キヴォトス最硬の神秘   作:たらこ饅頭

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連休が明けた……ヒヒッ(血涙)


アビドス定例会議その2

「ん、私に良い考えがある」

 

 

「……はい。2年の砂狼シロコさん……」

 

 

なんだかもう疲れてきたアヤネを尻目に会議はまだ続いていく。次の発表者はシロコだ。

 

 

「銀行を襲うの」

 

 

"……冗談じゃないよね……?"

 

 

出オチだった。

 

 

「………」

 

 

「アヤネちゃん固まっちゃった……」

 

 

「確実かつ簡単な方法、ターゲットも想定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから」

 

 

「うん、まぁ、分かってたよな」

 

 

「……まぁね」

 

 

「シロコちゃんは全然変わらないね」

 

 

「ですね〜」

 

 

なんとなく次の展開を予想していた年長組は、昔と変わらないシロコの姿に少しほっこりしている。この癖は治しておきたかったが。

 

 

「5分で1億は稼げる。はい、覆面も準備しておいた」

 

 

そう言ってシロコが取り出したのは色とりどりの覆面。全員分それぞれにおでこの部分に数字が割り振られている。どうやら手作りのようだ。

 

 

「シロコ先輩……いつの間にこんなものまで……」

 

 

「わぁ、見てください!レスラーみたいです!」

 

 

「典型的なデザインだな。分かりやすい」

 

 

「いや、良いんですかこれ……」

 

 

「おぉー、いいねぇ。やっぱり人生1発決めないと、ねぇセリカちゃん?」

 

 

シロコの特製覆面に夢中になっている先輩達を見て一瞬自分も被りそうになるが、セリカはなんとか抑えた。

 

 

「そんなわけあるかー!!却下!却下!」

 

 

「そ、そうですっ!犯罪はいけません!……ユメ先輩も一言言ってください!」

 

 

「え、そ、そうだよ皆!悪い事だけは絶対にしちゃダメなんだからね!!」

 

 

「……」

 

 

「そんな膨れっ面をしてもダメなものはダメです。シロコ先輩!」

 

 

"どっちが先輩かわかんなくなりそうだよ……フフッ"

 

 

「はあ……みなさん、もうちょっとまともな提案をしていただかないと……」

 

 

今の所論外としか言えない提案ばかりである。とにかく今はマシな提案が欲しかった。

 

 

「あのー!はい!次は私が!」

 

 

「はい……2年の十六夜ノノミさん。犯罪と詐欺は抜きでご意見をお願いします…」

 

 

犯罪と詐欺は抜きという、当たり前すぎる事を言う羽目になったアヤネの心境は置いておいて、次はノノミの番だ。

 

 

「はい!犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンかつ確実な方法があります!それは……アイドル!スクールアイドルです!」

 

 

「アイドル…!?」

 

 

「……あれ、そんなアニメあったよな確か」

 

 

「はい!学校を復興する定番の方法はアイドルです!私達が全員でアイドルとしてデビューすれば……」

 

 

「却下」

 

 

「あら……これも駄目ですか……」

 

 

「……?今までよりはマシなアイデアだぞ?」

 

 

今の所全滅なので採用の可能性があるアイデアだとは思ったのだが。ホシノに即却下されるとは思っていなかったので、コウは疑問を浮かべている。

 

 

「なんで?ホシノ先輩なら特定のマニアに大ウケしそうなのに」

 

 

「うヘー、こんな貧相な体が好きとか言っちゃう輩なんて、人間としてダメっしょー。ないわー、ないない」

 

 

"ホシノ、そんな事はないよ"

 

 

「え?」

 

 

突然雰囲気が変わった先生にホシノは素っ頓狂な反応をする。それを気にせず先生は何か熱いものを感じさせて話を続ける。

 

 

"最近はね、そういう子に魅力を感じるのも普通になって来た時代なんだ。……それに、私もホシノの事は凄く可愛いって思ってるし"

 

 

「……うへっ!?」

 

 

「わお、随分と積極的だな先生」

 

 

「そうだよホシノちゃん。私もアイドルのホシノちゃん見てみたいなぁ」

 

 

「ユ、ユメ先輩……」

 

 

「流されないでくださいホシノ先輩……そもそもアイドルで学校を復興すると言っても、あれはアニメの世界ではアイドル文化が広まっていたのが前提です。一から流行りを作るのは難航すると思います」

 

 

アニメの情報を調べていたケイがそう否定する。たしかに元々人気もないアビドスが何かを始めても、周りへの影響はそこまでかもしれない。

 

 

「アイドルにも色々と苦労があるんですね……」

 

 

「……はぁ……他に意見のある方はいませんか……?」

 

 

溜め息をつくアヤネ。アイドルが1番マシな意見ではあるのだが、そもそも恥ずかしくて自分が乗り気ではないのも理由だ。

 

 

「それじゃあ最後に俺とケイから一つ……」

 

 

「あぁ、あれですか。今出すんですね」

 

 

「……これは?」

 

 

「ビナー?」

 

 

コウが机の下から取り出したそれは、ビナーを模したぬいぐるみのようなもの。その他にもキーホルダーや小さめの人形が置かれている。

 

 

「名付けて、「アビドスのマスコットを作ろう計画」だ。アビドスにはモモフレンズのようなイメージキャラクターがいない。そこで、あるアビドスの珍獣みたいなビナーくんをマスコットに仕立て上げてしまおうって事」

 

 

「……着眼点はいいと思いますが、地元の人達の悩みの種をマスコット化するのってどうなんでしょうか?」

 

 

「厄介者だし……受け入れ難くない?」

 

 

コウが愛すべきペットのような扱いをしているので勘違いしそうになるが、ひと暴れするだけで砂嵐と軽い地震を引き起こす災害。地元の人達からすれば、コウが好きな怪物という扱いである。

 

 

"おぉぉ!!ねぇコウ!これ私にも欲しい!"

 

 

「良いですよ。ケイと協力してある程度作ったんです。よっしゃ、第一顧客ゲット」

 

 

「えっと……それでは結論に移りますが……ビナーのマスコットグッズの販売の検討、で良いですか?」

 

 

「アイドルは駄目ですか?」

 

 

「アイドルは……考えておきます」

 

 

「今のうちに著作権を取得しておきましょう。パクられでもしたら面倒です」

 

 

「ビナーに許可取ってないけど」

 

 

「取れるわけないでしょう?何考えてるんですか」




まともな意見が一つ出たので、ちゃぶ台回避です。
ちゃぶ台「許された……」
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