Fate/Re-start-フェイト リスタート-【完結】 作:おるか人
「はっ、は、―――――――っは」
……息が乱れる。
何かするたびに全身が痛い。
汚れた魔力が身体中を犯していく。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い―――のに。
「は、っ……はは! はは、は……!」
痛くてたまらないのに、武藤カズキは笑顔だった。
最初は『オレは変態になったのか?』と思ったが……どうも違うらしい。
じゃあ何で楽しいのか。ウンウンと頭を捻ってみると、すぐに答えは出た。
なんのことはない。今、自分は戦いを楽しんでいるのだ。
不謹慎だとは思う。しかし……
「――――AAAALaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaie!!」
それも仕方がない話だろう。
だって、
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――ッッ!!」
小賢しい策略もなく、
いらぬ悲劇を招く非道もない、
こんなにも真っ直ぐな競い合いが―――楽しくないはずがない!
そうだ。最初からこうであれば良かった。ただ当事者たちだけで争って、その結果は粛々と受け入れる。それこそが、武藤カズキの望んだ『闘争』だった。
ランサーの脳裏に傷ついたケイネスが浮かぶ。血に染んだソラウが思い出される。
「ねえ、ケイネスさん、ソラウさん……見てる?」
視覚が共有されてるかどうかなんて分からない。
念話で確認できる距離でもないだろう。
それでも届くと信じ、ランサーは言う。
「二人の他にもいたよ、正々堂々と競い合う魔術師が。……もっと早くに会いたかった」
もう取り返しなんかつかないのは分かっている。
けれど、思わずにはいられない。
嗚呼、最初からこんな戦いなら。この五日間の全てが、こんな戦いであれば―――…!
「これが最後なんだ」
槍が軽い。
身体の痛みなど気にならない。
叶わない願いの代わりに、この戦いを有終の美とできるなら。
「…………!」
ライダーを乗せた馬がスピードを緩めた。
即座に攻撃しようとして……踏み止まる。
境内を挟み、両者の間合いは真っ直ぐに約八十メートル。
……雰囲気が違う。
あの目は知っている。
死を決した目。乾坤一擲の覚悟を決めた目だ。
間違いない―――次の攻撃を最後の一撃にする気だろう。
「ライダー! それにマスターの人っ!」
今にも駆け出しそうな空気を前に、ランサーはたまらず叫ぶ。
次の瞬間にはどちらかが死んでいるかもしれないのだ。
なら、これだけは言っておかないと。
「ありがとう! 嬉しかった……ッ!!」
めいっぱいの大声だったが、届いただろうか。
いや、届かなくてもいい。
これは武藤カズキの気持ち。
当たり前を果たしてくれた彼らへの、せめてもの感謝なのだから。
* * * * *
「―――フフハッ! 本当に、どこまでも面白いヤツだの!」
ランサーの声は、ライダーに確かに届いていた。
「本当……どいつもこいつも凄いよな、英霊ってやつはさ」
そして、ウェイバーの胸にも。
男達の心意気は、少年の魂を躍動させていく。
「フフン、当前だ! さあ、征くぞウェイバー。最後の疾走だ」
「……ばか。最後なもんか。オマエはこれから、世界中の大地を駆け回るんだ。聖杯で受肉して、このご時世に時代遅れな世界征服なんかやっちまうんだよ。聖杯戦争なんてのは、その足かけに過ぎない―――だろ?」
「おお?」
ウェイバーの一言に、僅かな間呆気にとられるイスカンダル。
その後、弾けるように呵々大笑した。
「ハ、―――ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!! こりゃ一本取られたなぁ。ああ、そうだ。その通りだとも! よく言ったぞ、ウェイバー・ベルベット!」
「ふんっ。ボクだって、お前に振り回されてばかりじゃないんだぞ。今は勝てるとこなんかないけど……背丈も腕力もすぐに追いついて、それで……いつかオマエの口から『ウェイバー・ベルベットがいてくれてよかった』って言わせてやるんだ」
「そりゃあ楽しみだ―――」
ズン、―――と。
向こう側に突然、津波が現れた。ランサーが放つ極大の魔力が、海のような密度と黄金のような質量を以って、ライダーとウェイバーへと叩きつけられる。
来る。
これまでとは比べ物にならない一撃が来る。
必殺の一撃。決着の一撃。終幕の一撃が……来る。
「アイツも本気だな……」
「ああ。そのようだな」
セイバーの聖剣に匹敵する魔力、バーサーカーに匹敵するプレッシャーを前にして、二人はあくまでも『普段通り』を貫く。
「しくじるなよ、イスカンダル」
「フン―――余を誰だと思っておるか」
恐怖はある。
正直に言えば逃げ出してしまいたい。
けれど……それは、征服王の隣に立つ権利を放棄するという事。
「……それは、嫌だ」
イスカンダルに聞こえないよう、小声で呟く。
(ボクはこれからもコイツの隣にいたい。ボクが弱腰になったら引っ叩かれて、コイツが馬鹿を言ったら引っ叩ける場所にいたい。それを自分から投げ棄てるくらいなら……)
―――きっと、ここで死ぬ方がいくらかマシだ。
だから、ウェイバーは逃げない。
どんな敵が相手でも、最後まで戦い抜いてみせると決めたのだ。
「いざ!!」
ライダーの一打ちで、ブケファラスが駆け出した。
一足で疾く、もう一足でさらに疾く。瞬く間に風切る疾走に至った駿馬が、最後の敵に迫る。
怖い。―――構うものか。
死ぬ。―――それがどうした。
恐れがあるなら叫べ。喉よ張り裂けよとばかりに強く、高らかに叫ぶがいい。
それは勇気。
それは闘志。
それは輝き。
彼らが駆け抜けたマケドニアの大地を蘇らせる、この世の何より尊い魔法。
「――――AAAALaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaie!!」
* * * * *
カズキは“
柳洞寺を覆い尽くす程の陽光が渦を巻き、全身に力が漲っていく。
いまこの時に限り、カズキ自身は大英雄、カズキの宝具は騎士王の聖剣にも等しい力を発揮するだろう。
「――――――――――――aLaLaLaLaLaLaLaLa――――」
聞こえる。
大地をどよもす雄々しい声が聞こえてくる。
「エネルギー全開……全開……全開……全開ッ……!!」
魔力を。もっと魔力を。
何が来ても負けないような力を。この戦いの勝利を!
「―――――LaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaL―――!」
まだ足りない。
もっと。もっと力を。
「もっと、もっと、もっと! もっと!! もっと!!!」
穢れた魔力がカズキを侵食していく。
気付いていないのか、既に彼の身体は信じられないくらい真っ黒だ。穢れを示す瘢痕が広がり続け、ついに全身を覆ってしまった。
汚染される肉体。
汚染される魂。
武藤カズキという存在が侵され、消え去っていく。
もはやライダーとの決着を待つまでもない。
ランサーは死ぬ。自らの魔力によって滅びゆく。
彼の痛覚はカズキに何度も警告していた。
これ以上魔力を使うな、死ぬぞ―――と。
だが、戦いの楽しさが、高揚した精神が、その痛みを消してしまった。
何という皮肉。望み通りの戦いが叶ったからこそ、カズキは負けるのだ。
「―LaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLa―――!」
カズキは己の異変に気付かない。
全身を襲う尋常じゃない痛みにも、末端から崩れゆく自分の肉体にも。
―――ここで、とある世界の話をしよう。
その世界には『宇宙の寿命を増やす』という使命を負った生物がいた。
彼らは『焚火で得られる熱エネルギーは、木を育てる労力と釣り合わない』―――エントロピー増大則を例えに、宇宙全体のエネルギーは目減りする一方だと説いた。
いつか滅びる宇宙……その運命の改善策として着目されたのが、地球人類の『感情エネルギー』である。
紆余曲折を省いて結論だけを言えば、第二次成長期の女性が、その感情を希望から絶望へと転じた時―――エントロピーを凌駕する程の莫大なエネルギーが生まれるという。
キャスターのサーヴァント、暁美ほむらは彼らにとっての『エネルギー源』の一人だった。
故に、暁美ほむらが魔女・ホムリリィに変じた時―――彼女が抱いていた『聖杯戦争に勝てば願いが叶う』という希望が『敗北』という絶望に転じた事で、条理を覆す程のエネルギー……この世界で言う魔力を、膨大に発生させたのだ。
カズキがヴィクター化して吸い上げた魔力は、ほむらの『絶望』に染まって穢れていた。だからこそ、使えば使うほどカズキの魂を傷つけてきたのである。
これほどの絶望は、もはや呪いに等しい。侵されれば、恐らくいかな英霊であっても魂が穢れる。規格外の容量を持つ『例外』などでなければ……あのセイバーやライダーほどの大英雄であっても、魂の汚染による性質の変化……『黒化』は避けられないだろう。
では、武藤カズキもそうなるのか―――と言われれば、否だ。
今は英霊とはいえ、元はただの高校生であり、特別な魂も加護も持ち合わせていなかったカズキである。本来ならばとっくに『絶望』に取り込まれていてもおかしくない。
そうならないのは、武藤カズキの本質が『希望』だからだ。
どんな状況にあっても希望を手放さず、いかな状況に立たされても絶望しない。
それは魔術師の用語で言えば『起源』……魂に根差した本質。
こと『絶望』に対してのみ、武藤カズキは無類の耐性を誇る―――!
「アァ、ア!!」
穢れを振り払う。
絶望をねじ伏せる。
武藤カズキの希望を前に、暁美ほむらの絶望は駆逐される。
痛みは消えた。穢れも消えた。そうなれば、あとに残るのは膨大な魔力のみ。
「AAAALaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaLaie―――――!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
神馬ブケファラスが迫る。
約束されていたはずの死を乗り越え、武藤カズキは最後の一撃を撃ち放つ。
極光そのものと化しての突撃。収束する光は無双の刃となり、万象の一切を分け隔てなく突き穿ってゆく。
* * * * *
槍の光が放たれた瞬間。ランサーまで残り六間という距離で、ブケファラスは僅かに跳んだ。それは先のような大跳躍ではなく、跳ねるような滞空。数値にして一メートル弱のジャンプだった。これではとても“
度重なる無茶で足が潰れたのか。
否―――これはワザとだ。
事前に立てた作戦通りの行動である。
そも、何故体重差で勝るライダーが六十以上の攻撃を経てランサーを仕留められなかったのか。それは偏にランサーの回復力故だ。
膨大な魔力を有するランサーは、令呪の魔力に支えられているライダーと違い、マスターなしでも十全以上の運動能力を発揮している。
最速の英霊の称号は伊達ではない。いかに騎馬の機動力を活かそうとランサーは身一つでそれに追いすがり、防御を間に合わせてくる。一撃たりと決定打が与えられなかったのはこのためだ。
ならば当然、この戦いにライダーが勝利するには、ランサーを上回る速さ―――ランサーの防御挙動よりも早い攻撃速度が求められる。
ただでさえ、こと敏捷性では他の追随を許さないステータスを誇るランサーである。不足分を補うはずの魔力さえ隔絶した差がある現状では、正攻法でその条件を満たすことは不可能。
そこでウェイバーは、一発逆転・九死一生の『賭け』を提案するに至った。
―――
ランサーが繰り出す初撃を凌ぎ、次の行動に入る前にケリをつける。
もちろん、回避を優先した行動ではランサーの次動までに間に合わない。
だから―――
ランサーの
それを聞かされた時は、流石のライダーも「どうやってだ?」と聞き返す事しかできなかった。
当然だろう。そんな手段があるなら、ライダーもとっくに実行している。
ランサーの必殺技である
ライダーがそう返すと、ウェイバーは「確かにそうだ」と頷いた。
「ライダーの言う通り、あの
ウェイバーが着目したのは、イスカンダルが誇るA+の騎乗スキル。
「イスカンダル、お前―――
* * * * *
「、――――!!?」
ランサーが声にならない驚愕を叫ぶ。
ライダーが己が渾身の一撃を躱したばかりか、そのままこちらへ攻撃を仕掛けてきたからだ。
信じられない。ライダーの馬は、突撃槍の柄を踏みつけて駆けてくる。
内臓エネルギーを放出するために分解された槍の外装を、ランサーへ至る飛び石としたのだ!
―――マスターに与えられたステータスの透視力。ウェイバーは、ランサーとの二度に渡る戦闘で“
魔力を陽光色のエネルギーに変換する、内蔵されたエネルギーを使って攻撃範囲を広げる事ができる……それは強力だが、特に重要ではない。
ここで大事なのは、その内蔵エネルギーを『推進力』に変えているという一点。
つまり、あの突撃の威力は魔力による
ならば結局、槍から発生する破壊力は、運動エネルギーと、穂先の鋭利さから導き出される物理的な総和でしかない。
そして、最後は至極単純な常識。
片刃の剣が峰で獲物を斬れないように。槍は、柄で獲物を貫くことは出来ない―――。
ライダーの策略を悟って、それでもランサーは驚愕を拭えない。理屈は分かっても現実として受け入れられない。
跳躍のタイミング、精妙な体重移動、人馬一体の動き、その全てがなければ……いや、その全てがあっても有り得ざる光景だ。止まった標的ならいざ知らず、最速の英霊を相手に―――こんな妙手を。
そう、普通ならばあり得ない。
人にも馬にも、こんな動きは不可能だ。
されど。その条理を覆してこそ、騎乗の英霊―――!
「ぐ、ゥッ!!」
納得はいかなくとも、動かなければ待つのは死だ。
槍身そのものに超重量がかけられている以上、力づくで引き戻すことは不可能。
だが防御しなければ、ライダーの攻撃は確実に己の首を飛ばすだろう。
ならば、ランサーはとるべき手段は―――
* * * * *
(間に合えッ!)
ウェイバーは、これが『
その名を“武装錬金”―――この世界では有り得ない技術の結晶。使用者の
ランサーは好きな時に武装を解除し、突撃槍を核金に戻すことができるのだ。
ウェイバーが『賭け』た瞬間―――それは、槍を引き戻せないと悟ったランサーが武装を解除し、再展開するまでの『空白』である。
攻撃もできず、防御もできない一瞬。
意図的に生み出したその隙を突いて霊核を破壊し、この戦いを決着させる―――!
「間に合えェェェェェェェェェェェェェェェェェェッッ!!」
視界が狭まる。
意識が圧縮される。
モノクロームの世界が流れていく。
―――そして、
ライダーの剣が、
ランサーの首を、
* * * * *
ランサーは武装解除を行わなかった。
このタイミングでは間に合わないと確信したためである。
突撃槍は押すも引くもできず、再展開には時間が足りない。
負ける。
モノクロの世界で、死という現実が己の首へと突きつけられる。
命の終わりを意識した時、ふと、カズキはある事を思い出した。
それは、自分が二度目の死を迎えた時。
初めて“黒い核金”の力を発動させ、狂気のままに怒りの戦士と戦った時の事。
―――あの時、
オレは、
どうやって、
戦った?
「――――――――――――――――――……、」
頭の中で歯車が噛み合う。
解けなかったパズルが解けていく。
そうだ―――発想を逆転させればいい。
敵が常道を外れた妙手を打ったなら、己も同じように対応しろ。
不可能を可能とするのが英霊ならば。
この身にもまだ、残された手段があるはずだ―――!
* * * * *
主従の全てを賭けたキュプリオトの剣。
それが必殺を逃す様を―――ウェイバーの目はどのように捉えたのか。
「な、―――――」
ランサーは両腕を首元に束ねることで盾とした。
魔力の収束によって、一時的にその硬度を跳ね上げた両腕。ライダーの剣はランサーの左腕を斬り飛ばし、右腕の骨まで両断して……しかし、首だけは落とせなかった。
何故。
何で。
先ほどまで槍を握っていたはずのオマエの両手が……どうして
「はァぁ、づ――――ぁぁアアアアアアアアアアアアアアア!!」
血を吐く絶叫。
慣性に従って吹き飛んでいく左腕。ブラブラと薄皮一枚で繋がる右腕。痛々しい重傷を抱えながら、ランサーは、ブケファラスの進路上から辛うじて転がり抜けてゆく。
ランサーとライダーが交差する。
外した。
逃した。
「イスカ、」
ンダル―――と、ウェイバーは続けることが出来なかった。
振り返った先では。迷いなくこちらを見据えるランサーが、千切れかけの右腕を魔力で強引に繋ぎ直し、
「来い!! オレの武装錬金ッッ!!!」
先ほど自ら手放した愛槍を、独りでに引き寄せている姿が見えた。
……時間が止まる。
戦闘中に武器を手放すという豪気。
指一本触れずして武器を手元に引き寄せる隠し玉。
予想外には予想外を。妙手には妙手を。奇策には奇策を―――ランサーはこの瞬間、ウェイバーの『賭け』を前提から覆してみせた。
まだ方向転換しきれていないブケファラス。
攻撃準備の整った相手に背を向けている自分たち。
己が窮地を乗り越え、好機を得たはずなのに―――その先にまた、窮地が。
「ぁ、―――――――」
ランサーが動く。
槍を構え、駆け出し、再び渾身の
「ぐぅ、ぬ!」
ライダーがブケファラスに手綱を打とうとして、
―――唐突に、その身体を宙に躍らせた。
「……えっ?」
いや、ライダーだけではない。ウェイバーもまた馬上から投げ出さされつつあった。
限界―――。
ブケファラスの脚は、先の絶技を最後に限界を超えた。もはや自重を支えきる力など残されておらず、方向転換の際に足をもつれさせたのだ。
崩れる。
倒れる。
騎兵が―――地へと墜とされる。
「ライ、ダぁぁぁあああああアアアアアアアッッ!!」
迸る咆哮は、ランサーのもの。
―――万策は尽き、命運もここに潰えた。
ランサーの死力が、ライダーの死力を僅かに上回ったのだ。
背中から地面に叩きつけられるウェイバー。
全身を打ちのめされ、境内を転がっていく。
意識が飛びそうになる激痛。
霞む視界、身を焼く灼熱。
そんな中でもハッキリと見えた、一つの結末。
ウェイバー・ベルベットはしかと見た。
イスカンダルが武藤カズキの突撃槍に貫かれる姿を。
偉大なる征服王が、彼の理想の行きつく果てが―――錬金の戦士に斃される瞬間を。
―――ざくん、という音。
……どこから飛んできたのだろう。
一本の剣が、ウェイバーの目の前に突き立っている。
キュプリオトの剣だ。
豪壮な拵えの宝剣が、粛然とそこに在った。
まるで、持ち主の墓標が如く―――――――――…
TO BE CONTINUED・・・
12/14 サブタイトル変更。