ゆっくりじっくり魔王を殺していく。勇者達が 作:ねるね
《えーっと?さっきなんて言ってたっけ先輩》
嘲笑う様な声で後輩の声が聞こえる。その目に映っているのはこんがりと良く焼けて情けなく転がる先輩の姿だ。
《どうやってその状態で俺に勝つんだ?なぁ》
《不思議だなぁ?》
《炭みたい》
《辞めろよ先輩が可哀想だろ》
うるせえな。何げに俺より上位互換の分身使いやがって、これが天才って奴か?
《……せいぜい今だけ勝ち誇っとけ》
《そっか、そー言う態度取るなら、死んで貰うしか無いなー》
《グッバイ先輩〜》
複数人の後輩が止めを俺に刺そうと炎の拳が迫った。が、その拳が一つたりとも当たらなかった。何故ならそこに障害があったから。
『ふぅ……。何とか焼肉パーティーに間に合った、かな?お肉のおじさん』
そこには、炎の剣を片手に俺を守る食いしん坊ちゃんがいた。
《ギリッギリだなケモロリ娘》
危ねぇ。イカれた食欲を持つ食いしん坊ちゃんなら、この焼けた
《な、お。お前は……》
《と言うか、その手に持ってる剣やはり、お前が……》
『?炎のおじさん、なんか増えてない?まぁ、いっか。いっぱい食べられるって事だもんね!』
《は、犬っころ。前みたいに勝てると思うなよ?その剣は返してもらうぞ!》
『い、やっ!』
それから、戦いというよりかは一方的な虐殺が始まった。いや、待って?やっぱり食いしん坊ちゃん強くね?怖い、なんか前よりも強くなってる気がするんだが。何でそんな踊る様に戦えるんだよ。
《くっそがぁ!!》
あっという間に燃えるサイコロステーキにされた後輩は悪態をついていたのだが、そこに食いしん坊ちゃんはとどめを刺した。
『あれ?炎のおじさんさ、前もっと強く無かったっけ?前より弱くなった?』
《な、何を言ってる?貴様ァ!?》
《私が弱くなっただと?》
『多分?』
俺は知らないけど、食いしん坊ちゃんが言うのならそうかもしれない。
《……確かに貴様を見てから、震えが止まらなくなり。戦おうとすると足が縮こまるが》
《あーそれ
《そ、そんな!?》
《恐らくだが、初めての負けだろ?それが心に刻まれて、また負けたく無いって気持ちが強く足枷になってるんだと思う》
《成程。奴が強くなった訳では無く、俺が弱くなっただけか。クソッ、こんな俺では魔王様に見せられない》
あ、確か今日魔王(様)と会うとか言ってたっけ。それじゃあ不味いかもな。
《ん?先輩は負け続けてるって言ってたすよね。まさか、こんな体験をずっと?》
信じられない様な物を見る目で、後輩は俺を見てくる。それに対して俺は頷いた。
《食いしん坊ちゃんだけで言うと、軽く数十回は負けてるかな》
《この数十倍を……》
後輩は暫く黙った後、何かを納得した様子で口を開いた。
《先輩、今回は俺の代わりに魔王様と面会してくれませんか?》
何で?