とりあえず魔道具『レコード』を大量に作ってバラまく。
これはママの故郷のとは違って、手のひら大の円盤で魔力を流すと音が流れるやつだ。
なんか……音を吸収する鉱物とかいろんな素材の魔法による加工でできたんだって……
「いやー、私も本来の意味でデビューかー。感慨深いなあ」
とりあえずシングルを今まで発表したやつ全部はもう出した。
『魔族を殺す歌・九分殺し版』に『紺碧』『赤の断片』『黄金体験』にセレナと対バンした2曲と『子守歌』な。
めっちゃ売れてるらしいよ。っていうか通貨発行と官吏採用もやったよ……
公務第一号は目安箱とお触れを出すための公営掲示板設置だったね。
「千円札お前の顔かよミスラ……」
「私の『契約』ありきの通貨だから当たり前じゃない?それに単位はエンじゃなくて『ミスラ』よ。もちろんお姉さまの顔は一万ミスラ紙幣に書いたから何の問題もないでしょ?」
「そういう問題って思う所は魔族の感性だよな」
タバコひと箱500ミスラで、パン一枚が30ミスラくらいかなあ。
ちなみに魔力兌換紙幣だったりする。っていうかミスラの『契約書』なんだよね。
『これを国営ミスラ銀行に渡した場合このくらい魔力をもらえます』って権利書が札。
あるいは『私からあなたにこのくらい魔力を渡します』とかいう小切手もある。
「いや~自分の顔がお札ってすげえ変な感じするわ」
「え~?偉くなったことを実感できて最高じゃない」
ぞ、俗物~!まあこいつから俗っぽさ取ったら可愛げもなくなるから俗物でいいや。
お札と魔力の兌換はいつでもできるけど、賢いやつはもう貯め始めてるからな……
いいんすかこれ……
「おめー、魔力が一時的に減るけどいいの?お前魔力ルッキズムの化身じゃん」
「垂れ流すしかない余った魔力の分だけしか通貨発行してないから大丈夫よ」
「金はなあ……債務超過とかこええよ……」
「えっ、なにそれ」
なんで金貸ししてて知らねえんだ。でも、今説明したらめんどくさそうだな……
イシュトアン様にそれとなく伝えてだな。
ミスラにはある程度の最低魔力量保障をさせとこう……
「いやよく知らないんだよ私も。けど、お金とか経済って変な動きするからさあ……人類圏ならたぶん経済学の本とかあるんだろうけどね」
「お姉さま、人間社会と国交を樹立しましょう」
マジ顔でいうなよ……いやまあ外交はいずれやらなきゃいけないんだけど。
「念のため、魔力を貯めておける『タリスマン』ってやつ要るね。スゲー大型の」
「それはどこにあるの!?」
「それも人類圏。えーとね、北部人類圏の西海岸あたりになんか先住民がいてさあ……」
「すぐ行きましょうすぐ!」
目がガチのマジじゃん……とりあえずここを離れられる状況を作らないとな~
あと足りないのは……軍備だな。
「おめー、いま私がここ離れたらヤバ女が攻めてくるじゃん。軍備ちゃんとしとかないと帰る国もおめーの税金支払ってくれる国民もいなくなるぞ」
「軍備って言われてもねえ……」
「ってわけで兵器とか魔法とか開発しよっか」
「それは楽しそうね!」
ミスラが目を輝かせる。
魔族は全員、本能的に魔法オタクだからな……
とりあえず今すぐ人類圏に行くというのはもう忘れてるな。ヨシ!