Re:Born・Build─生まれ変わりのビルド─ 作:LEIKUN0227
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倒れた二体のスマッシュの姿を見下ろし、俺は一息ついた。
創破「ふぅ……やっと終わったか……」
しかし、油断は禁物だ。
倒しただけではまだ安心はできない。
成分を回収し、人間に戻す必要がある。
俺はビルドフォンからエンプティボトルを二本取り出した。
ボトルの上部の蓋を回すと、
一本はミラージュスマッシュに、
もう一本はスクエアスマッシュに向けると、
成分の吸収が始まった。
音もなく、2体のスマッシュから成分の粒子を吸収していき、
ボトルが静かに成分を吸い取っていく。
やがて、二体のスマッシュは人間の姿に戻った。
どちらも意識はないが呼吸はしている。
創破「良かった…ハザードレベルが2.0以上だったか……」
ハザードレベルが2.0以上であれば、
スマッシュ化しても成分を抜き取れば元に戻ることができる。
俺は安堵して変身を解くことなく
その場を去ろうと歩き出そうとした。
その瞬間、閃光とともに光弾が飛来し、
俺の胸部を真正面から撃ち抜かれた。
創破「ぐっ…かはっ─!?」
思わず咳き込むと同時に身体が宙に浮き、
手にしていた忍者とコミックのスマッシュボトルが指から零れ落ちた。
更に腰のボトルホルダーに装填していた消防車とハリネズミのフルボトルも胴体への着弾時の衝撃によって、
ボトルホルダーから抜け落ちて床へ落ちたのが見えた。
数メートル位吹き飛ばされ、
体育館の床に背中から叩きつけられた俺は、
呻きながらもすぐに上体を起こし、
光弾が飛んできた方向を睨みつけた。
そこにいたのは──
ガラスのひび割れた体育館の上層から、
黒いコウモリのような装甲に身を包んだ
ナイトローグだ。
この時の俺は知る由が無かったから分からなかったが、
奴は2名の生徒をスマッシュ化騒動の最中、
跳躍して入ってきた所へ移動し、
俺が駆け付けて戦って倒す所までの全てを見届けていたらしい。
創破「お前……!」
ナイトローグは静かにその場から飛び降り、
床に転がったボトルへと迷いなく歩み寄る。
そして俺が落とした忍者とコミックのスマッシュボトル、
更には消防車とハリネズミのフルボトルを手に取り、
確認するようにそれぞれを見やった。
ナイトローグは左手に握りしめた四本のボトルを一瞥し、
その視線をゆっくりと俺へ向けた。
その無言が、挑発よりも何倍も重く感じた。
次の瞬間、トランスチームガンから光弾が放たれた。
俺を射抜かんと放たれた光弾が空気を裂く音を立て、
一直線に飛んできたのを見て、
ギリギリで身を捻り回避する。
創破「チッ……!」
肩をかすめた熱がスーツ越しでも伝わる。
変身は解けていないが、
さっきの直撃の余波がまだ残ってるから動きにくい。
このまま真正面からやり合えば不利だ。
俺はビルドフォンをタッチ操作して
瞬時に最適なボトルを2本取り出す。
取り出したのは、
タカフルボトルとドライヤーフルボトルの2本。
この状況を突破するには、
機動力と制圧力を両立したこのトライアルが最適だろう。
『タカ!×ドライヤー』
レバーを数回回しつつ、
トランスチームガンから放たれる光弾を躱す。
『Are You Ready?』
創破「はぁ…ビルドアップ!」
タカドライヤーのトライアルへ変身が完了するや否や、
ナイトローグの攻撃を風圧で打ち払う。
タカの視覚センサーが敵の細かな動きを捉え、
ドライヤー由来のエアブーストで体育館の天井ギリギリまで飛翔すると、そこから急降下し、ナイトローグに向けて回し蹴りを放つ。
創破「ボトルを返してもらうぞ……!」
だが、ナイトローグも簡単には崩れない。
片手での攻撃ながらも、
無駄のない回避動作でこちらの蹴りを受け流し、
間髪入れず反撃を試みてくる。
床を滑りながら体勢を立て直した俺は、
今度は風圧でボトルの奪取を狙うべく、
風を集中させて撃ち込んだ。
タカとドライヤーの成分が織り成す突風が、
一直線にナイトローグへと叩きつけられる。
その衝撃で、奴の身体がわずかに揺らぎ、
左手から握っていたボトルの一つがこぼれ落ちた。
ガラリ、と乾いた音を立てて床を転がったのは未浄化のコミックのスマッシュボトル。
創破「もらった!」
俺はすぐさま滑り込むように接近し、
地面からそのボトルを掴み取る。
その刹那だった。
ナイトローグが鋭く踏み込み、
真横から拳を叩き込んできた。
創破「……っ!」
強烈な一撃が側頭部を打ち抜き、俺の視界がぶれる。
身体が吹き飛ぶように後方へ弾き飛ばされ、
床を滑りながら転がった。
衝撃の中、腰に巻いたビルドドライバーが揺れ──
《カラン》、と乾いた音が鳴った。
その音の方向はナイトローグ、
だが、さっきと違い、
ナイトローグの手には先程までベルトに装填していたはずのタカフルボトルが握られていた。
創破「……やったな……!」
くそっ、殴った勢いでボトルを奪いやがった。
ナイトローグはその場から動かず、冷たい無言のまま、
手にしたタカボトルを一瞥した後、此方に目を向ける。
その動きには一切の無駄も揺らぎも無い。
確かに訓練されたプロの戦闘員のそれだ。
だが、だからと言って引くつもりはない。
まだ使えるボトルはある。
創破「……なら、次はこっちで行く!」
即座にビルドフォンを操作し、別のトライアルを選び出す。
俺が選んだのは──
所持しているフルボトル
ラビットフルボトル×タンクフルボトル
ゴリラフルボトル×ダイヤモンドフルボトル
ドラゴンフルボトル×ロックフルボトル
パンダフルボトル、ライオンフルボトル、
ライトフルボトル、ウォッチフルボトル、
ドライヤーフルボトル、ドクターフルボトル
所持しているオリジナルフルボトル
クワガタフルボトル、ハサミフルボトル
クロコダイルフルボトル、風船フルボトル、鏡フルボトル
ウイルスフルボトル、教科書フルボトル
所持しているスマッシュボトル(new)
スマッシュボトル(コミック)
所持しているドライバー等
ビルドドライバー、スクラッシュドライバー
ネビュラスチームガン、トランスチームガン、スチームブレード
クローズドラゴン、シングルクロコダイラー