キヴォトス最硬の神秘   作:たらこ饅頭

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ルイズさん、評価9ありがとうございます!!



新たな問題

「……また随分と遠くに吹っ飛ばされたなぁ」

 

 

またビナーくんと会えたはいいが、最近ビナーくんがなんか手強くなってきた気がする。……いやまぁ前から碌にダメージを与えられていなかったのはそうだけど、頻繁に不意を付いて吹っ飛ばそうとしてきたり、明らかにフェイントを混ぜて来たりしている。

 

やっぱあいつ学習してきてるなぁ、流石静観の理解者とか言われてるだけはある。

……ここ少し自治区の端の場所だな。確かこの近くに饅頭屋があったような……

そのまま近くを散策しようとしていると、

 

 

「……おい、そこのお前」

 

 

「ん?」

 

 

「こんなところで何をしている、ここは我々カイザーの私有地だぞ。勝手に入ってくるんじゃない」

 

 

物騒な装備を着たオートマタに話しかけられた。それにしてもカイザーの私有地……だって?

 

 

「……カイザー?何だっけそれ」

 

 

「コイツ……このマークを見ろ、キヴォトスのそこら中で見かけるだろ」

 

 

「あぁ!!あの胡散臭い噂しか聞かないところか!!」

 

 

「喧嘩売ってるのか!?」

 

 

だって実際あんまり良くない噂しか聞かないんだから仕方ない。たしか借金してた所もカイザーだったし。そんなことよりも、ここはカイザーの私有地ってどういうことだ。アビドス自治区の範囲内だぞ?と思い、聞いてみることにした。

 

 

「……ここってアビドス自治区の中でしょ?アビドスの土地じゃないの?」

 

 

「そんなことも知らないのか?ここらの土地は随分前にアビドスが売却している。……上の命令は正直よく分からん、こんな寂れた土地に何の利用価値もないだろうに」

 

 

随分前にアビドスが売却している。何気ないように溢した一言だったが、それは現状からしてみれば衝撃とも言える一言だった。

……これ結構大事件だな?

 

 

「わかったなら早くどこかに行ってくれ。こちらとしても余計な仕事を増やしたくないんだ」

 

 

「……は〜い、失礼しましたー」

 

 

とにかくまずはユメパイセンに相談してみるか……あの人一応元生徒会長なわけだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいませ〜ん!!ユメパイセンいますか〜!!」

 

 

『は〜い、ちょっと待っててね〜』

 

 

ガチャ

 

「どうしたの?コウくん」

 

 

「それが一大事で、これからのアビドスに関わるレベルで重大な事を知っちゃったかも知れないんですよ!!」

 

 

「えっと……とりあえず中に入って聞かせてくれる?」

 

 

「了解です」

 

 

…当たり前かのように家の中に入ったけど、何気にユメパイセンの家に入るの初めてだわ。ぬいぐるみいっぱいあるな。

そんな事を思っていると、お茶とお菓子を持ってユメパイセンがやってきた。

 

 

「ありゃ、別にそんな用意しなくても良かったのに」

 

 

「せっかく来てくれたんだから、これぐらいはさせてよ。……今気づいたけど、コウくん私の家に初めて入ったんだよね。もう少し散らかってないタイミングが良かったな……」

 

 

「すいません、急に駆け込んじゃって……ズズッ、それで要件なんですけど……さっきまでまたあのデカいヘビと戦ってたんですよ、ビナーって言うんですけど」

 

 

「コウくんまた戦ってたの?……あまり無茶しちゃダメだよ、コウくんが丈夫なのは分かってるけど」

 

 

「まぁそれでアビドス自治区の端の方に飛ばされたんですけど、そこでここはカイザーの私有地だから帰れって言われたんですよ」

 

 

「アビドス自治区の中なのに?」

 

 

「そうなんです。しかもこの辺りの土地は、随分前にアビドスが売却してるって言い出したんですよ」

 

 

「コウくん、それ本当なの!?」

 

 

「本当です、この耳でしっかり聞きました」

 

 

「……ちょっと待っててね、調べてみる」

 

 

パソコンを取り出して何かを調べ出したユメパイセン。その顔は段々と驚愕した顔になっていった。

 

 

「ほっ、ほほっ、本当だよコウくん!!私達が使ってる校舎の近く以外の土地のほとんどの所有者が、カイザーコンストラクションって名義になってる!!」

 

 

「まじかぁ……とりあえずみんな集まって、緊急会議でも開きますか」

 

 

「うん、私モモトークでみんなに伝えておくね!!」

 

 

 


 

 

 

「それでは、アビドス定例会議を始めたいと思います!!」

 

 

「前置きは良いですから、早く事情を説明してください」

 

 

「そうよ、ユメ先輩!!アビドスの土地がほとんど売られてるって、本当なの!?」

 

 

机に座ってすぐ、ケイとセリカがユメパイセンに問い詰め始める。まぁ無理もない、俺も土地のほとんどが実は売っちゃってましたとか信じたくない。

 

 

「うん……ほら、この紙を見たら分かると思うんだけど」

 

 

「これは……地籍図ですか?」

 

 

「よく分かったなアヤネ、流石はこの中じゃ多分一番賢いだけはある」

 

 

「地籍図?なによそれ?」

 

 

「簡単に言うと、土地の所有者が分かる書類です。それで、今の土地の所有者は……」

 

 

「カイザーコンストラクション……カイザーコーポレーションの系列ですか!?」

 

 

「……またカイザー?借金してた所もカイザーローンだったし、どうなってるのよ?」

 

 

するとシロコが何かに気づいたようで、地籍図の一角を指差す。

 

 

「……!!ここ、柴関ラーメンだよね?」

 

 

「へぇ……本当だね。大将さんはこの事を知ってて営業してるのかな……」

 

 

「だとしたら凄いですね。肝が据わっています」

 

 

「……うん、とりあえず今後の方針は固まったかな」

 

 

「ホシノ、というと?」

 

 

「これだけ土地がない状態はまずいからね。借金じゃないから期限は無いけど、少しずつ土地を買い戻しつつ事業を起こせるようにする。運営に関しては、ユメ先輩にお願いしようかな」

 

 

「任せて!絶対にアビドスを守ってみせるから!!」

 

 

「それにしても、カイザー系列の会社はアビドスの広大な土地を買って何をするつもりなのでしょうか……お世辞にも何かに使える土地では無いとは思うのですが……」

 

 

アヤネがそう疑問を告げる。確かにそうだ、地元民の俺たちも砂だらけで放置しているような場所がほとんど。それなのにこの広大な土地を必要としている理由があるなら……

 

 

「このレベルの土地が必要なくらい、デカイ建物を建てるとか?」

 

 

「流石にそれは無いですよ。建物を建てるにしても、条件が悪すぎます。砂で荒れ果て、そもそも砂の除去をするだけでもかなりの労力を使う上にこの広さです。……まぁ私達には関係のないことです、今は気にしない方針にしましょう」

 

 

超高性能AIがその判断で良いのかよとは思ったが、ケイの言うことにも一理あるのでここは置いておく。大企業の考えなんて、俺たち一個人の範疇に留まらないものなのだろうし。

 

 

「案外宝探しとかしてるかもしれないよ?私達もしたよねホシノちゃん!」

 

 

「懐かしいねぇ……結局何も出なかったけどね」

 

 

「流石に違うんじゃないでしょうか……?」

 

 

新学期を迎える直前としては波乱になってしまったが、セリカとアヤネには逞しく育ってほしいと願うばかりだった。

そろそろ本編に入ろうと思うんですが、先生の性別はどっちが良いですかね

  • 男先生
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