キヴォトス最硬の神秘   作:たらこ饅頭

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禁断の水着ティーパーティ3種!?そんな馬鹿な!?
(石の消滅を確信)


運の悪いことに

「はぁ……今日は災難だった……」

 

 

「そう言わなくてもいいんじゃねぇか?セリカちゃん。みんな仲が良いってことじゃねぇか」

 

 

お昼時を過ぎた柴関ラーメンにて、空いた席を眺めながらセリカは溜息をついていた。なにしろ早朝から先生にストーカーまがいの事をされ、ホシノの推理によってバイト先がみんなにバレてしまう羽目になったのだ。

 

 

「時間的にも、次のお客さんで最後ってところか。帰ったらゆっくり休んどきな」

 

 

そう柴大将が言った時、丁度よく入口のドアが開く音がした。気持ちを切り替えて、セリカは威勢よく接客に臨む。

 

 

「いらっしゃいませ!柴関ラーメ……」

 

 

「大将、まだ店やって……えっ?」

 

 

「……セリカ?バイト先の飲食店とは、ここだったのですか?」

 

 

なお、その威勢は悉く打ち破られてしまったが。

 

 

「……なんで……」

 

 

「えっと……ホシノ達が外食してた時の画像が送られてきて、俺たちも帰りにどこか寄るかってなったわけで……」

 

 

「まさか柴関だったとは思いませんでしたね。……今見ればあの画像も、よく見ると気づけたのかもしれませんが」

 

 

「あぁ〜……まぁ、セリカちゃん、接客してくれるか?気持ちは同情するがな」

 

 

「うぅ……お席にご案内します……」

 

 

今日は絶対に厄日か何かだと、セリカは確信した。

 

 

「ホシノ達も昼ここに来たって事だよな。なんでまた柴関に…それもみんなで行ってたし」

 

 

「私がバイトしてるって先生が言ったみたいで、それでホシノ先輩が多分ここかなって来た感じらしいけど……それで、注文はどうするの?」

 

 

「んじゃ、俺は醤油ラーメンで」

 

 

「私は味噌をお願いします」

 

 

「大将!醤油と味噌一つずつです!」

 

 

「あいよ!」

 

 

「セリカ、接客に戻らなくて良いのか?」

 

 

「先輩2人が最後のお客さんよ。さっき大将が閉店の札を出しに行ってたでしょ?」

 

 

それはまた随分と都合の良い時間に来たようで、少しラッキーだなとコウは思った。

それから数分すると、ラーメンが運ばれてきて食欲をそそる香りが広がる。

 

 

「いただきま〜す。ズズ……うん、やっぱ美味い」

 

 

「いただきます。……美味しいです」

 

 

「……」

 

 

「……?セリカ、どうした?」

 

 

何か言いたいことがあるのか、少し気まずい雰囲気をしているセリカに思わず話しかけた。

 

 

「……その、先輩2人は先生の事どう思ってるの?」

 

 

「先生?……まぁ、色んな意味で凄い人かな」

 

 

「凄い人?」

 

 

「先生はキヴォトスに来たばかりで、ここに来るまでに何をするのかもよく分かってなかった。そんな状態で重要な役職について、周りは自分を殺せる武器を持った人に囲まれてる。普通はそんなの無理ゲーだろ」

 

 

「あのタブレット端末…もといオーパーツのお陰である程度の安全は保証されているのでしょうが、それでも銃が先生にとって危険な物だと言うことは変わりません。先生はそれほどの覚悟を持ってここに来ているのでしょう」

 

 

「……」

 

 

キヴォトス人に置いて、あまり馴染みの無い身近な死という概念。それに常に晒されているという先生の過酷な状況を少し実感したのだろうか、セリカは今だに悩んでいるようだ。

 

 

「……まぁ、心配すんなよセリカ。そう危機感を持つのは良い事だし、それにアビドスには1番警戒してる奴がいるからな」

 

 

「……?誰なの?」

 

 

「え?ホシノだけど」

 

 


 

 

「はぁ……やっと終わった……」

 

 

すっかり暗くなってしまった時間帯になり、セリカはバイトから帰宅する。いつもと違うことがあるなら、先輩2人が付き添いにいることだ。

 

 

「登校日じゃない日は、いつもこんな感じでバイトしてるのか?」

 

 

「そうよ、少しでも稼いで土地代の足しにしないと」

 

 

「立派ですね、セリカ」

 

 

「だなぁ」

 

 

「…わざわざ撫でないでくださいよ、ケイ先輩……」

 

 

「相手を褒める時はこうするのが1番効果的です。データに基づいていますから」

 

 

「どんなデータよ……」

 

 

帰り道を通って景色を眺める。昔よりも寂れた雰囲気を漂わせる通りに、セリカは少し寂しい気持ちを覚えていた。

 

 

「……?」

 

 

「コウ先輩?」

 

 

「なんか、近づいてくるぞ」

 

 

「えっ」

 

 

その言葉を皮切りに、目の前にはヘルメット団の集団が前方の道を塞ぐようにして現れた。

 

 

「……何よ、あんたたち」

 

 

「黒見セリカ、石依コウ、石依ケイだな?」

 

 

「カタカタヘルメット団か……この前の仕返しか?」

 

 

「分断した際の夜道を狙うとは……卑怯な人達ですね」

 

 

「でもこっちは3人もいるし、負けるつもりはー」

 

 

「後ろっ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

いつのまに現れたのか、背後から銃撃を浴びせられる。咄嗟にコウが2人を庇ったが、この数の暴力は流石に厳しそうだ。

 

 

「捕えろ」

 

 

「ぐぇっ!!??」

 

 

2人を咄嗟に庇って衝撃を受け止めるコウ。突然の爆撃は2人に直撃はしなかったが、セリカは少し遠くに吹き飛ばされていた。

 

 

「ケホッケホッ……」

 

 

「この砲撃音……おそらくFlak41改……?なぜヘルメット団が……?」

 

 

「うぅ……」 バタッ

 

 

「…コウだけでも逃げてください。貴方なら追撃を受けても、逃げられます」

 

 

「んなわけには……」

 

 

「目標確認、撃て」

 

 

「っやば…」

 

 

「ぐっ……」 

 

 

「くっそ……」

 

 

セリカとケイが倒れてしまった。だが残念ながらコウ自身にこの戦力差をどうにかする戦闘力は持ち合わせていない。一度逃げることに全力を尽くすために走り出すと、

 

 

「あれを使え。逃すな」

 

 

「へっへ〜!!俺には何も効かねドワァァ!!??」

 

 

「うげぇ……何だよこれ……」

 

 

地面に顔からダイブして項垂れているコウがふと足元を見ると、ネバネバした物体が絡みついていた。トリモチのようなものだろうか。

 

 

「大人しくしてもらおうか。それなら逃げられないはずだ」

 

 

「ふんぬ……うぎぎぎ……だめか……」

 

 

念入りに口と視界が塞がれる。乱雑に何かに放り投げられるような感覚がして、そのままドアが閉まる音がした。どうやら車か何かで誘拐されるらしい。

 

 

(あー……どうしよ。せめてこのネバネバだけでも取れればなぁ……)

 

 

車内に揺られる中で引っ張り続けるが、拘束中のため力が上手く入らず、次第に疲れて意識を無くしてしまうのだった。




小鳥遊ホシノの秘密
ゲヘナ合同演習の際から空崎ヒナと交流を続けており、時々遊びに行って模擬戦をしたりして、ヒナのワーカーホリック振りを抑制させている。
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