ブルアカ転生したけど、入学した学校の生徒がわたし独りなんだけど… 作:プードル・ヌードル
「ふぅ、これぐらいで良いかな」
半ば廃墟と言える校舎の中庭、空から日の光を受けながら錆びた鎌でせっせと草むしりをする少女が1人。
「にしても、この学校独りで管理するには広すぎるよ、まだ半分も終わってないし…まぁ、今日はこれぐらいでいいかな」
わたしは草むしりを途中で切り上げ、先日直したシャワー室で汗を流してから生徒会室へと向かう。
まだ穴だらけの廊下を歩き、扉を開ける。軋む床、カビ臭い絨毯に少し古い机が置かれたその部屋、生徒会室にたどり着いた。
「いやぁ、疲れたぁぁ…最初入学してきた時はどうなるかと思ったけど、やってみると独りでもどうにかなるもんだね」
わたしは椅子に腰掛け、机の上に置かれた1つの本を手に取る。
「まぁ、どうにかなってるのはこれのお陰なんだろうけどね、先代にはほんと感謝だよ」
わたしが今持っている本、これは先代生徒会長が遺してくれた学校の管理マニュアルである。備品の場所に学校の壊れている場所とその修繕方法までかなりしっかりと書かれている。
まぁ、間違いなく助かっているし優秀なマニュアルなんだけど…不要な想定が多すぎるせいでページ数がバカみたいなことになってるのだけがなぁ、例えばこの『校舎に大量のカエルとパスタが同時に空から降ってきたときの対処法』ってどんな状況なの?この説明だけで3ページぐらいあるけど…
そんなふうに暇潰しも兼ねてマニュアルを読み込んでいると、ふと、『学園防御機構の起動方法について』というページが目に飛び込む。
「…学園防御機構?なんだろうこれ、ページ数も結構あるし…」
その時だった。
ピ、ピ、ピ、…
「うん?何の音?」
聞こえてきた聞き覚えのない電子音に一度本を置き、生徒会室から出て音の鳴る方を探す。
ピ、ピ、ピ、…
「これは、北校舎の方?」
北校舎というのはこの学校の校舎の5つある校舎の1つ、校舎の中でも最も小さく、損傷も少なかったので少し修復してわたしが寮にしている校舎だ。
ピ、ピ、ピ、ピ、…
小走りで昇降口に着き、靴を履いて北校舎へ向かう。
「…あ、見えてきた。あれ、なんかまわりに人が…」
その時、天に響くほどの爆発音が響き、遅れて高熱の風が頬を通り過ぎる。
「なに!?ば、爆発!?あ!校舎がぁ!?」
突如起こった爆発に校舎が火に包まれる。
「…よし!これで破壊完了!これでもうこの校舎に敵いないだろ、おい野郎ども、今日からここは私たちの本拠地だ!」
燃え盛る校舎の前で上がる大声にわたしは視線を向ける。10人ぐらいいるヘルメットを被った集団…
「いや、こんな簡単に落とせる学校があるとはなぁ…うん?お前誰だ?」
わたしの視線に気づいたのだろう。大声を上げていたリーダー格の女がこちらに気付く。
「あー、ここの学校の生徒か、まだいたんだな。まぁ、いいや。ここは今日から私たちピカピカヘルメット団の本拠地なんだ、ほら、痛い思いしたくなかったらチビは早く出ていけ」
わたしは舐めていたのだろう。美少女GTAとも呼ばれるブルアカの世界の治安悪さを、まさかこんな田舎までこんなのがくるとは思っていなかった。
だけどこの世界のおいてはどこかの学園の生徒でなければ職にもつけず、かなり苦しい生活を余儀なくされる以上、ここで学園を潰されるわけにはいかない。
それに修理に一週間かかった北校舎が壊されたのだ!わたしの自室も!そこまでされたのだから勝てるかわからないが挑む他ないだろう。タダで帰れると思うなよ!もし勝てたら絶対に奴らに校舎の修理を手伝わせてやる!
わたしは
ーーー
「団長、本当にこんな学校あるんですねほぼ廃墟じゃないですか、てか本当に学校なんですか?」
「どうだかな、まぁ、そんなことをどうでも良いだろ、制圧して拠点にするのは代わりないしな」
この廃墟のような学園を我が物顔で歩く集団はピカピカヘルメット団、生徒数が極端に少ないと聞いた弱小校であるここを制圧して新たな拠点にしようと来たヘルメット団*1である。
「いやーこりゃ酷い有り様ですね、あそこの校舎なんてほぼ瓦礫じゃないですか、あっ!あの校舎、教室に光が灯ってます!」
「おー、ほんとじゃねえか、使われてなさそうな他の校舎と違って壁に穴は空いてたりしないし、今のこの学校の生徒達はあの校舎だけ使ってるのかもな、よし、ほんじゃ
「へい!ブラックマーケットで買ったやつっすね!」
そう言った下っ端が自分の背負うリュックから1つの大きな箱を取り出す。
「じゃあその辺に仕掛けておけ、これでこの校舎ごと吹き飛ばせ、そうすりゃこの学校の生徒を戦闘不能に出来るだろ、そうすりゃ私らは無駄な戦闘をせずに楽にここが手に入るな」
ピ、ピ、ピ…
爆弾が正しく起動する。
ピ、ピ、ピ…
「よし、ほんじゃ少し離れろ!もし校舎から出てくるやつがいたら撃て!」
ピ、ピ、ピ、ピ…
天に響く爆発音が鳴り響く。
それは、私たちピカピカヘルメット団にとって、勝利の凱歌となるはずだった。
「…よし!これで破壊完了!これでもうこの校舎に敵いないだろ、おい野郎ども、今日からここは私たちの本拠地だ!いや、こんな簡単に落とせる学校があるとはなぁ」
団長の宣言に団員たちから歓声が上がる!
だがそんな歓喜の気持ちに水を刺すように1人の少女の視線が自らに注がれている事に気づく。
「うん?お前誰だ?」
他の校舎から来たのだろう、突如現れた銀髪の幼女に視線を注ぐ。
「あー、ここの学校の生徒か、まだいたんだな。まぁ、いいや。ここは今日から私たちピカピカヘルメット団の本拠地なんだ、ほら、痛い思いしたくなかったらチビは早く出ていけ」
学校を簡単に制圧できて上気分だったこともあり、見るからに戦闘力は無さそうなこのチビを逃してやろうと思いそんなふうに声をかけた、その時だった。
「…(なんなんだこの感覚、なにか、いやな不快感…)」
目の前のチビが俯いたかとかと思うと、恐怖感、不快感、そんなものが混ざりあったようなものを感じた。
「おい!チビ!早く出ていけ!!」
感覚を誤魔化すように大きな声を上げる。
だがチビは寸とも動かない。
この感覚に耐えかれなくなった私は、団員へ攻撃命令を下す。
「おい、野郎ども!あそこにいるチビを撃て!」
私の命令に従い、数人の銃から打ち出された弾は、その軌道の先にいるチビを撃ち抜き、戦闘不能とするはずだった。
「は?」
数十発の銃弾を軽やかに避けたと思うと、一番前に立っていた団員へ接近、0距離から胸元へ銃を放つ。
「はぇ?ぐぁっ!?」
その後も1人、2人と急接近からの0距離発砲で倒れていく。
そして、気がつけば銃口が私の胸元近くまで迫る。
必死の抵抗で手に持つAKを頭に放とうとするが、それよりも前に鈍い痛みが胸から体へ走る。
「くっ!…」
衝撃で近くの茂みまで飛ばされるが、なんとか意識を保つ。
急いで立ちあがろうとするがその前に頭に銃口が突きつけられる。
周りを見渡すと仲間は皆気絶してしまったようだ。
「あー、虫が良いのは解ってるんだが、逃がしてくれないか?」
私がそう言ってもチビは顔色1つ変えない。
「…(これは、終わったな、こいつの目を見てよく解った。こいつは私らを殺すのに抵抗がない)」
命乞いは無駄だと悟り、死の訪れるその瞬間を静かに待っている時だった。
「…なら、手伝って」
鈴の鳴るようながらも冷たい声で静かにこちらへ話しかける。
「て、手伝うって、いったい何を?」
私がそう問うとゆっくりと指を破壊された校舎へとむける。
「修理。終わったら
思ってもいなかった申し出に当然、私は協力した。途中からは気絶から戻ってきた他の団員達も動員して三日三晩かけて校舎を修復した私たちは、疲労困憊でブラックマーケットに帰ることかで来た。
だが、今思えばこれがあの悪魔にこき使われる激務の日々の始まりになるとは。このときの私たちは欠片も思ってもいなかった…
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投稿頻度は遅いですが、ゆっくりとでも投稿していきたいです!