Re:Born・Build─生まれ変わりのビルド─   作:LEIKUN0227

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第19話 火消しに追われる校長

 

 

 

─────

 

校門の前には報道各社のカメラとマイク、

肩にPRESSと書かれた腕章を巻いた記者たちが連日詰めかけていた。

 

2度目の一時閉鎖の措置が取られた為、

現在校舎には生徒の姿はない。

 

教師たちは、仮設の応接室で警察や教育委員会の関係者に頭を下げながら、

事件当日の詳細な経緯について何度も説明を繰り返していた。

 

体育館の天井に空いた大穴、教室の壁をえぐった斬撃跡、

焦げた床。被害の状況をまとめた写真がファイルごと手渡されていくたびに、溜息が室内にこだました。

 

その中で記者たちが報じる言葉は、

以下の内容で収束していた。

 

仮面ライダーの衣装を着た不審者と、

スマッシュと名乗る衣装の集団による犯行。

 

生徒らが精神的ショックを受けた影響か、

犯不審者同士が戦っていたという証言もあるが、

信憑性は不明。

 

不審者による事件は前回に続いて二度目、

なぜこの学校ばかりが狙われるのか。

 

誰もが口を揃えていた。"不審者"だと。

 

だが、警察の内情は違った。

 

仮面ライダー――少なくとも、あの事件当日、

現場に居合わせた者達は"本物"であることをすでに把握している。

 

だがそれを今、表に出すわけにはいかない。

 

不審者の正体すら不明で、社会への影響も計り知れない中、

軽々に「仮面ライダーが実在する」などと発表すれば、

パニックを助長するだけだと判断したからである。

 

にも関わらず、

"仮面ライダーの衣装を着た不審者"という表現が、

なぜか事件当日の直後から各社に共有されていた。

 

その情報源が何処なのか…情報源は事件後すぐに臨時で就任した現校長からであった。

 

前任の校長が前回の騒動で命を落とし、

混乱が続く中での急な就任。

 

まだ周囲との関係も浅いはずの彼が、

事件直後、記者会見に応じる形で最初に口にしたのが、

"仮面ライダーの衣装を着た不審者"という言葉だった。

 

その発言は瞬く間に各メディアへと広がり、

仮面ライダーやスマッシュの存在は、

世間の中で「コスプレ犯」「愉快犯」「模倣犯」といった枠に押し込められていった。

 

校長「子どもたちに不要な恐怖や混乱を与えないように、あくまで冷静に、現実的な枠で語るべきです。」

 

校長はそう説明し、記者たちにも警察にも、

過激な報道を控えるよう求めていた。

 

記者たちにも警察にも、

過激な報道を控えるよう丁寧に、

しかし毅然とした態度で求めていた。

 

校長「子どもたちは今、不安の渦中にいます。」

 

校長「中には友人を失った子も居るでしょう。」

 

校長「そんな彼ら彼女らにとって、何が一番大事かを、どうか皆さんも考えてください。」

 

そう語る校長の口調は力強く、

どこか親のような眼差しさえ浮かんでいたと記者は語る。

 

突然の前任校長の不幸、予期せぬ混乱の中で就任した彼が、

今はこの場を引き受けて前に立ち、生徒たちを守ろうとしている。

 

校長「根拠のない恐怖や、混乱を煽るような情報に惑わされてはいけません。今、必要なのは冷静な事実の積み重ねと、子どもたちに安心を与える姿勢です。」

 

そう言って彼は、

記者たちからの厳しい質問に逃げも隠れもせず、誠実に、

教育者として真正面から受け答えしていた。

 

報道陣の中には彼の振る舞いに感心する者もいた。

警察関係者からも「信頼できそうな人物だ」との声が出始めている。

 

 

 

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