現代最強の術師・両面宿儺と史上最強の術師・五条悟による呪術廻戦   作:ソル  

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めちゃめちゃ短いのに遅れました申し訳ない…


東京都立呪術高等専門学校

「宿儺。お前は春から、高専に入学してもらう」

 

「高専? 今更俺が学ぶことなどないだろう」

 

総監部(うえ)からの通達だよ。 よほどお前の活躍が気に食わなかったらしい」

 

 特級術師として日々任務をこなす宿儺は、一級以上の案件の半分を単独でこなすほどの成果を上げている。

 そんな宿儺の活躍で、落ち切っていた五条家の影響力は徐々に高まりつつあるが、総監部の中にはそれが面白くないものもいる。

 

「名目上はまともな教育受けてないお前への配慮ってことになってるが、実際はお前を留めつつ五条家との繋がりを多少切っておきたいってとこだろう」

 

 高専に通っていれば当然任務を受けられる時間も減り、これまでのように成果を上げていくことは難しくなるだろう。

 

 御三家の人間であれば家での教育で間に合っている、と突っぱねることもできたかもしれないが、宿儺の場合はそれもできない。

 宿儺が五条家の下で活動しているのは確かだが、血縁どころかきちんとした契約を行っているわけでもないため、五条家に所属しているとまでは言い切れない。

 今の宿儺の立場は、あくまで「五条家お抱えのフリーの術師」というややこしいものなのだ。

 

「目標達成までは遠のくが、高専と関係を保っておくのも悪くない。かったるいだろうが行ってもらうぞ」

 

「……分かった」

 

 ◆

 

 

 高専への入学初日。

 といっても、正式な入学式などは少し前に終わってしまっている。

 入学は急遽決まったことであるため、宿儺は他の生徒から少し遅れ、編入という形で高専へ入ることになっていた。

 

 山中の階段を登りきると、ようやく目的地である校舎に到着した。が、

 

 「……今何時だ?」

 

 五条の本家がある京都からの移動時間も考慮して、宿儺の出席は午後からという予定になっていたわけだが、現在の時刻は15時。13時には到着している予定のため、初日から大遅刻をかましたことになる。

 

 宿儺とて、何ものんびりと動いていたわけではない。東京についた時間自体はスケジュール通りで、時間にも余裕を持てていたのだ。

 

 誤算だったのは、その日の昼食について。

 任務漬けの日々でゆっくりと外食する機会などほとんどなかったため、せっかくの機会を逃さないためにも駅の近くで食事をとろうとしたのだ。

 だが、宿儺は東京の人の多さをなめていた。平日とはいえ東京は東京。雑誌などで紹介されていた名店には順番待ちの行列ができており、目当てだった料理を食べるために二、三時間を費やしてしまった。

 

(……まあ問題はないか。所詮権力争いの一環、多少遅れたところでだれも文句は言わんだろう)

 

 もとより真面目に生徒をするつもりなどない。要はそれなりのポーズをとればいいのだ。あまり派手に動き回ればまずいかもしれないが、ちょっとしたサボりや遅刻程度ならそこまで問題はないだろうと宿儺は判断していた。

 

(しかし、動きづらいな制服とやらは)

 

 宿儺の体では普通の服を着られないため、彼の制服は袖口が着物のように大きくあけられた特注品になっている。とはいえ、これは、高専に所属していることを示すための服でしかない。

 戦闘中は基本的に上着を脱いでいるから関係なく、普段使いの着物よりも動きづらい。これから三年近くこれを着て過ごすことになるのはかなり億劫だった。

 

 ガラガラと乱暴に扉を開く。

 教室にはいると、その中にいた三人が一斉に宿儺へ視線を向ける。

 

 長髪を後ろで団子のようにまとめた少年。

 どこか気だるげな泣き黒子の少女。

 そして、教壇に立っていた坊主頭で強面の男が、青筋を立てながら宿儺に近づく。

 

 「宿儺だな? 担任の夜蛾だ。初日から2時間も遅刻した理由を聞こうか」

 

 「飯を食っていた」

 

 「……それだけか?」

 

 「ああ」

 

 次の瞬間、ゴチン!という鈍い音が教室に響く。

 何が起こったかわからずに目を白黒させる宿儺。

 あちゃーといった表情で顔を抑える少年。

 怒られてやんのーと笑っている少女。

 

 そして、宿儺の頭に拳を振り下ろした夜蛾。

 

 効いていない。効くわけがない。一級術師とはいえ、夜蛾の実力は宿儺には全く及んでいないのだから。

 それでもまともに食らったのは、そこに悪意が少しも乗せられてなかったから。怒っているのは確かだ。だが、痛めつけようとか、苦しめようとかそういう気持ちは一切こもっていない。

 教師として、生徒を叱るためだけの拳。

 

 「まったく……、まずは謝るなりしろ」

 

 「悪、かった」

 

 頭の中は困惑で埋まったままだが、謝罪の言葉が口を突いて出る。

 自分の姿や呪力に全く物怖じせず、あまつさえ真っ当に叱り付けるなど、そんな人間は今まで居なかった。

 

 だが、夜蛾からしてみれば特に大した事ではない。

 人間離れした姿をしていようが、特級術師として活動していようが、宿儺は生徒の一人でしかない。間違った行動をすれば叱る。教師として当然の事だ。

 

 「よし、簡単に自己紹介からだ。まずは宿儺」

 

 「……両面宿儺だ。五条家の下で術師として働いている」

 

 「私は夏油傑、一般家庭の出身だ。よろしく、えーと両面くん?」

 

 「……宿儺でいい」

 

 「家入硝子。よろしくねー宿儺。さっきの大丈夫だった?」

 

 「気を付けたほうがいいよ。あの先生はすぐ手が出るからね」

 

 生徒の二人も、気負うことなく朗らかに話しかけてくる。

 ……というより、見た目や雰囲気よりもさっきの事の方が興味を引いたのか、思い切り殴られた宿儺を同情と面白さが混じったような目で見ている。

 

 (……おかしな連中だな)

 

 今まで周りにいた人間とは全く違う種類の人間に囲まれた宿儺。その口元には、僅かに笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

TS要素裏梅しかないんですが必要ですかね…?

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