機動戦士Gundam GQuuuuuuX 自由の奴隷 作:スペースデブリ
ソーラ・レイ強襲
《えー、所謂「核の冬」によります「地球寒冷化」これを修復すべく計画された平和目的のソーラ・レイが、この──「イオマグヌッソ」であります。
これは、国家間の利害を超えた、まさに全人類のための事業と言えるものであり、明日の完成式典に我がサイド6も同席できることを、大変誇らしく思っております》
「以上、イオマグヌッソ式典場からのライブ中継でした。
ここで戦場ジャーナリストで、現在も活躍しているホワイトさんにお話を聞きたいと思います。ホワイトさん、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「今回、ジオン公国が周辺サイドと協力し建造したとされるソーラ・レイ「イオマグヌッソ」に関して、戦場ジャーナリストとしてのご意見をお聞かせください」
「そうですね。まず言えることは──この「イオマグヌッソ」で、本当に地球の寒冷化を阻止できるのか? という疑問です」
キャスターが少し身を乗り出した。
「と、いいますと?」
「ハッキリとしたことは言えませんが……“地球の寒冷化を防ぐためだけ”に、あれほどの巨大構造物が必要なのか? 私は、そこに大きな疑問を感じます」
「確かに、イオマグヌッソはかなり大きいですね。地上からでも肉眼で確認できるほどだと聞きます」
「ええ。それだけの規模のものが、太陽光を地球に向けて照射する……もし仮に出力の制御が狂えば、寒冷化どころか──地球そのものに深刻なダメージを与えかねない。
言い換えれば、それは“環境修復装置”であると同時に、“惑星規模の照射兵器”にもなり得るのです」
スタジオが静まり返る。
キャスターは一瞬、言葉を探しながらも話題を切り替えた。
「……な、なるほど。ちなみに、この完成式典にはジオンのキシリア様が参加されるとのことです。ギレン総帥については、まだ出席の情報は入っていません。地球連邦政府からも、式典に参加するかどうかの発表はありませんね」
ホワイトは皮肉を込めた笑みを浮かべた。
「それは当然でしょう。連邦はジオンを“敵国”として見ている。
ジオン主導の式典に姿を見せれば、それだけでジオン公国の事業を認めると受け取られかねない。──つまり、イオマグヌッソは政治的にも非常に危険な装置なんです。
表向きは“平和の象徴”。ですが、誰にとっての平和か──そこが問題なんですよ」
キャスターが息を呑み、硬い笑みを浮かべる。
「……ホワイトさん、貴重なお話ありがとうございました」
「いえ。どうか、あの光が人類にとっての“希望”であってほしいですね」
──
《ご覧ください! あれが“イオマグヌッソ”です! 大きいですね!
地表からも肉眼で確認できるほどの規模です!
これほどの大規模な事業は、宇宙世紀85年の歴史の中でも、“首相官邸ラプラス”と並ぶ特筆すべき出来事であり──》
《連邦政府からの出席は予定されておらず、“平和目的”であるというジオン側の主張にも影を落としそうな事態です。次のニュースです──》
レーダーモニターの光点が大量に映り、セファの顔を照らす中、驚いたように声を上げる。
「式典は明日なのに……もうこんなにマスコミが集まってるんですね……」
彼女の背後では、オシロが双眼鏡を覗き込みながら手早く数を確認していた。
「……Mark.4、6……9…国家親衛隊のビグ・ザムが4機。最近配備されたばかりの“13号機”も見えますね」
「ふむ……ギレン総帥は? もう入られているのか?」
艦長ラシットの問いに、通信官のベノワがマイクを押さえながら答える。
「グワランでいらしたのなら……おそらく、すでに式典会場に入られているかと」
オシロは眉をひそめ、レーダーの反応を見ながら小さく呟く。
「こんなにビグ・ザムを集めて……情報封鎖、徹底してますね。これ」
ラシットは椅子にもたれ、深いため息をついた。
「はぁ……臆病すぎる。兵の前でこれでは示しがつかん」
艦橋に一瞬の沈黙が落ちる。
その沈黙の中、レーダーに小さく新たな点が浮かび上がった。
「あ……キケロガ、ジークアクス帰投します」
セファの声が艦橋に響き渡る。だが、その報告を聞いたオシロは苦笑を浮かべた。
「こんなギリギリまで訓練なんて……」
ラシットは頬杖をつきながら、無機質なモニターを睨んでいる。
「ふん。殊勝なことだな。──だが、そうは言っても“国際手配中のお尋ね者”だ」
その言葉にセファは小さく眉を寄せる。
彼女はアマテと艦内で何度か食事を共にしていた。
無鉄砲で、思い込みが強いが、根は真っ直ぐな少女。
それが、どうして国際指名手配の対象になるのか──セファには理解できなかった。
「でも、マチュは……フブキさんに脅されてってことになってるんじゃないですか?」
「さあな……」
ラシットは軽く息を吐き、椅子に深く背を預けた。
「ま、中佐には何か考えがあるんだろ」
《ドッキング完了。全システム安定》
整備士たちの声が交錯する中、無線が開いた。
《お疲れ様でした。シャリア・ブル中佐。いよいよ明日ですね》
暗いコックピットの中で、シャリアは静かにヘルメットを脱ぐ。
照明が落とされた操縦席には、わずかな計器の光だけが残り、
その瞳に映るのは、明日を見据えた冷たい決意だった。
「ええ……。ギレン総帥とキシリア様が同席される、この時を待っていました。──この件は私から彼女に伝えます。キケロガの整備を任せます、シムス大尉」
《はい。お任せください》
通信が切れ、静寂が戻る。
シャリアはゆっくりと目を閉じ、
低く、自分自身に言い聞かせるように呟いた。
「……あの光が、再び人を焼かぬように──」
──
「もぉ……! マチュ! ちゃんと支給されたパイロットスーツを着なさい! ヘルメットもなしで……あの黒いやつはどうしたのよ!」
「よっ……と。こっちの方が着慣れてるからさ。それにフブさんからの反応もいいし」
アマテは、クランバトルに参加していた時のパイロットスーツを身に纏い、頭にはいつもハロに被せていたニット帽をかぶっていた。
ある意味、これが彼女の“戦う時の素の姿”なのだろう。
「もう……! 中佐からもちゃんと指導してください!」
コモリは半ば呆れ声交じりに無線へ報告を送る。
すると通信の向こうから、のほほんとしたシャリアの声が返ってきた。
顔は見えずとも、“やれやれ”という表情が容易に想像できる。
《まあまあ、コモリ少尉。彼女は軍人ではないから》
「むぅ……」
(そんな子供に最新モビルスーツを任せるなんて……。いくらジークアクスがマチュにしか動かせないとしても、他に方法はいくらでもあるでしょ……)
コモリの内心のぼやきをよそに、アマテは笑顔で軽口を飛ばす。
「はぁ〜あ。コモりん真面目すぎ。ヒゲマンはそんなこと気にしないよ?」
「シナイシナイ!」と、ハロまで調子を合わせる。
「もうっ! マチュ! 中佐のこと“ヒゲマン”って呼ぶのはやめなさいって! 一応この艦のトップなのよ!? はぁ……まったく……」
コモリは呆れたように肩を落とすが、どこか微笑ましさも混じっている。
「とりあえず、営倉に戻るわよ?」
「は〜い」
アマテはコモリとともに営倉に戻る。
扉が閉まると、薄い照明が静かに灯り、無機質な壁に彼女の影が伸びた。
ベッドの上には、きちんと畳まれた服が置かれている。
「あ、コモりん、着替えいつもありがと」
「……し、仕事だから」
コモリは少し頬を赤くしながらも、視線を逸らす。
「でもさ、私の服で良かったの? ほら、セファの方がゆったりしてるじゃない? その……」
「ん〜ん?」
アマテはニット帽を軽く整えながら微笑む。
「私、コモりんの匂い好きだし。息ができないほど苦しいわけじゃないし」
「くっ……!」
コモリの心臓が跳ねた。
(く、黒いガンダムのパイロットが惚れるのも……わかる気がする……!)
「じ、じゃあね!」
耳まで赤くなったコモリは、慌ててドアを閉めて出て行く。
──カシャン──カチリ。
静かな音が部屋に響く。
アマテはベッドの端に腰を下ろし、ハロを抱き上げる。
壁のパネルライトが微かに揺れ、彼女の瞳に淡い光を映した。
「……シャロンの薔薇。中には、ララァとよく似た人が眠ってる……か」
──
『モビルスーツのパイロットは第2種戦闘配置のまま待機! 繰り返す、モビルスーツのパイロットは──』
艦内放送が鋭く響き渡る。ブリッジも整備区画も、すでに緊張の渦中にあった。
『ジフレド、リアクター起動。出力安定、エネルギー循環開始』
『ビームライフル接続、異常なし。ビームライフル・ビット共に充填完了。稼働時間、問題なし』
『Iフィールド、問題なし』
各整備員の報告が立て続けに飛ぶ。
多数のギャンの中に紫色の一際目立つジフレド。格納庫には作業員が忙しなく動いている。
『コアファイター、推進剤注入完了まであと10分!』
『ギャンのシールドミサイル搭載は20分以内に終わらせろ!』
怒号にも似た声が飛び交う中、エグザベは無言でパック食を口に運んでいた。
その隣では、ニャアンがコンチと戯れながら屈んでいる。
「今日の作戦は長くなるかもしれない。……食事は摂ったか?」
「……カオマンガイ作って残りはパックしといた……お兄ちゃんってエスニック好きかな……?」
エグザベは思わず笑みを浮かべる。
「チキンライスか……美味しそうだ。僕にも食べさせてくれよ」
「手料理食べたいって……まるで、彼女みたいじゃないですか?」
「え……いや、そんな深い意味はないんだが……」
「……好きな人のためにしか作りませんよ。手料理なんか」
ニャアンは振り返らず、淡々と答えた。しかし、その横顔に一瞬だけ影が差した。
「そ、そうか……。なあ、ニャアン。初陣なのに……本当に怖くないのか?」
艦内放送が割り込む。
『5分後に第1種戦闘配置。パイロット各員は気密ヘルメット、装備確認後、速やかに機体に搭乗せよ。繰り返す、5分後に第1種戦闘配置。パイロット各員──』
警報灯が赤く点滅し、緊張が走る。
だが、ニャアンは静かに息を整え、呟いた。
「私は……ディアブロだから」
その声は低く、まるで自分自身に言い聞かせるようだった。
「ニャアン、そのペットロボットは置いて行った方がいい。余計な重量が増えるし」
「これ……私のお守りですから」
コンチのランプが小さく点滅し、「ピポピポ」と短く鳴いた。
ニャアンはそれを胸元に抱き、静かに微笑む。
お守り。そう言い残して、彼女は扉の向こうへ消えた。
閉まるハッチの音が、艦内の低い警告音と混じり合い、
エグザベの胸の奥に、妙に長く残響した
『ミノフスキー粒子、戦闘濃度で散布開始。モビルスーツ隊、発進準備!』
赤い警告灯が点滅し、艦内の空気が一気に張り詰める。
重力制御の微かな揺れの中、整備兵たちの怒号とシリンダーの駆動音が交錯する。
『発進準備了解。第3ケージ、ハッチ解放。1番から15番までの安全装置解除完了。──モビルスーツ隊、発進どうぞ!』
金属のハッチが開く音と同時に、格納庫全体が震える。
冷たい宇宙の闇が、艦の中へと息を吹き込むように流れ込んできた。
「新人が先に出る! 皆は僕に続け!」
「「「了解!」」」
エグザベの声が隊内回線に響く。
「……ニャアン、ジフレド、出撃します」
ジフレドのスラスターが青白く閃光を放ち、艦の外へと滑り出していく。
船体の影を抜ける瞬間、紫の装甲が光を受け、まるで彗星の尾のように尾を引いた。
だが、その刹那──
白いギャンが並走し、盾を軽くジフレドの胴に当てる。
「聞こえるか? ニャアン」
「はい」
「事前の作戦に沿って、まずはビグ・ザムを無力化する。グワランの陰から突入し、死角をつくぞ。──訓練通りだ。行くぞ!」
「了解」
短い言葉の交換の後、二機はスラスターを最大出力に切り替え、閃光のように宇宙を駆けた。
レーダーに映るのは、巨大な機影。特徴的で威圧的なフォルムを持つ一年戦争から今も現役の機体──ビグ・ザム。
ジフレドのコックピットの中で、ニャアンは唇を噛みしめた。
(…………嫌な匂い……)
スラスターの噴射音が、心臓の鼓動と重なる。
──
──始まったか。
ソドンの営倉で、フブキはゆっくりと顔を上げる。
扉の格子窓から照明の影が頬を撫で、彼の瞳には、まるで宇宙の星々が映り込んだような"キラキラ"とした光が揺れていた。
機種変したら書いてたデータ全部すっとんだマヌケは私です。みんなはちゃんとバックアップしてからデータ移行しようね!
もう10月中旬なのにまだ暑いってなんで?寒冷化どころか温暖化してるんですが。セカンドインパクトじゃないんだから早く残暑消えて欲しいです。