魅惑なΨ能
回想が終わりそして現在。
この子本当に知予に似ているわね、??顔はよく見たら私の目の前にいる子の方が整っていそうだけれど、まあ私ほどじゃないわっ!
なんてことを頭の中で考えていると、夢原知予に似ている女の子が不思議そうにこちらを見てきょとんとした顔で言った。
「どうしたの、かなっ?私が誰かに似てたりした、?」
察しのよい夢原知予(仮)、まあ知予は察しが良いというよりは勘違いの激しい人間だったなと過去を思い返した。
まあ他人の空似もよくある話だなと割り切り、完璧美少女として会話をすることにした、完璧美少女は驚いたことがあっても慌てふためいたりしないのよっ!
「わ、!急に知らない子の名前だしてしまってごめんなさいっ!とても友達に似てたからつい…」
「そうだったんだね、全然大丈夫だよっ!」
私は自然に会話を終わらせるためにその言葉に天使の笑顔で頷き、まだバスの中だったため、完璧美少女は常識も兼ね備えているからして、不必要な会話は避けて到着するまで静かに時を過ごした。
ついにバスが高度育成高等学校に到着し、自分と同じ制服を着た新入生らしき人達がどんどんバスを降りていく。ちなみに私はいつもバスを降りる時は最後まで待つの。なぜかって??一緒にバスを乗ってた人達へのサービスよ♪私が最初に降りちゃうと、もうこの素晴らしいお方とバスに乗ることは無いんだろうな…なんて余韻に浸る暇も無くなってしまうからねっ。
ほら私がバスから降りず待っているとこぞって全員私の顔を見て【おっふ】なんて言いながらバスを降りていくわっ。だけれど、降りていく人達の中でさっきの私に話しかけてくれた女の子を含めて
私が最後にバスを降りて校門に歩いていくと、さっきの夢原知予(仮)が私を待っていたのか、前から笑顔で駆け寄ってきた。
おっ… いや私は【おっふ】なんかしないわよ!!いくら可愛かったとはいえ私より可愛い子なんてこの世に存在しないもの!
「ごめんねっ!さっき自己紹介できてなかったからお話したくって!」
そう言って女の子は続ける。
「私は櫛田桔梗って言いますっ!よかったら下の名前で呼んでくれると嬉しいなっ、3年間よろしくね!」
なんだかこの子私と似た雰囲気を感じるわ…。表向きはとても素敵で優しい完璧な子を演じているようだけれど、完璧な私だからこそ垣間見ることができる細かい所作や言動で承認欲求の強い女の子に見えるわね。
なんて半分冗談で考えているが本当に当たっているなんて照橋心美は思いもよらないだろう。
「じゃあ桔梗ちゃんって呼ばせて貰うね、私の名前は照橋心美です。こちらこそよろしくね!」
初対面からこんなに【おっふ】されないで会話するなんてはじめてだわ…。この子相当負けず嫌いなのね…。だけど今に見てなさい、私には到底叶わないってことをすぐに知らしめてやるんだから。
その後も絶対に【おっふ】しない櫛田さんと完璧美少女の私は当たり障りのない会話を続けていた。もちろんその間にも周りの群がってくる男達は全員【おっふ】漬けになっていたわよっ。
「それにしても照橋さん、あの時すぐに席を譲ろうって思って行動したの本当に優しいんだねっ!私なんか譲ろうって思ったんだけど勇気が出なくって、ほんとはすぐ譲ってあげたかったんだけど…」
「そんなことないよ!たまたまタイミングがよかっただけじゃないかなあ?それに桔梗ちゃんも譲ろうとしていたなら関係なく桔梗ちゃんも優しいってことになるよ。」
女の子との関係構築のコツその1
自分を下げた発言をした相手に対しては必ず相手の欲しがる褒め言葉を言うべし!!プライドの高そうな女の子にこそこれは使えるわよ♪
褒め上手は男女問わず人気者になるものなの!
「照橋さんってほんとに優しい子なんだねっ!それにとっても可愛いしすんごいモテモテだったんじゃない?」
「な、なにいってるの桔梗ちゃん!!モテるなんてそんなことないよ恥ずかしい…」
女の子との関係構築のコツその2
恋愛の話になった時は必ず天狗にならず謙虚にいくべし!!
自分からモテてるアピールしたらウザがられて嫉妬のもとになってしまうわよ♪恋愛なんてしたことのない純粋無垢な女の子を演じるの!
そうしたら男達もどんどんわたしの虜になっていくわっ!
そこからさらに…
「それに桔梗ちゃんの方がそーいうのは多いと思うよ!すごいフレンドリーで話しやすいし、そういうところを好きになっちゃう男の子すごく多いんじゃないかなあ?」
相手を褒める一言を必ず添えるのよ。褒められたら倍にして褒め返す、これが女の子の掟よっ!
「もーやめてよ恥ずかしいっ!心美ちゃんったら!」
あら心美ちゃん呼びになったわね、この変化が凶と出るか吉と出るか…
広い校舎内に到着し、人集りが増えてきたとこで、私は校内を見渡した。
ずいぶん綺麗な校舎ね…どのくらい資金が国から支援されているのかしら…。さらに、もう1つ気になることを発見した。
ずいぶん冷たい視線をさっきから浴びてるとおもったら…
「──監視カメラ…?」
思わず口にだしてしまったが、櫛田さんには聞こえてなかったようでとくになんの反応もなかった。
昔から盗撮やストーカーにたくさん遭ってきたせいか、視線や気配に敏感になってしまったのだ。校門を潜ったときから妙にたくさんの視線をありえない方向から感じていたため、数えだしたらキリが無いくらいの監視カメラがこの学校には設置されているのだろうと察した。監視カメラがある事実に普通はどのくらいの人が気づくのか分からないため、この事は櫛田さんに言わないようにしようと思った。
「私たちのクラスどこだろうねっ!一緒だとうれしいなあ」
「もし桔梗ちゃんと一緒だったらすごい心強いよ」
なんて会話をしながらクラス表に目を通す、、ものの、
もちろん人が多くてすぐに自分たちの名前を確認することはできない。
「やっぱり人多いね、なかなか見れないや…」
こういう時こそ私の出番かしら?こんなにたくさんの人集りも、私の必殺奥義
「お、おっふ!!おい!道を開けるんだ!天使のお通りだぞ!」
「天使様のクラス確認の邪魔になるだろうが!退け!」
なんて声があちらこちらから聞こえてくるわ、ふふっ♪やっぱり世界は私中心に回っているのねっ♪
「ぅぇ…(小声)わあ、びっくりだね心美ちゃん!新入生の人の波が一気に引いていくみたいっ!」
ふふふ、私の完璧さに驚いてるようね櫛田さん。まあ無理もないわ、こんな光景なかなか見れるはずないものね。
「わぁ、なんだかわかんないけどラッキーだねっ♪」
そうして見事に私たちからクラス表までの数mは誰も1人も居らず、花道のように一直線の道を私のファン達(ファンと言っても今日が初対面だけど…)が囲っている。
「私のクラスは…Dクラスだったよっ!心美ちゃんは?」
櫛田さんはDクラスなのね、わたしは──
バタンッ!!
急に誰かが倒れたような音が背後から聞こえてきた。ビックリして振り返ると、私のファンらしき人が私のことを少しでも長く目に焼き付けたいと考えて人混みの中で右往左往しているときに、杖をついている白髪の小さい女の子にぶつかってしまったらしい。
これは不味いわ照橋心美っ…
私のせいではないにしろ、この状況になってしまったのは私の責任よ、早く彼女を助けなければ完璧美少女の名が廃ってしまう!
何が起きたんだ、と周りがガヤガヤしている中に私は彼女のところへ一目散に駆けつける。
「たいへん…!怪我はしてないですか、!」
わたしはそう言い白髪の少女の前で屈み、手を差し伸べる。
そして彼女はその手を取り、転んだ衝撃で落としたであろう帽子と杖を拾い言った。
「お手数おかけします、こちらの不自由であるのに助けてくださって、なんてお優しい方なんでしょうか」
そして私と一緒に立ち上がり、少女はわたしとはじめて目が合った。
その瞬間、
「……おっひゅっ」
私の完璧美少女聴力でなければ聴き逃してしまいそうな子鳥のさえずり程度の【おっふ、おっひゅ?】を貰った。
はいこの子もわたしの虜ねっ♪というかなんなのよ【おっひゅっ】って、聞いたことないわよ変な子ね…。
「でも、ほんとに怪我してなさそうで安心したよ、えっっと──」
「坂柳有栖、有栖と呼んでいただいてもいいんですよ?まあ、私を名前で呼んでいる方なんてなかなかいらっしゃらないのですけどね、特別ですよ」
すごい早口だよおい……
「まあ助けていただいたお礼として私のこの学校での友人第1号の座の称号は貴方にあげてもよろしいのですよ?」
圧 到 的 饒 舌
はい、という事でまだクラスを明かさないまま超序盤のタイミングでまさかのエンカウント坂柳有栖さんでした。照橋心美に堕ちてしまった坂柳有栖ですが、これが本来の原作の坂柳とのどのような違いを見せてくれるのでしょうか。そして櫛田桔梗との関係はどうなるのでしょうか……ワクワクッ