ゆっくりじっくり魔王を殺していく。勇者達が 作:ねるね
仕事は辛い。それでも、その先の未来の為に幸せなセカンドライフの為。俺は今日も死んでそのドロップ品を勇者に託すのだ。
だから、社内連絡でどこどこのエリアで誰々が死にましたと言う連絡が流れると、もしかしたら俺のお陰かもなと嬉しくなる。
それはそれとして、今日も冒険者と戦わなきゃいけないんだけど。悲しい事に、こちらも仕事なので冒険者を倒す事もしなければならない。本当は倒したく無いんだけれど、倒さないとこちらがクビになってしまうので倒す時にはなるべく罪悪感が湧かない相手を選ぶ。例えば。
(やっぱ、ドロップ品だけちょろまかすのが一番効率良いんだよなぁ〜。これだから盗賊は辞められね〜ぜ!真面目に命張って魔物討伐なんてしてられっか)
(チッ、シケた死体ね。防具、剣。全部含めても五十ガルドってトコ?これじゃあご飯代にもならないわね。今日はあまりかしら)
こうやって、人を食い物にしてる奴とかね。ハイエナしてるんだから自分がハイエナされても文句言えないよな?って事で仕事をしようと思う。
最初に言っておくが、俺の戦闘能力は基本的には存在しない。その代わり、サポート系の能力が強いと自負している。
前言った分身体や、相手の考えを手に取る様に分かるのもそうだ。俺はそう言う、まぁ言い方はアレだが陰でコソコソやる方が得意らしい。
今回はいつもの応用だ。いつも俺が使っている"相手の考えが分かる"能力。それは相手が何を考えているかと言う事である。そこから名前、趣味、生年月日。嗜好。
頑張れば分かってしまう。言ってしまえば、チートである。使うと人混みの中にいるみたいで酔うからあまり使いたく無いんだがノルマの為だ。仕方無い。
『
今回はトラウマに絞って、相手を理解する。成程、盗賊の方は信頼していたパーティーに裏切れたのが一番のトラウマ。遺体探り女の方は、へぇいつもそんな事してんのに幽霊が苦手なんだ。なら。
「……ん?な、何だ。なんか音がするな。なぁ、音しないか?」
ジンジャから少し離れた道沿いで男が親しげに女にそう話しかけた。
「はぁ?何よいきなり。と言うかアンタ誰?」
だが、女は男に見覚えが無かった。と言うか、先程までそこには誰も居なかった筈である。女は不信感を感じながら、訪ねた。
「いや、何言ってんだ?お前とはパーティー組んでた仲だろ?」
「貴方みたいな人知らないわよ」
男の答えに対して、女はそう答えた。嘘は言っていない。パーティーなど、星の数ほど組んだのだからいちいち男の顔など覚えている訳が無い。そもそも、男の顔は辺りも暗く確認する事が出来なかった。
「嘘だろ?良く見てみろよ俺の顔を」
その答えに対し、男は溜息をつき光を当てて言った。
「ほら、お前が殺して稼いだ男だよ」
それを聞いて女は漸く理解した。この男はつい先程殺して、漁っていた男だと。それを理解した女は叫びながらその場を後にした。
だが、それを聞いて寄ってきたのは助けに来た冒険者では無く。彼女に恨みを抱き、復讐しに来た
よって彼女が無事に生き残れる確率はゼロに等しかった。
とまぁ、こんな感じか。死体は、