現代最強の術師・両面宿儺と史上最強の術師・五条悟による呪術廻戦   作:ソル  

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短めなので2話一気に投稿


激突

 目の前で繰り広げられる最強同士の激突に、伏黒は驚愕していた。

 

「なんて規模の戦いだ……!」

 

 衝撃があたりを蹂躙する。

 間違いなく歴史上でも有数の呪術戦。斬撃がグラウンドに深い傷を残し、次の瞬間その傷ごと広範囲が青い光に飲み込まれる。

 巻き込まれれば、一級術師でも即死しうるほどの破壊が周囲を埋め尽くす。

 帳を張っていなければ、学校付近の人間すべてが異変に気付くであろう規模の戦い。

 

 だが、一定以上の実力者が見れば、被害の少なさに気づくだろう。両者が全力で戦闘を行えば、学校どころかこの街そのものが消し飛んだとしても何らおかしくはない。

 この程度で済んでいるのは、片方が実力を発揮しきれていないことと、片方が周りの被害に気を使っているからだ。

 

 受肉したてで本来の力を発揮できていない史上最強と、伏黒や一般人を巻き込まないように戦っている現代最強。最強同士の対決は、それぞれの理由によって拮抗状態を維持していた。

 

 

「「ッ!」」

 

 拳をぶつけ合った反動で、お互いが後ろにはじかれる。再びグラウンドに着地した二人は、軽く言葉を交わし始めた。

 

「準備運動はこんなもんでいいかな」

 

「そうだな」

 

 余裕を崩さない態度で、今までの戦いをウォーミングアップだと吐き捨てる五条。それに返答した宿儺も、まだまだ実力を隠している。

 両者ともに、怪物。そのぶつかり合いがどこまでの被害を生むかは、本人たちすらわからない。

 

 一拍置いて、二人が再び動き出す。

 激しく動き回っていた先ほどまでとは違い、その動きはわずかなものだ。だがその危険性は、それまでのものとは比べ物にならない。

 五条が指を組む。宿儺が両手を合わせていく。承印と呼ばれるその構えは、術師にとっての切り札を使用するためのものでもある。すなわち――。

 

「「領域展開」」

 

 呪術戦の極地。自身の術式を付与した領域で世界を塗りつぶすことで、必中必殺の攻撃を実現する奥義。

 黒い球体が二人を包み、神域の戦いが再開しようとした、その直前。

 

「人、の体、で、何してんだ!」

 

「……何?」

 

 突如として五条の領域が崩壊し、あたりに黒い破片が散らばった。と同時に、彼の肉体にも異変が起こる。白い髪は黒と桃色のものへと変わり、その眼も六眼から普通の目へと戻っていく。

 相対する敵の変化に疑問の声を漏らした宿儺も、自身の領域を停止させた。

 

『あれ、もう時間切れ? もうちょっと行けると思ってたんだけどなー。ね、もっかい体貸してよ』

 

 それは、虎杖の頭の中にだけ響く音。今の今まで自身の体を乗っ取っていた、五条悟を名乗る呪いの声だった。

 

「ふざけんな二度と貸すか!」

 

 はたから見ればひとりごとのように叫び声を上げる虎杖。それを見ていた宿儺は、目の前の存在へ声を掛ける。

 

「お前、何者だ。あれを取り込んで意識を保てるとは」

 

「いや、何者って言われても……。普通の高校生だけど」

 

 それを聞き、あきれたように息を漏らす宿儺。

 ひとつひとつが異常なほどの呪いを秘めた特級呪物。その中でも頂点に立つ、五条悟の六眼。それを取り込みながら死ぬこともなく、時間こそかかったものの自我を取り戻した。それが普通の高校生?どう考えてもそんなわけがない。

 

「……まあいい。お前の処遇は後だ」

 

「え?」

 

 虎杖の視界が黒く染まる。一瞬のうちに距離を詰めた宿儺が、彼の意識を奪い去ったのだ。

 その身体を担ぎ上げながら、宿儺は億劫そうに歩き始める。

 

「まったく、面倒なことになったものだ」

 

 この先に待つ上層部への説明、それに伴う書類の作成。どう考えても一日二日では終わらない作業の山ができるだろう。

 ただでさえ足りない時間を削り取られることが確定し、現代最強の術師は大きなため息をつくのだった。




原作との相違点
・取り込んだ魂が半分なのである程度戦闘が成立

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