アニメでノルンエースが注目されたらしいのでノルンエースの小説が増えてくださいお願いします。
カサマツトレセン学園を卒業して、暫くが経った頃の事だ。卒業後、あーしは東京でアパレル業界に飛び込んだ。中央で活躍したゴールドシチーさんに北原→六平さんと繋いで貰い、紹介して貰った。正直繋がるとは思っていなくて、将来に困ったあーしに北原が珍しく大人な事をしてくれた。ルディやミニーはカサマツに残っているから一人での上京となる。マーチも競技レースから一歩引いており、今は柴崎の勧めで北原の所でサブトレーナーとして後輩ウマ娘を見ている。真面目な彼女だから後進育成へ前向きなんだろう。理由までは聞いていないけど。
それでオグリだが、彼女もトゥインクルレースからは引いており、年に数回のドリームトロフィーリーグに挑戦している。トレーナーは引き続き北原が担当でベルノとマーチも補助でついているらしい。ドリームトロフィーリーグではメジロアルダンやシリウスシンボリ等と競っている。ドリームトロフィーリーグに関して、オグリは最初、否定的だったと後で聞いた。理由は有馬記念では勝った自分だが、徐々に厳しくなっていたのを本人が一番感じていたから上のリーグではどうだろうと悩んでいた様だ。打診したのはURAで期待しているのは国民、六平さんは辞めても良いと言った。ベルノは反対派、マーチはどちらかと言えば賛成派。トレーナーの北原は半々だったとか。オグリの走りを見てきて、挫折も見て、復活も見た。担当としての気持ちと個人の気持ちに揺れていたと依然聞いた。まあ、オグリが北原を見てその揺れ動きを感じ取ったのか、1年とりあえず走る事を決めた様だ。それを聞いた面々はオグリの意思を尊重すると、自分の意見を飲み込んで微笑みあったそうだ。あーし等カサマツ組にも諸々が終わった後に柴崎→川村経由でそれが伝えられた。正直に言えば期待はしていたので嬉しかった。ただ、有馬記念前までのオグリを聞いていたし応援に行ったから辛いのではと言う不安もあった。だが、その不安もオグリ達は飲み込んだと聞いたので、ルディとミニーとで応援グッズを作り贈るに留めた。
そんなオグリの活躍を横耳にあーしもバキバキと仕事に勤しむ。ゴールドシチーさんの紹介で行った所はウマ娘がトップの新規の会社だった。中央で活躍したノースフライトが独立後に立ち上げた会社で、あーしはそこの創業メンバーに加えて貰ったのだ。ちょっと恐れ多い。ノースフライトさんは優しいしバリバリに仕事の出来る人で、あーしも沢山教えて貰っている。ただ、紹介とは言っても所謂ペーペーであるあーしを良く雇ってくれたと思う。ノースフライトさんに一度聞くも、可愛らしく綺麗だったと褒められただけで理由にはなって無いと思う。それを問い詰めても躱されて聞くことが出来てない。ゴールドシチーさんにも聞いてみたが、ケーキで誤魔化されてしまった。何でかエラズリープライドさんが一緒で、ケーキを突くも味がしなかった。オグリも走ったあのハイペースなジャパンカップの後からも仕事を度々一緒にしているのは知っていた。ただ、今回もそうだとは聞いて無い!ゴールドシチーさんを睨むも素知らぬ顔でケーキを突いている。その姿が絵になるのは流石のモデルで女優でグッドルッキングウマ娘だ。エラズリープライドさんも綺麗でニュージーランドから日本に通ってモデルなどをしている。2人を前にあーし絶対浮いてるよ。オーラが違うって!そんな心臓に悪いティータイムが終わった後、オグリ達の元で癒された。
上京して近くなったからちょくちょく集まる様になった。オグリにベルノ、偶にマーチも参加してカラオケ、ショッピング、喫茶店等でゆっくりとする事もある。オグリとマーチの私服は半分以上があーしが選んだ物だと言うことが嬉しい様な何というような、不思議な感じだった。仕事を始めてからオグリの私服での宣材写真等の時に呼び出しを受けてコーディネートする事もある。その時は仕事扱いにして貰っているのでまあじゃなくても行くけれど、お得意様みたいにも感じるかもしれない。今日はこの後一度会社に戻って報告と事務仕事を少ししてから、オグリ達と遊びに行く予定だ。
「ノルンエース、ただいま戻りました!」
「お疲れ様です、市場調査を頼んでしまってごめんなさい」
「いえ、あー、私もほかがどんな服を売り出しているのか気になりますし、可愛い物とか見つけたので問題無いです!」
「まあ、そうでしたか。後で報告書を拝見しますね」
「えーと、頑張ります」
「以前書いて貰った報告書は読みやすかったですよ?……ノルンさん、そういえば貴方が入社してそろそろ3年程経ちますね?」
「……そうですね、その位経ちますか」
「貴方に面接の時に聞いた思い、今も変わりませんか?」
「……?はい、変わっていません!」
「よろしいです。では、この案件は貴方にお任せしますね」
ノースフライトさんは一冊の冊子、いや、企画書をあーしの前に置いた。見出しの内容はドリームトロフィーリーグ開催××年記念ドリームライブ衣装計画書。…ドリームライブの衣装をデザインすると言う事だろうか……。
「その企画はまあ、見て分かるかもしれませんが、URAからの企画です。今回の企画は複数社、どころか個人のデザイナーにも声をかけているそうなの。この会社はどちらかと言うとデザイナーさんにデザインはお任せする形ですが、今回のURAの意図としては沢山のファンから着て欲しい服を募りたいそうです。ならば、オグリちゃんのファンである貴方も対象ですね?だから、その企画書は貴方に預けようと思いました!会社名義で提出はするけれど、過度な緊張はしないで、貴方がオグリちゃんに着て欲しい服を考えてみて下さい」
「────」
「…フフ、頑張ってくださいね」
『……ゴールドシチーさんから、概ね聞いています。が、弊社として、私個人として、貴方の思いを見たいと思うので、貴方の夢や思いを語って下さい』
『夢や思い、ですか』
『はい、事務能力等は入社してからでも何とでもなりますが、この業界でやっていくのは大変です。志や思い又はやりたい事、それらが無いと厳しいと思っています。ですから、貴方の気持ちを見たいと思います』
『…………私は友達に似合っていると服を選んであげる事が多かったんです。ですが、こうも思っています。既存の服でも彼女達を着飾れます。けれど、もっと彼女達に合う服があればさらに輝くと。だから、私がデザインや企画した服を着て世界に、とまで行かなくてもさらなる魅力が伝われば良いなと思っています』
『…それは貴方で無ければなりませんか?』
『いえ、友達は今でも十分魅力的です。ですので、私じゃなくても良い……いえ、私が彼女達の魅力を引き出したいと言うわがままです』
『そうですか、意地悪な質問でしたが答えて下さってありがとうございます。では、面接はこれでおしまいです。来週からもよろしくお願いしますね、ノルンさん』
『───あ、はい』
ノースフライトさんから受け取った企画書をデスクに置き、あーしは報告書を書き進める。デザイナーとしてのあーしはまだまだひよっこであり、先人達のデザインを見て、意味や配慮、吸収できる物を吸収していく事を重きに置いた外回りが今のあーしの一番大事なお仕事。チラリと先の企画書に目を向ける。そんなあーしにデザインの仕事、それもオグリも関係する仕事、気合が入らない訳が無く、落ち着かないかもしれない。…あ、これから会うことだし意見貰おうか?いや、企画を説明する訳にはいけないか。さり気なくなら問題ない、か?…報告書進めよう。
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程なくして報告書を書き上げた。ノースフライトさんに確認をして貰い、OKを貰った。荷物をまとめてノースフライトさんに挨拶して会社を飛び出した。企画もあるけど、何より彼女達と会えるのが嬉しいのだ。
「──んぐ、ノルン、来たか」
「あ、オグリそのチュロスは何本目だ!」
「オグリちゃんこれから食べ放題だよ?だいじょう…ぶ、かも知れない?」
「オグリ、マーチ、ベルノ、お待たせ。ごめん、仕事で遅くなちゃって」
「…ん、問題ない」
「ああ、お疲れ様ノルン、私達も此処に着いて少しだから大丈夫だ」
「うん、お疲れ様。オグリちゃんが先に食べちゃったけど大丈夫!」
「あー、うん、オグリらしいから大丈夫ね」
「ノルンも集まったんだ、そろそろ行こう」
「貴様がチュロスを食べていたから微妙な雰囲気になっていると言うのに…」
「ははは…、そんな予感はしてたよ」
「同意かな、予約はベルノだっけ?」
「うん、事前にオグリちゃんが行く事も伝えてあるから大丈夫!」
「おお!!!」
「…目を輝かせおって…」
「諦めなって、オグリだもん」
「それはわかっているのだがな…」
「まあまあ、それじゃあ行こう!」
「フンスッ!」
「はぁ」
「おー」
その後、オグリキャップは店を食べ尽くしたのだった。