ARMORED CORE LAST RAVEN ~Unsung Overture~   作:唯名瞬

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第13話「Discomfort」

 違和感。

 それが今、アライアンス基地内の通路を歩くジェランの全身を包んでいると言っても過言ではなかった。

 ふと窓に目を見やると、そこに映るジェラン自身の姿は普段着用していた作業用のツナギではなく、しっかりとアイロンが掛けられたであろうアライアンスの制服に身を包んでいた。

 視線を正面に向ける。前を歩いているのは、この基地の案内役を務めるアライアンスの女性士官の背中。今この場にいるのはこの士官とジェランの2人だけ。そしてリノリウムの床を踏む2人の足音が唯一の音だった。

 いくらアライアンスに反抗する勢力が幾つも出てこようとも、バーテックスが急速に台頭してこようが、今この世界を纏めているのはアライアンスであり、それはこの世界に住む人々の大半が持つ共通認識であった。

 

 レクタス平原での戦闘の後、アライアンスに捕らえられたジェランは覚悟をしていた。捕らえられたその後の展開の予想は大体出来ていたからだ。

 監獄に入れられればまだ良い方。最悪、そのまま壁際に立たされてそれで終わりだ。だが予想に反して実際のところジェランは捕らえられた後、戦術部隊の駐屯基地に勾留されて尋問を受ける日々を送っていた。

 薬や器具を使っての強制的なものは無いものの、日々代わる尋問を担当する士官からの問いに対して似た様な言葉を吐いては終わる日々。延々と疲労感が募るだけの苦痛とも呼べる日々が続くのではないかと思い始めた頃、ジェランの前にアライアンスの士官が現れ、一言言い放った。

 

 「君の力を借りたい」

 

 聞けば、アライアンス本部が新設する部隊の人材を探しているとの事だ。ジェランは指揮官の話にただ黙って耳を傾けた。

 ジェランは逡巡する。アライアンスに楯突いた人間。それも元レイヴンである自分を無罪放免にして、代わりにアライアンスの戦力として雇い入れる。この士官を名乗る男は中々クレイジーな事を言ってのけるなというのが最初の感想だった。

 同時に自分が思っている以上にアライアンスは人材が枯渇しているというのが感じ取れた。反抗勢力に対抗する力を手に入れる為になりふり構わなくなっているのか。そうジェランが皮肉を込めて言うとその指揮官は怒ることなく笑って「その通りだ」と答えた。その笑みにはどこか余裕があって、ジェランは心の中で首を傾げた。

 ジェランが捕らえられていたのは戦術部隊がグリーン・ホーンの組織をはじめとする反アライアンス勢力の情報を引き出させる為であったが、ジェラン自身は特に彼らと深い繋がりは無かった。あの作戦に参加したのも報酬の良さと待遇の変化を期待して参加したに過ぎない。知っている事は精々作戦に参加していた一部のACパイロットの名前くらいなものだ。他の武装組織もアライアンスもそして復活したアークにも居付くつもりはジェランには無かった。

 だが、ジェランの生殺与奪権を今はアライアンスが握っている。この話を断ればそれまでだろう。二度とシャバに出られることは無いと確信していた。

 ジェランは一晩考えた末、その話を受ける事にした。自分が率いていた組織にはまだ兵隊がいる筈だが、リーダーである自分が居なくなった今、存続できているか怪しい。生きる為に一つの区切りを付けなくてはいけない。虫の良すぎる話ではあるが、ここで自分は死ぬつもりは無い。組織を捨てる決断を下した。

 だが、本当にその決断が正しかったのか、ジェランは再び揺らいでいた。居場所を捨て、生きる事に縋った結果がアライアンスに飼われる事になる。改めて制服を着せた自分の姿を見るとまるで着飾られたマネキンの様に見えて滑稽に感じた。

 

 やがて、指揮官がいる部屋の前に辿り着く。女性士官に促され、部屋に入るとそこにはスカーフェイスの男。──ジェランに話を持ち掛けた指揮官の姿があった。

 

 「ようこそ、ジェラン。アライアンス特務部隊へ。改めて自己紹介させてもらう。アライアンス特務部隊司令のティンバー・ディーネル。階級は大佐だ。よろしくな」

 

 アライアンス特務部隊と名付けられた新設部隊の司令に就任して階級がひとつ上がった、ティンバー・ディーネル”大佐”の姿がそこにあった。

 

 「君が支給された制服はクレストの物か。私はどちらかというとそっちの方が良いな。ミラージュの制服はデザイン性に関しては確かに良いが、機能性ではクレストの制服の方が優れている」

 

 ジェランは自分が着ている制服とディーネル大佐が着ている制服を見比べる。確かに大佐が着ている制服とデザインが大きく違う。階級ではなく企業の違いであったかとジェランはアライアンスが企業の連合体であるという事を改めて気付かされる。

 

 「私は元々クレストの軍に所属していてね。以前は君と同じものを着ていたよ。特攻兵器襲来後の対応の際、現場で動いているうちにボロボロになってしまって止む無く取り替えてもらったが、本来あった筈の場所にポケットが無いとどうも落ち着かない」

 

 ディーネル大佐はそう言いながら、マホガニーのデスクの前に置かれた応対用のテーブルにジェランも着くよう促した。部屋を案内してくれた女性士官がテーブルにコーヒーの入ったカップを置いて部屋から出ていく。

 

 「──さて、正式にアライアンスに所属が決まった。どうかね、感想は?」

 

 ディーネル大佐はコーヒーを一口啜るとジェランに聞いてきた。

 

 「貴方の誘いのお蔭で命を生き長らえさせることが出来た。だが……」

 

 ジェランは一度言葉を区切る。胸の内に沸き上がっていた感触がこの後に出そうとした言葉を出すのを一瞬躊躇させた。

 

 「……正直に言おう。違和感がある」

 

 僅かな沈黙の後に紡ぎだした言葉。ディーネル大佐は少し首を上げてジェランの顔を見たが、その言葉を気にする様な素振りは全く見せなかった。

 

 「それは単に君がここの環境と価値観にまだ馴染めていないだけだ。その違和感とやらはすぐに無くなると思う」

 

 ディーネル大佐はそう答えて再びカップに口を付けた。大佐が返した言葉にジェランは「確かにな」と小さく頷く。ジェランが特攻兵器襲来後に取った選択は自ら組織を結成して戦う事であった。これまでの生き方とは全く正反対の生き方をする事への抵抗感。それはあるなとジェランは思った。しかし、それが違和感の正体とは思えなかった。

 

 「戦う理由を明確にすれば良い。今まで刹那的に生きていたのではないか? ──そう言えば、君が率いていた組織。最近別の組織に吸収されたそうだね。確か、”ズベン・L・ゲヌビ”とかいうレイヴンが率いる組織だったかな。このレイヴンは中々狡賢くてね、本部部隊も手を焼いている。そろそろ彼の懸賞金を引き上げようかと思っているよ」

 

 ジェランは少し俯き加減であった顔を上げた。自分がここにいる遠因となったレイヴンの名だ。我知らずの内に両の拳を握る力が強くなる。

 

 グリーン・ホーンのアライアンス基地一斉襲撃作戦が開始される2日前の事だ。突然、自身のねぐらへやってきて自分たちの部隊も援軍として参加したいと申し出てきた。人手が欲しかったのが本音であったのでそれを了承したが、それが大きな間違いであった。

 グリーン・ホーンが率いる本隊とは別ルートから進軍していたが、合流する手筈であったズベンが率いる部隊が一向に現れないままアライアンスの部隊と交戦。結局、グリーン・ホーンが撤退したとの報せを聞いて、自身も撤退する羽目になった。

 臆病風に吹かれたのか、やる気が無くなったかは分からないが、あの戦闘で部下を半数以上失ったうえにその後にはアライアンスの雇ったレイヴンに残りの部下もやられてしまい、自分を残して全滅。腕こそはまだ充分とは言えないが、実戦レベルで戦闘をこなせるまで育て上げた部下であった。もしズベンの部隊が合流出来ていれば死なせずに済んだかもしれなかった。

 ねぐらへやってきた時に見せたあの男の妙に馴れ馴れしい態度な顔と声は一生忘れないだろう。もし今度会えた時は乗っている機体共々この手で葬ってやると心に誓ったのを思い出した。

 なるほどな、とジェランは唇を自嘲気味に少し吊り上げる。組織に所属する以上、生きる為という漠然としたものでは無く、明確な目的を持てという事か。

 それと同時に自身を打ち負かしたレイヴンの名前が頭に過ぎる。ヴィラスという名前だったか。まだ生きていればあの時の礼もさせてもらわなくてはならない、とふと苦笑いを浮かべながらカップに口を付ける。いつも口にしていた代替豆のコーヒーではない。本物のコーヒーの香りと味。

 

 「キサラギの農業プラントで栽培した高級豆だそうだ。気に入ってもらえたかな」

 「久々に飲む味だ。いや、俺が今まで飲んでいたどれよりも美味い。こいつをこれからも堪能出来るってわけか」

 「それは君次第だが、以前よりもまともな暮らしは出来る筈だ。それに出世すれば安定した生活も保証される。悪くはないだろう。年金だって出るぞ」

 

 口の中に残るコーヒーの味を舌にしっかりと染み込ませる様にジェランはゆっくりとカップを傾けた。

 

 「良い身分だな。それを聞くと今まで組織を率いて戦ってきた自分が小さく感じるよ」

 

 何に対しては分からなかったが怒りにも似た感情がジェランの頭の中で一瞬渦巻いた。それはアライアンスという組織に対してか、小さな組織を築いて勝算が少ないと分かっていながら戦っていた過去の自分自身に対してなのか。だが、今はそれを考えるのは野暮な気がしてジェランは小さく頭を振った。

 

 「確かに良いご身分だろう。それが今の企業主義体制の結果だよ。結局のところ今の時代、我々は企業の加護が無ければ生きる事は難しい。生き残る可能性が大きい方に君は付くことが出来た。そうポジティブに捉えておきたまえ」

 「そうでありたいな。でなければあの話を受けた意味が無い」

 

 ディーネル大佐は少し体を楽な体勢に変えてジェランを見据える。

 

 「だが、この体制も大きく揺らいでいることも確かだ。アライアンスの設立によってギリギリの所で押し留まっているが、三大企業を中心とした企業主体の体制は特攻兵器襲来でほぼ崩壊している」

 「だからアライアンスが頂点に立ってその体制を復活させようっていうのか。頭がアライアンスひとつで、やる事は結局同じかよ」

 「アライアンスは次の体制を整える準備で組まれた組織に過ぎないよ。それが終わればいずれは無くなる」

 「フン」と鼻を鳴らしてジェランはディーネル大佐を睨みつける。「次の体制か。企業ではないなら何になる? ”管理者”でも作る気か」

 「次の時代にはその秩序を築くべき存在が必要になる。そしてそれは正しく管理されなければならない。あのような過ちを繰り返さないために」

 「否定はしないのか」

 

 正面を見据えるディーネル大佐の表情は変わらない。目こそは笑っていないが、どことなく余裕を覗かせる表情。思わずジェランは目線を落としてカップに口を付ける。

 

「今は可能性のひとつにしか過ぎない。まず必要なことは企業全体があの過ちを認め、この世界の状態を一定の水準に戻すことだ。それに残念だが、今の我々にあの管理者を構築し直す術を持っていない。実現するには恐らく長い時間が必要だろう。もしくは……」

「新資源……いや、旧世代の遺産か」

 

 先の言葉を予測して出したジェランの言葉に僅かだがディーネル大佐が表情を崩して「そうだ」と答えた。

 

 「ナービス絡みの依頼は何度か受けていたからな。それ位は俺にだって分かるさ。だから紛争が始まって、あの結末だった。旧世代の遺産の切れ端でもいいから手に入れて解析出来りゃ新しい管理者の構築だってある程度は夢物語じゃ無くなる筈だろ」

 

 「言うのは簡単だが」と大佐はカップを手にしてコーヒーを一口飲み、僅かな沈黙の後に口を開いた。

 

 「旧世代の遺産に関しては我々もどうすべきか迷っている代物だ。情報が少なすぎて、どう手出しすればよいのか模索中でね。その知識を持つ人材も少ない状況なのだよ。ひとつ知らせておくとすれば、特務部隊にはその旧世代の遺産に関する兵器もしくは施設の調査及び破壊も任務として挙がることもあるだろう。いずれはこの脅威と立ち向かう事になる事は覚悟しておいて欲しい」

 「ある意味、俺たちレイヴンにはうってつけの任務かもしれないな。了解したよ」

 「難しい相手になるかもしれん。だが、対抗できるのはレイヴンである君たちだけだろうな」

 「そう言えば、他のレイヴンはどうした? もうここに来ているのか」

 

 ジェランは話題を変える事にした。

 

 「既に4名程、この基地に到着しているが、顔合わせは後になる。今日の夕方までには特務部隊に所属する隊員がこの基地に全員揃う。隊員は君を含めて8名と本部から来る選りすぐりのMTパイロットが24名。そうだな、今のうちにメンバーのリストを渡しておこう」

 

 デスクに置いてあったタブレット端末を手に取り、ディーネル大佐はそれをジェランに渡す。それを受け取ったジェランは一通り視線を走らせた。そこにはレイヴン及びACパイロットの名前と搭乗機の機体構成がリスト化されて載っている。

 

 「特務部隊に来るメンバーは現在のところ、それが全てだ。やっていけそうかな?」

 「かつて戦場で俺と共に戦ったヤツもいれば、敵対したヤツもいる。実力云々はひとまず置いておくが、まあ、楽しみにはしておくさ」

 「新しい時代を築く為の準備だ。それを遂行するのが我々特務部隊の使命だと思ってもらえればいい。君にはこの部隊の隊長としての務めを果たしてもらいたい」

 「隊長か。壁際に立たされかけた身からここまでになるとはな……人生分かったもんじゃないな」

 「レイヴンズアーク所属時代の最終ランクが総合36位。最高到達ランクは19位。トップ30以内に入った経験もあるレイヴン。2年前にアークを離反してフリーになり、その後は独立武装組織を率いて我々や他の組織に対抗してきた。君のその実力と経歴であれば隊長の役目は充分に務まるだろう」

 「褒めているのか」

 「正当な評価だよ。レイヴンはこの抗争でその数が大分減ってしまった。運という要素も含めても現時点で生き残っているレイヴンは相応の実力があってこその結果だと私は思っている。正式な階級は今のところまだ設けないが、君のIDには大尉相当の権限を持たせる事にしているよ。他は中尉から少尉相当にする」

 「意外だな。こういうのはきっちりと区別させるのかと思っていたが、少々アバウトじゃないのか」

 

 軍隊であるから階級を設けるものだと思っていたジェランは少し驚く。

 

 「レイヴン中心だからな。戦術部隊もそうしているし、結局は指揮官と隊員の関係だけで完結するだろうと思って、本部から出向の隊員以外は設けないことにした。まぁ、レイヴンネームの後ろに階級付けて呼び合うなんて君たちからすれば違和感しかないだろう」

 「確かにそうかもしれん。『ジェラン大尉』なんて呼ばれるのはなんか変な感じもするし、その方が互いに楽だろう。異論は無い。ここまで施してくれたんだ。貴方が下してくれた評価以上の働きが出来るように俺も最大限の努力をしよう」

 「フム、それは頼もしいな。今夜、特務部隊最初のミーティングを行うから隊長就任の挨拶でも考えておきたまえ」

 

 ディーネル大佐はそう言って立ち上がった。話は終わりだという事だろう。違和感はまだ拭えていない。だが、もう引き返せる段階では無い事は分かった。

 ならば、行き着くところまでいってやろうじゃないかと腹を括り、ジェランも冷めかけたコーヒーを飲み干して立ち上がると、ディーネル大佐へ未だに慣れない敬礼をして部屋から出た。

 廊下に出ると、窓の外に見えたのは着陸する輸送機の姿。あの中に自分と同じく特務部隊に籍を置くレイヴンとその乗機がいるのだろう。ジェランは組み上がっている筈の愛機<エクリッシ>の状態を確認する為に格納庫へ足を向けた。

 

 

    *     *     *

 

 旧レイヴンズアーク関連施設跡。既に日が沈み掛け、周りは暗くなり始めている。この宵闇の中、崩壊が進んでいるこの施設に忍び込む事ははっきり言えば自殺行為に近い。こんな事をやるのは余程の物好きか、リサーチャー位しかいない。だが、その施設の中に動く人影があった。

 その人影は施設の一室の隅で座り込み、ずっと唸っていた。人影の周りにはその人物の仕業か、大量の書類らしき紙が散らばっている。

 

 「──これも違う。これは……駄目だ、読めねぇ……」

 

 人影の正体はクリフであった。3時間程前から此処に忍び込み、残されていた資料を漁っていた。目的はフライボーイの依頼で受けたあるレイヴンの情報。

 

 あのジノーヴィーを倒したレイヴン。アーク関連施設に忍び込めば情報が手に入るかもしれないという希望があったが、現実はそこまで甘くは無かった。レイヴンについての情報はレイヴンズアークの中では最重要機密にあたるもの。やはりレイヴンの個人情報や動向に関する情報なんていうのはそう簡単に手に入るものではない。

 だが、全く情報が掴めなかった訳ではない。クリフが所有しているデータのアーカイブ内にひとつの映像ファイルがあった。クリフ自身、それをどうやって手に入れたかは既に定かではなかったが、時期的にはナービス領の紛争末期。特攻兵器襲来直前に入手したであろうデータだ。ファイルの中身は15秒にも満たない短い映像。それが唯一の手掛かりになった。

 

 映像は旧ナービス領最大の都市、ベイロードシティ内に設置されていた監視カメラの一つが捉えていたもの。ジノーヴィーが最期に戦った場所である。そこで起きた戦闘の一端を映していた。

 漆黒の中量二脚型ACがライフルらしき武器を撃ちながら後退する姿。高速で動くACによって機体の全体像はブレてしまってよく見る事は出来ないが、それでも両肩にグレネードキャノン<CR-WB78GL>を備えた特徴的なシルエットは分かる。彼の駆るAC<デュアルフェイス>である事は間違いない。

 そこへ<デュアルフェイス>に追い縋るように画面内に入り込んできたACがブーストダッシュさせながらミサイルを発射したのが見えた。その直後に火球が画面を覆い、ブラックアウトして映像が途切れる。<デュアルフェイス>と交戦していたACは、シルエットから白いカラーリングの二脚型くらいしか分からなかった。

 その白いACのシルエットはクリフにとって嫌な思い出を彷彿させるものであった。<十字架の天使>と名付けたAC。それに似ている。同一機体なのか? とクリフは疑い、短い映像を何度も見直したが結局分からず仕舞いだった。更なる情報が必要になるが、クリフの持つ資料では限界がある。

 正攻法では手に入らないものならば、こちらも通常とは違う方法で手に入れるしかない。特攻兵器襲来でそれもやり易くなった。本来ならどんな施設であろうとも厳重な警備体制であったアークの関連施設に簡単に忍び込めた。

 だが、崩壊寸前であった施設に設置されていた端末は最早起動が出来るような状態ではなく、見つかるのは雨風に晒されたりしてボロボロになった紙の端切れか、無事なものでもレイヴンとはまったく関係無い報告書等で、今のクリフにとっては精査する必要が無いものばかりだった。

 これで4ヶ所目の侵入であったが、いずれもレイヴンに関する資料だけは全く見つからない。元から支部には置いていなかったか、アークが回収または処分してしまったか。もしくは同業者が持っていった可能性もゼロではない。

 

 (予感はしていたが、収穫は無しか……)

 

 クリフは口に咥えていた煙草を近くの壁で揉み消すと、そのまま立ち上がって身体を大きく伸ばす。長い時間座り込んだ所為で凝り固まった筋肉が軋む。

 

 (こうなりゃ、希望は薄いが本部に直接行くしかねぇか)

 

 それはクリフの中で最後の手段というべき選択。レイヴンズアーク本部がある”セントラル・アーク”に直接乗り込む。施設さえ無事ならばレイヴンの情報が収集出来る可能性はあるが、問題点はあった。現在のセントラル・アークはOAEやアライアンスも手を付けられない危険地帯と化している情報もあり、そう簡単にいくものではないのは容易に分かる。

 だが、どんなに危険を冒してもクライアントが必要とされている情報を持ってくることがリサーチャーなのだから、何も収穫を得ないで帰るのはリサーチャーとしての矜持が許さない。

 

 「まあ、行き場所も決まった事だし、ボチボチ行きますか!」

 

 そう自分を奮起させる様に言って両頬を強く叩く。モヤモヤとしてはっきりしない気持ちをスッキリさせると施設跡から出て行った。

 

 

 荒野にたった1台、大型車が疾走している。クリフの運転する装甲車だ。懇意にしている中古兵器の取扱業者からレンタルしたモノ。中古とはいえ、整備がしっかりと施されていて道なき荒野を進むには苦にならない。既に日が落ち、辺りは闇に包まれている。

 

 「地図だと、ここからセントラル・アークまで補給とかを入れると約2日は掛かるか……」

 

 携帯端末に表示された地図を見ながら、クリフは呟く、小さなフロントガラス越しから見えるのは限りなく続く荒野、そして特攻兵器によって破壊されてしまった街。この半年間、当たり前の様に見る風景。クリフが通っている場所もかつては街と街を繋ぐ街道であったが、今は見る影も無く、瓦礫が散乱している。

 

 「復興……ねぇ……」

 

 クリフは大きく嘆息した。ニュースネットワークで伝えられているのはアライアンスとOAEによる復興活動によるものが殆どで、順調に復興活動は進んでいるという。だが、報道内容通りになっているのは実際には一部の都市だった。都市機能の復旧作業も作業用MT等の重機の数が不足気味で徐々に遅延が出始めている。

 それに加えて、武装組織による都市部への襲撃も日に日に増し、この事態にアライアンスの対応も遅れ始め、民間人の被害も増えてきている。安定しかけた治安は少しずつであるが綻び始めていた。そこに加えてバーテックスの出現はアライアンスにとっては大きな打撃となった。

 

 「そいつはまだまだ遠いな……」

 

 抑えようとする者がいれば、抗う者が出てくる。歴史には必然的なものであるかもしれないが、何か納得いかないものがクリフの心の何処かにあった。

 

 

 8時間程走っただろうか、クリフは水の入った水筒を片手に機体を走らせていた。さすがに同じような風景をずっと見続け、ほぼ徹夜といってもいいだろう。疲労のピークにそろそろ達してきそうだった。

 

 「あと、150キロ位で街が見えるはずだ……そこで休むか」

 

 そう呟いて、水筒へ口を付けた時だった。装甲車のレーダーに熱源の反応。そして、遥か前方に閃光が走るのが見えた。

 

 「何だ、ありゃ?」

 

 クリフは車を停めて、窓に顔を近づけた。閃光は何度も行き交って、火球が炸裂するのも小さく見える。戦闘の光だということが直ぐに判った。それも割と近いところで起きている。

 危険だと察知して装甲車を急速で後退させると瓦礫の陰に停車してエンジンを切り、装甲車の天井ハッチを開けた。遠くにマシンガンと思しき発砲音が聞こえてくる。

 天井ハッチから首だけ出して、瓦礫と化した建物の隙間から手に持った双眼鏡を覗く。迂回が出来そうなルートを探そうとしたが、街に着くまでの燃料の残量がギリギリの状態で迂回は難しい。このまま隠れてやり過ごす事にした。

 クリフは閃光が放たれている方角へ双眼鏡を向ける。今いる場所は戦闘している領域から距離は離れているため、余程の事が無い限り巻き込まれる事は無い筈だ。それを祈りながら、戦闘を眺める。

 

 AC1機とMT3機の姿を捉えた。全機同じ方向に発砲しているため、同じ所属の機体だろう。クリフは暗視スコープの感度を少し上げて詳細を確認する。

 MTは3機とも<CR-MT85M>。ACは中量二脚型でマシンガンとレーザーブレードとレーダーだけを装備したシンプルな構成の機体。クリフは双眼鏡のカメラで機体の姿を収めると、それを携帯端末に取り込み、検索を掛けた。機体のフレーム構成はデータベースから元レイヴンの”フォッグメイカー”が駆る<フリーバード>だと判明した。

 彼らが相手にしているのはAC1機だけの様だった。クリフは双眼鏡を相手の方へ向ける。機体はブースト機動で細かく動いて中々捉えられなかったが、ようやく視界内に入ってきた。機体はアークが新人レイヴンに宛がう機体。所謂”スターター機”と呼ばれていた機体であった。

 黒煙が上がったMTらしき残骸も2つ確認出来た。どちらの所属までかは分からない。

 純粋な戦力差ではフォッグメイカー側の方に分はあるだろう。スターター機に搭乗しているのが新米クラスのパイロットであれば彼らに勝つのは相当難しい。<フリーバード>の方が性能の良いパーツを使用している。

 スターター機を取り囲む様に<フリーバード>とMTが動く。スターター機は後退するのではなく、ブースターで機体を加速させて前進。予想外の動きだったのか、正面にいた<フリーバード>と1機のMTが押されるように後退しながら発砲。スターター機は右にサイドステップしてその射線を躱す。その動きに包囲網が崩れた。

 再び<フリーバード>とMTがマシンガンを発射。スターター機はコア付近に被弾をしたらしいが、それに構うことなくジャンプ。正面にいたMTの真上を飛び越す瞬間。MTに向けてライフルを2発発射。

 <CR-MT85M>の小さな頭部がライフル弾の直撃を受けて潰れる。スターター機はMTの背後に位置を取ると左腕のレーザーブレードを発振。MTの背中がブレードの光刃によって大きく裂ける。更にもう一撃、動きの鈍った機体へブレードで薙いだ。光刃はコクピットまで届いたのか、MTは完全に動かなくなり、そのまま倒れる。

 僚機の撃破に動揺したのだろう、1機のMTが動きを止める。既に狙いを付けていたのか、スターター機の右背部からミサイルが1発放たれて胴体に命中。そこへすかさずライフルを数発放ち、コクピットを撃ち抜く。

 

 「速いな……アイツ」

 

 クリフはそう呟きながら戦況を眺める。スターター機のパイロットは新米パイロットにありがちな一挙動毎に一息吐く動きではなく、流れるような動きで隙を作らない。明らかに新米の動きではなく、操縦慣れした者の手による挙動であった。

 <CR-MT85M>が後退しながらマシンガンを放つと、<フリーバード>が左腕のレーザーブレードを構えてスターター機に目掛けて加速する。回避の為に左右に揺れるような機動をするスターター機から放たれたライフル弾が<フリーバード>のコア付近に命中。弾丸が防御スクリーンに衝突して爆ぜる音が辺りに木霊する。

 損傷を受けながらもレーザーブレードの間合いに入った<フリーバード>が左腕を振るった。光刃がスターター機のコアを薙ぐように襲い掛かるが、スターター機はバックステップでそれを寸前で躱す。

 隙が生まれた<フリーバード>へ今度はスターター機が一気に前へ踏み込んで左腕のレーザーブレードを構えて振るうと収束口から光刃が離れ、それが光波となって真っ直ぐ<フリーバード>目掛けて飛んでいく。

 スターター機に装備されている<CR-WL69LB>のブレードレンジでは<フリーバード>には一歩届かないが、パイロットはブレードのレーザー収束装置を一時的にカットして、光刃を飛ばしたのだ。高出力で収束しているブレード状態と比べると威力は劣るが、近距離であれば大きなダメージを与えられる。

 <フリーバード>のコアに光波が命中。一際大きな音が響き、<フリーバード>のコアに大きく横一文字の傷が刻まれた。

 <フリーバード>が追撃を避けるためにバックステップで間合いを取ってマシンガンを構えると、スターター機はそれに合わせて機体を大きく踏み込ませる。右背部のミサイルランチャーからミサイルが放たれ、<フリーバード>の頭部に命中。部品を撒き散らして<フリーバード>が姿勢を大きくぐらつかせるが、それでも<フリーバード>は構わずに右腕のマシンガンを放つ。狙いが定まらない弾丸はスターター機のコアと右肩に数発当たるだけで致命傷には至らない。

 近距離での被弾を気にする事無く、スターター機は更に前に踏み込んで左腕を振るう。レーザーブレードの光刃が<フリーバード>の右腕を捉え、肘関節を切断した。右腕がマシンガンを持ったまま高く舞い上がる。

 動きが止まった<フリーバード>のコアにスターター機は左足を突き出して蹴飛ばすと、<フリーバード>が大きく吹き飛ばされて倒れる。

 倒れた<フリーバード>を飛び越えて、その先にいたMTに向けてライフルを発砲。ライフル弾はMTの頭部、続いて胴体を撃ち抜き、機体はそのまま倒れて動かなくなった。

 スターター機は右腕のライフルを放り捨て、吹き飛んだ<フリーバード>の右腕に握られていたマシンガンをむしり取ると、立ち上がろうとしている<フリーバード>に向けて放つ。まだ立ち上がる事が出来ない<フリーバード>のコアへマガジンにある分を全弾撃ち込んだ。コアに幾つもの穴が穿ち、ジェネレータに直撃弾を受けた<フリーバード>は爆散した。

 

 「全機撃破しやがった……」

 

 双眼鏡を持つ手が自然と震える。時間としてはまだ5分と経っていない筈だったが、クリフにはその短さを感じられなかった。手慣れの者が魅せる圧巻の時間。

 あのスターター機を駆るパイロットの実力は明らかにフォッグメイカーを圧倒していた。

 

 「あの動き……パイロットはレイヴンだな。それも腕が良い。ランカークラスだ」

 

 クリフは双眼鏡をあのスターター機に向ける。被弾してボロボロになった機体が暗視スコープ越しに映る。左肩のエンブレムは掠れているが、ナービス社を示すものが辛うじて見える。どうやら旧ナービス社が所有していたACを持ち出しているらしい。

 その時、ACのカメラアイが一瞬クリフの方へ向けられた気がした。あの機体のレーダーレンジからも離れていて見えない筈だが、クリフは思わず双眼鏡を手から離す。またあの時の事を思い出してしまう。

 一瞬身構えるが、何も起きない。クリフは恐る恐る双眼鏡を覗き込む。東の空が白み始め、朝日が荒野を照らし出す。

 だが、そこにはあのスターター機の姿は朝露の如く消え去り、静寂な荒野の姿が戻っている。どれくらいの時間、目を逸らしていたかもう定かではない。夢を見ていたのかと勘違いしてしまいそうだったが、大地に散らばるACとMTの残骸が、クリフが見ていたのは夢でも幻覚でも無い事を物語っていた。

 知らぬ間にかなりの緊張状態に陥っていたのだろう。それが無くなっていくのを自覚すると、クリフは運転席に力なく座り込んだ。忘れ掛けていた疲労感と眠気が一気に襲い掛かり、クリフ自身の身体を動かすことを拒絶する。

 暫く座り込んでいたクリフは、水筒に残っていた水を一気に飲み干して、ジャケットの胸ポケットから煙草の箱を取り出して中を見る。箱の中には1本だけ残されていた。それを咥えて火を点けると口から紫煙をゆっくり吐き出す。これでようやく一息吐くことが出来た。

 

 「やっぱ怖いな……AC同士の戦闘の生観戦ってのは。生きた心地ってもんが無くなる」

 

 クリフは頭を掻きながら独り呟くと、双眼鏡からメモリーカードを取り出して携帯端末に差し込む。そこには先程の戦闘の一部が記録した写真が表示される。動画で残せなかった事は悔やまれるが、生きているだけで良しと、自分を納得させた。AC同士の戦闘を直接見たのは何度もあるが、離れた所で見ていたとはいえ、あの場所で行われていたのは命のやり取り。煙草を挟んでいる指がまだ少し震えていた。

 暫し写真を眺める。映像に残してはいないが、先程の戦闘の様子は頭の中に焼き付いていた。あのパイロットの戦い方、何かに似ているとクリフは思った。

 しばらく考え込んだ後、それは、<十字架の天使>だとクリフは気付く。まだ漠然としたものではあるが、機体こそは違えども、戦い方の雰囲気はアルバタ基地で見たものに近い気がした。同時にそれがジノーヴィーを倒したレイヴンを知るヒントになるのではと出し抜けに考えた。

 車のエンジンに始動させる。エンジンの振動が座席に伝わり、眠気を覚ますには心地よい刺激になった。

 

 「まずは腹ごしらえと睡眠だ。ちょいと飛ばせば後2時間位で付くかな」

 

 戦場となった領域を装甲車が横切る。<フリーバード>とMTの残骸を交互に見やるとクリフはアクセルペダルを強く踏み込んだ。

 

 

 「意外と金が掛かっちまったな。値引きしてもらっても180コーム掛かるとはね……」

 

 装甲車の運転席の中で苦笑いを浮かべながらクリフは運転していた。街で休息を取り、車両の整備と補給を終え、更に北を目指して向かっていた。

 既に陽は西に傾いてきている。向かう途中、何度かOAE所属の輸送隊のトラック等がすれ違っていったが、今は荒野の中、ただ1台の装甲車が影を伸ばしながら疾走しているだけだ。

 

(あの特攻兵器で施設が全壊とかしてなきゃいいが、頼みの綱はもうあそこしか無いからな……)

 

 地図を睨みつけながらクリフは現在地と目的地の位置を確認した。

 

 「ちょいとゆっくりし過ぎたかな。少し急ぐか……」

 

 街にいた整備士の腕が良かったのだろう。ペダルを強く踏み込むとエンジンが小気味良い唸りを上げ、装甲車は速度を上げて疾走する。

 

 それから1日後、クリフは旧レイヴンズアーク本部施設があったセントラル・アークの影をようやく視認出来る場所まで辿り着いた。まだ遠くにあるが、ナービス領のベイロードシティ同様、シェルター式で構築された都市としては最大級の規模を持つ都市のシルエットがぼんやりとクリフの視界に捉えていた。

 

 「デケェな……さすがは世界一の傭兵統括組織の本部があった街。規模が桁違いだ……」

 レイヴンズアークが唯一管轄していた都市。それが本部の置かれていたセントラル・アークと呼ばれていた都市である。

 だが、他の街とは違うのは外部の人間は容易に入ることが出来ない。普通の街ならばフリー、もしくは数十分で済む手続きで入ることが可能だが、このセントラル・アークへ入るためには複数の審査と手続きを済ませなければならず、それらが完了するまで最低で3週間程度の時間が掛かる。審査が通り、入ることが出来ても、ありとあらゆる行動を制限され、最長でも僅か2日位しか滞在が出来ない。中立性を守る為とは云え、過剰ともいえる徹底的な守秘体制がこのセントラル・アークにはあった。

 ゲートを視認できる距離まで近づくと、その守秘体制を象徴するかのように巨大なゲートが厳重に閉ざされている。クリフは過去に一度セントラル・アークへの入場手続きをしたことがあるが、職業柄信用できないと門前払いをくらったことがあり、ここまで来るのは実は初めてであった。

 車から降りてゲートに近づく。固く閉ざされたゲートはよく見れば特攻兵器によるものだろうか、歪みが出来ている。AC用の高火力武器であれば壊そうとすれば出来そうだが、持っている拳銃程度じゃ当然、破壊する事なんて不可能だ。中に入る方法を考えなければとクリフを思った。

 クリフは双眼鏡を覗き、壁の先を見やる。東西に6キロ、南北に10キロ程だと聞いているが、それをこれからじっくりと見て入れそうな場所があるかどうか考える。シェルター式の街なので壁をよじ登って天井から侵入という手もある事にはあるが、300メートル近くある高さがそれをさせるという気を無くさせる。仮に登り切ったとしても、その後無事に降りられる場所があるかも分からない。それ以前に登る為の装備は持ち合わせておらず、やるつもりは無かった。中々骨の折れる作業になるなと大きく嘆息する。

 

 (作業員用の通用口位はある筈だが……一回りするしかないか)

 

 見取り図くらいは手に入れておけばよかったと、今更ながら考えたが、それもそう簡単に手に入るものでは無い。頭を掻きながらクリフは苦笑いを浮かべる。

 車に戻り、ハンドルを握ろうとした時だった。遠くからローター音が聞こえてくるのが判った。それも複数。クリフは窓から音のする方へ双眼鏡を覗き込む。

 段々と大きくなるローター音はクリフがいるセントラル・アークに向かって来ていることを知らせるものだった。そして、双眼鏡にもその音の正体がはっきりと捉えてきた。

 

 (クランウェルが3機……ACが5機……)

 

 何を目的にこのセントラル・アークに来たのかはクリフには解らないが、この場に留まるという事は考えなかった。急いで車を発進させて隠れられそうな場所へ逃げる事にした。クランウェルのいる距離からはまだ捕捉はされていないが、早いところ隠れなければ自分の身が危険になることは承知している。

 500メートル程離れた所に壁を支えるための支柱がある。車を停めて支柱の陰に身を潜める。ACを吊り下げたクランウェルの姿は既にゲートの近くまで来ており、ACが投下されるのが肉眼でもハッキリと見えた。

 

 「一体、何始めようとしていやがるんだ?」

 

 双眼鏡で投下されたACを確認する。そこにいた機体の1機にクリフは見覚えがあった。両腕がグレネードキャノンになっている青い中量二脚型AC。クリフがここへ来る切っ掛けになった依頼主であるフライボーイの<スピットファイア>の姿もあった。

 

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