分な技術者だ」
「彼女をアトラス部隊に?」
「そうだ。すでにギャロップを改造しイギリスまで渡れるよう命じてある。完成までの間このオデッサ基地で英気を養っておけ。下がれ」
『了解』
ヘリオス達は、敬礼するとそのまま司令室を後にした。
オデッサ基地でのヘリオス達は、かなり高待遇だった。まず、ウルフには、今までの働きが認められたのか昇進して中尉から大尉になった上、ウルフ専用のモビルスーツを用意された。
その機体は『ウルフ専用陸戦高機動ザク』。
ウルフ専用にカスタムされたこの機体は、ギャロップに使われていたホバークラフトを搭載し地表をスケートのような高速滑走を可能にし更にヒートホークよりもリーチが長く高い火力を持ったヒートランサーとザクマシンガンが用意された。塗装カラーもウルフの要望で赤く塗装され『赤い彗星』か『真紅の稲妻』のマネかと揶揄われたがこれだけ派手な方が敵の注意を向けやすいのが理由だった。
ヘリオスにも専用機というわけではないが鉱山基地から持ってきた旧ザクを狙撃仕様に改造された。塗装カラーも黒く塗装されたが一番大きかったのは高性能センサーの搭載だった。高性能センサーのおかげで戦略の幅が大きく広がった。
ルミア技術少尉は、ヘリオスがやってきた今までの狙撃は狙撃仕様のカスタムじゃなかったことを知るとルミア技術少尉は唖然としていた。
ギャロップの改造が終了するまで各自、準備をしそしてついにギャロップの改造が終了した。
「それでは、我らアトラス隊はイギリスの前線基地に向かい任務を遂行して参ります!」
そう言って、ウルフ専用陸戦高機動ザクと旧ザク狙撃仕様を搭載し旅立った。
「無事、ターゲットへの接触に成功しました」
「ご苦労。分かっていると思うがお前の任務は元グール隊のウルフ中尉いや、ウルフ大尉の監視と報告だ。奴はどうやって戦闘マシンから人間に戻れたのか。戦闘に特化してるとはいえどのようにしてこれだけの戦果を引き出すニュータイプになったか。できる限りウルフ大尉の近くでデータを手に入れるんだ」
「了解です。キシリア様」