キヴォトス最硬の神秘   作:たらこ饅頭

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なんか水着キキョウが40連で出てくれてニッコリ


知らぬ間の進展

「お帰りなさい。皆さん、お疲れ様でした」

 

 

「みんな、おかえり〜」

 

 

アヤネとユメに迎えられて、追撃に向かった面々は帰還した。ユメの屈託のない笑みが周りを朗らかな雰囲気にしてくれている。

 

 

「ただいま〜、ユメ先輩」

 

 

「アヤネちゃんも、オペレーターお疲れ」

 

 

「いや……なんかもう凄かったな。余裕だった」

 

 

「そうですね……まさかあれほどの戦闘指揮をするとは、予想以上でした」

 

 

ヘルメット団の前哨基地に奇襲をかけたメンバーだったが、消耗していた所を攻めたのが効果的だったのか、驚く程に上手くいったので驚いていた。

 

 

"いやいや……私なんかまだまだだよ。この子に助けてもらってばかりだからね"

 

 

そう言ってシッテムの箱を指差す。画面の中ではアロナがふふんっと言いたげなドヤ顔を見せていた。先生はこう言っているが、実際のシッテムの箱の効果は敵の位置や演算結果の予測を表示しているに過ぎず、戦闘指揮自体は先生の自前である。

 

 

「火急の事業だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです」

 

 

「そうだね。これでやっと重要な問題に集中できる」

 

 

「土地の買い戻しもそうだし、そのためのお金稼ぎもねぇ……やる事がいっぱいだな」

 

 

残念なことだが、ようやく直近の課題が一つ遠のいただけでまだまだやる事はいっぱいだ。それに、ヘルメット団もこれで2度と来なくなるわけでもないだろう。

 

 

「そうだねぇ、私達の戦いは始まったばかり……ひぃん……」

 

 

「そっちに移れるのも、先生が来てくれたおかげだね〜」

 

 

「ありがとう、先生!この恩は一生忘れないから!」

 

 

"……土地の買い戻しって?"

 

 

聞き捨てならない言葉が聞こえたので、先生は思わず聞き返した。借金があった事は聞いていたが、まだ何か問題を抱えていたのか?と疑問に思う。

 

 

「あぁ、そういや先生には言ってなかったっけ」

 

 

「……あ、わわっ!」

 

 

「借金があったのは前に教えたと思うけど、まだまだ問題があってねぇ……」

 

 

「ま、待って!!コウ先輩、それ以上は!」

 

 

「…?どうした、セリカ?」

 

 

何か気に触る事でもあったのだろうか。……いや、これ警戒してるのか?とコウは理解する。

 

 

「いいんじゃない、セリカちゃん。隠すようなことじゃあるまいし」

 

 

「か、かといって、わざわざ話すようなことでもないでしょ!」

 

 

「別に罪を犯したとかじゃないでしょー?それに先生は私たちを助けてくれた大人だよ?」

 

 

「元々俺が先生に言っていいって思ったのが始まりだしな」

 

 

「コウ先輩もこう言ってるし、セリカ、先生は信頼していいと思う」

 

 

「そ、そりゃそうだけど、先生だって結局部外者だし!」

 

 

「確かに先生がパパっと解決してくれるような問題じゃないかもしれないけどさ。でも、この問題に耳を傾けてくれる大人は、先生くらいしかいないじゃーん?」

 

 

「やる後悔よりやらない後悔、という言葉もあります。セリカ、ここは一つ先生を信じてみてはどうですか?」

 

 

「……私はまだ認めてないから!!」

 

 

そう言うと、セリカは荷物を持って小走りで部室を出て行ってしまった。

 

 

「あっ、セリカちゃん……」

 

 

「私、様子を見てきます」

 

 

「お願いします、ノノミ先輩」

 

 

「う〜ん……少し前に変な勧誘に引っかかりそうになってた所を考えると、警戒心が強くなってるのはいいことなんだけどね」

 

 

"……悪い事しちゃったかな"

 

 

「気にしないで、先生。セリカがあそこまで神経質になってるのは、これまで誰もこの問題にまともに向き合わなかったから。話を聞いてくれた大人の人は、あなたが初めて」

 

 

「……先生、まぁ簡単に言うと、アビドスって自治区の広さが有名だと思うんですよ。でもその土地がほとんど借金返済の為に売っちゃってた事が最近判明したんです。だからどうにかしてお金稼ぎをして買い戻して……て感じですね」

 

 

「そもそも借金返済が出来たことが奇跡に近いんだ。9億ぐらいはあったんだよ?」

 

 

"9億……!?えっ、それどうやって……"

 

 

9億という途轍もない額に狼狽えを見せる先生。それもそうだ、学生が9億を稼ぐなんて命を張るぐらいの事はしないと不可能だろう。

 

 

「……」

 

 

「…あのさ、みんなしてこっち見るのやめない?言いたい事は分かるけどさ」

 

 

「ん、じゃあ自分の口で説明して」

 

 

何故か悪いことをしたような空気を向けられ、少し尻込みするコウ。頭を軽く掻いた後に、先生に経緯を説明し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね〜先生?コウってこう言う所あるんだよ。もう慣れたけどね」

 

 

"凄く頑丈なのは分かったけど、悪い方向に生かしてるね……"

 

 

「コウ、何故また抱きしめるんですか?…離してください」

 

 

「やだ」

 

 

「……」ツンツン

 

 

「パイセン……やめなふぁい……」

 

 

「あっごめんね?つい……」

 

 

不貞腐れてしまったコウを尻目に、ホシノは話を続ける。

 

 

「……まあ、そういうつまらない話だよ。もしこの生徒会の顧問になってくれるとしても、土地のことは気にしなくていいからねー。話を聞いてくれただけでもありがたいし」

 

 

「そうだね。先生はもう十分力になってくれた。これ以上迷惑はかけられない」

 

 

"……むしろ、もっと頼って欲しいぐらいかな。困っている生徒を導くのは、先生として当たり前だからね"

 

 

「そ、それって……」

 

 

"うん、私も仲間に入れてくれるかな。シャーレの先生として、出来ることをさせてよ"

 

 

「あ、はいっ!よろしくお願いします、先生!」

 

 

「へえ、先生も変わり者だねー。こんな面倒なことに自分から首を突っ込もうなんて」

 

 

「……まぁ、先生ならそう言うだろうなとは思ってたけど」

 

 

「良かった……「シャーレ」が力になってくれるなんて。これで私たちも、希望を持っていいんですよね?」

 

 

「みんなで一緒に頑張ろうね!」

 

 

 

 


 

 

 

ー次の日ー

 

 

「……今日はハズレの日だなぁ」

 

 

「そうですね…」

 

 

今日は自由登校の日だったので、コウとケイは廃墟探索に出掛けていた。こうして定期的に来ているが、1番大切な王女関連の収穫は得られた試しがない。

 

 

「ほんとにここに王女ってのがいるのかねぇ……ケイもはっきりとは覚えてないみたいだし」

 

 

「本音を言うと、王女に会えたとしても、何も思い出せないと思います。記憶データが破損した可能性があるので、そのデータを手に入れない限りは難しいでしょう」

 

 

「せめてデータが残ってればなぁ……ん?ここって……」

 

 

どこかで見覚えがあるような景色が広がっている。たしかここは……

 

 

「あぁ、なっつかしい!!ここケイを拾ったところじゃん」

 

 

「……確かにそうですね、目覚めた時を思い出します。何かを忘れてしまったような感覚だけに襲われていて…」

 

 

「いやほんとごめん」

 

 

大体1年ぶりに眺める景色を堪能しつつ、探索を開始する。光を無くしてしまったコンピュータの画面に、その右側にある例のスイッチをみて懐かしさを感じていた。

 

 

「……コウ、一つ聞きます、私はこのコンピュータによって生み出されたのですよね?」

 

 

「そうそう、お探しのものを入力しろって言われて、そこにシロコが超高性能AIって入れたら、勝手に作り始めたってわけ」

 

 

「つまり、破損したデータはこの中にあるのでは?」

 

 

「……天才?」

 

 

「確認してみます」

 

 

ケイがコンピュータに触れる。ケイは超高性能AIということもあってか、機械に直接触れることによって軽くハッキングのようなものをすることが出来るのだ。

 

 

「……確かに、破損してしまったようなデータが確認できます。あと使うのか分かりませんが、変なデータがいくつかあります」

 

 

「ビンゴだな。今日はそれ持って帰ろうぜ」

 

 

データを入れる用に持ってきた端末を使って、ケイを経由してデータを送信してもらう。

変な物も意外と役に立つかもしれない。そう思っていろんなものを持って帰った結果、部室が大変なことになっているのは気にしないでおこう。

 

 

「そんじゃ、帰りますか。こいつが役に立つと良いな、ケイ」

 

 

「王女と関係のある内容だと良いのですが…」

 

 

軽くケイを撫で、そのまま帰り道を進んでいく。ミレニアムには毎度観光という名目で来ているので、それっぽい所に巡ってお土産を買う事を忘れてはいけない。他自治区の立入禁止区域に来てるなんて言ったら絶対止められるからだ。

 

 

 

と言うわけで、ミレニアムにあるゲームセンターに来ていた。ここは廃墟探索帰りによくお世話になっている場所である。なお、今はレースゲームをしている最中だ。

 

 

「…ケイ?なんかゲーム上手くなってない?」

 

 

「以前コウに負けたのが許せなかったので、情報を集めて研究しておきました。……ここの道、ショートカット出来るんですよね」

 

 

「んなっ……まてぇぇぇい!!」

 

 

 

 

「うわあぁぁぁぁ!!また負けたぁぁぁぁ!?」

 

 

「お姉ちゃん……まだやるの?」

 

 

「ミドリ……こう言うのは、最後に笑った人が勝者なんだよ……」

 

 

「……すみません、もう少しだけお願いします」

 

 

「ケイ、どうする?」

 

 

「受けてあげます。ですが、勝たせる気はありませんよ」

 

 

今ケイがやっているのはレトロな格闘ゲーム。ケイがこれをするのは前回来た時合わせて3回目のはずなのだが、これも調べたのかさっきボコボコにされた。今は俺と交代で入ってきた姉妹らしき片方をボコボコにしている。

 

 

「……なぁ、ちょっと手加減したら?」

 

 

「……そうですね、アドバイスぐらいはしましょうか」

 

 

その後アドバイスを交えて対戦を続けたが、1手取られても2手目で本気を出すので、結局ケイが負ける事は一度もなかった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

電車に揺られてお土産を持って帰宅途中、ふとモモトークに通知がいくつかあることに気づいた。

 

 

「……セリカ?」

 

 

そこには、おそらく飲食店でバイトをしているだろう格好をしたセリカと、ユメを除いたアビドス面々の写真がホシノから送られていた。

 

 

「へぇ……最近偶にいないとは思ってたけど、バイトだったか」

 

 

「それならこの写真は、セリカのバイト先に乗り込んだ際の写真ですか?中々酷な事をしますね……」

 

 

顔を赤くしてカメラを隠そうとするセリカが見えるあたり、ゲリラ訪問の用なものだったのだろう、御愁傷様である。

 

 

「外食かぁ……アビドスに戻ったら、どこか寄るか?」

 

 

「そうですね…….柴関ラーメンはどうですか?」

 

 

「あぁ〜……確かに最近行ってなかったな。まだ開いてたら食べに行くか」

 

 

なお、2人はそこが写真の場所だとは知る由もないのだった。




梔子ユメの秘密
通算で手帳を5回は無くしていて、それ以降は諦めてパソコンに記入するようにしている。
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