ゾンビが普通な世界の上位存在(人間)   作:理性外れタガー

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思い付いた設定を書いていく物置きになりつつあります。


第2善 ゾンビから産まれたヒュン太郎

 ―酒場に到着したクリスは、ガラス格子の扉を引いて中に入った。昼間という事もあって客はまばらだ。「ヒュンちゃんって居るか〜!?」そう大声を出して入店したクリスは歩いて客席にいるゾンビ達に向かい歩いていく。

 

すると、店主らしきお姉さんがカウンターから小走りで出てきて答えた。「お客さん連盟の方だべか!?今ヒュンは宿屋の手伝いしてるっぺ!ちょうど個室で話せるし、申し訳ねぇけと宿屋の方向かってけろ!!」若く美人で巨乳、ゾンビじゃなければ手合わせ願いたいと思うクリスであった。

 

「―お姉さん。その訛り、もしかして舌の回りが悪いのかい?もしよろしければスペアを無償であげますよ?」この世界のゾンビは痛覚が無く、流れてる血の量も少ない。それ故に血液型さえ合えば手軽に取り替えれるのだ。この村は狭いのでストックはあるか知らないので、クリスは適当を言っただけだが。

 

「気持ちは嬉しいんだけんど、おらは産まれてからずっとこの舌と共に生きてきたさかい、愛着があるんですたい。」主人はそう告げて断った。

 

「そうですか。では、今晩酒を頂戴します…。それでは、行ってきます(キリッ)!」凄いキメ顔でそう告げたクリス。他の野郎どものゾンビには一切目線を向けておらず、ただ酒場の主人への下衆な心しかなかった。

 

―宿屋であろう大きい建物に到着したクリスが見た物は、先ほどの火災現場を、膝を付き()()()を見開いて見ている中学生ほどの年齢に見える()()()()()()であった。

 

「あ…。あぁ…。10万ゴールドが…。恩返しが…。」と繰り返し独り言を呟いており、ピクリとも動かない()()()()が哀愁を漂わせていた。「あの〜、君がヒュンちゃん?君CRAY人(クレイじん)だよね?」空気を読まずに話しかけるクリス。話かけないと進まないから悪くない。

 

「あ…えっと…貴方は…連盟のクリスさん…ですか?」元気は無いが話をしようと頑張るヒュン。「そそ。何か重要な話らしいし、中で二人きりで話そうか!」二人は掃除の済んでいる宿屋の一室に入りドアを閉めて密室にし、落ち着きを取り戻したヒュンが口を開いて依頼を語った。

 

「遅れまして申し訳ありません。私はヒュン・アイパと申します。…()()を、捕らえて欲しいんです。」彼女は激しい怨みを抑えつつ、この村に来た経緯を告げる。「私の生まれ故郷が、ある日、獣ともゾンビともわからぬ生物によって…滅ぼされてしまったのです。―ここへは2週間前に歩いてやって来て、ありがたい事に、住まわせていただいています。」

 

「(ピクッ)獣ねぇ〜?どっかのバカが長い間噛んでゾンビになったのが暴れたか、もしくは、()()()()のゾンビかだな!」クリスは興味深そうに話を聞いて、犯人と思われる可能性のある例を挙げて行く。

 

「と、突然変異…?もしかして…。」ギュッと自分の肩を抱いて怯えるヒュン―その返答に疑問を覚えたクリスは確信を得る為ある思い切った質問をする。「ん?ヒュンちゃんは自分も突然変異のゾンビじゃないか?と思ってるのか?―もしかして、周りと比べて頑丈!!とか、食べる量が多い!!とか感じた事は!?」

 

「え!?どうしてそれを…!」図星らしく取り乱すヒュン。その理由をクリスさんが語るのを切望しているようで必死の眼差しを向けていた。「もしかして、超珍しいんだけどゾンビ同士の子供が胎内で突然変異しCRAY人として産まれる事もあるのを知らなかったのか!?」こんな常識的な事も知らない人が居た事にクリスも少し驚いている。

 

―説明すると、CRAY人とはそもそも第三次大戦前に各地で突然変異として発見された()()()である。

 

総じて我が強いという欠点以外は力が強く毒にも耐性がある他に、特殊な能力を持っているため戦争でも重宝されたのだろうが、特に遺伝子操作を受けて産まれた訳でない。見方によっては、戦争を経て人類という(しゅ)が絶滅しないよう、神様が急遽作成した避難措置とも取れる。

 

余談だが、親がCRAY人とCRAY人なら子供は絶対にCRAY人である。ちなみに、親の片方がゾンビ、片方がCRAY人の場合、子供は()()()()C()R()A()Y()()となる。ハーフはゾンビよりは強いがCRAY人の半分ほどの力しか出せない。

 

その為警備や建築などの作業は受け持っても、CRAY連盟から受けられる依頼は限られている他、CRAY人が大怪我した際に使う輸血用の血液を取る義務が課される。また、親がどちらともハーフなら子供もハーフ。親がCRAY人とハーフなら3/4のやや強いハーフ。そして、親がハーフとゾンビならウイルスへの抵抗が弱まったのか、子供はゾンビとして産まれてくる。

 

なお連盟は、貴重な遺伝子を残す為にCRAY人同士の結婚を推奨しているが、純愛ならゾンビとの結婚も許される。恋に制限は無い。()()()()()()ですが―――

 

「CRAY人…?私って突然変異のゾンビじゃなかった…!?」これまでの人生でそれを知らずに育って来た事に衝撃を受けるヒュン。そんな重要な秘密を隠され続けていたら誰だって驚くだろう。

 

「学校に行かないで、家で教わったり両親が図書館によく行くように言ってたのはこの為…!?なんで、なんでみんな隠してたんだ!?優しい人達だと思ってたのに…!?」大声を出して取り乱したヒュンの頭の中には、14年間の思い出が走馬灯の様に蘇っていた。恐らく図書館の本は検閲されておりCRAY人関連の話は上手く消されていたようだ。

 

「優しい…?ははっ!そりゃそーだ!ゾンビはCRAY人に逆らえ無いからよ。たまに反抗的なのもいるがな!!」ヒュンが常識を知っていく様子を見て、可笑しくて笑ってしまうクリス。

 

―ゾンビはウイルスによってCRAY人の言う事に従うように設定されている。またゾンビ同士で基本的には争わない。まさに「NO WAR(ノーウォー)」。人類間では平和が実現しているのだ。しかし、こんだけゾンビがいれば当然個人差があり悪意を持ったゾンビが出てくる。例えば先刻のひったくりゾンビである。危害を加えるゾンビは有無を言わさずCRAY人が処刑するので些細な事である―




長いし説明が多いので一度切ります。寝不足です。
間隔を開けたので前半と後半で口調が合ってないかもしれません。少なくとも、なんで訛り設定にしたのかは忘れました。
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