そして私とフレンドに、なろう!
VRCは基本無料のゲームです。
後この話は本物のポピー横丁をメインストリートに見立ててその外側で起きてる話という設定です。
〜VRChat ポピー横丁 路地裏〜
何時までもが永い永い夜であり、喧騒響く飲み屋街であるポピー横丁。
スケベな服と体型のケモお姉さんやおぞましい見た目の怪異から喋る無機物にペラペラな2次元の体など多種多様なヒトが集まるこの街。 酒を鏡に心を曝け出しては、それを肴に酌み交わす。 取り留めのない話からプラベのお誘い、喧嘩、悩み事まで...
今夜も騒がしく過ぎてゆく。
しかし、少しメインストリートを外れた路地裏に足を踏み込むと愉しげな声や歌は鳴りを潜め、代わりに怒号や嬌声が鳴り響く。
「おい」
「...」
「聞こえてんだろ?こっち向けよ」
「...わたし、ですか?」
「そうオマエ。...それこっちによこしてくんない?」
「これは私の拾った――」
「はぁー、あのさ、わかる?こっちによこせって言ってんの」
そこには耳という文字を髪留めにし、うさみみを携えた可愛らしい2
「えっと...い、嫌です」
「......チッ」
「...」
大人し気なみみのこの手元にはプラスチックのパックに入れられた串焼きが握られている。 大方、酒に酔って置き忘れたか味が気に食わなかったのだろうが元は6本入りだったであろう串は5本と3割を残して植木の陰に捨て置かれていたのだ。
「お前なぁ...なめてんじゃねぇぞコラクソァ!」
「ヒィッ...」
「同族だと甘い顔してりゃつけあがりやがって!」
「や...え...その...」
「あぁ?んだよ、え?」
不機嫌な顔をしたみみのこは声を張り上げて怒りを露わにする。 大人し気なみみのこが弱そーなくせに自分に逆らうので頭にきて怒鳴ったが、不機嫌な顔をしたみみのこは違和感を感じたのか少し不思議げに顔を歪めたかと思うと、ふと嘲る様な、下卑た笑みを浮かべる。
「あァ...そうか、合点がいったわ。お前、ここ出身じゃないね?」
「っ!」
「ここの住人にしちゃ身なりが綺麗すぎる...何よりその耳だ。」
「え」
「抜けてもすぐ生え替わる耳にわざわざアクセをつけるなんてよほどの温室育ちか酔狂な奴のどっちかだ...」
「...」
「さてはお前、棄てられたな?」
「そっ...そんなこと――」
「無いって言い切れるのかァ?」
「う...ぐ...」
大人し気なみみのこが言葉に怯んでじわりと後ろに下がる。 それを見て多少溜飲が下がったのか声色に怒りは無くなったものの、依然として嘲り笑う様な話調は続く。
「お前のゴシュジンサマはさぞ薄情なんだろうなぁ?」
「くっ...」
「なんとか言ってみろよ」
「う...」
「クックック...お前も解ってんだろ?自分が棄てられたって。 きっともう新しいみみのこを連れてるさ。」
「んぐ...う、うるさい!きっとご主人はまだボクを...!」
「ハッ!こんな所に連れてこられてまだ自分の状況を理解できない奴なんぞ棄てられて当然――」
「だまれぇ!」
目に涙を溜めた大人し気なみみのこは今まで言われた事の仕返しと言わんばかりに飛び掛かる。 相手の耳に手を伸ばし、掴んで引き抜いてやろうと
ぶちり
「あえ?」
ぐるん、と視界が回る。 体に力が入らない。 地面に倒れ込んでも痛みに悶える事すらできない。 ただ見えているだけの視界の端に不機嫌そうなみみのこの足元が映る。 目線すら動かせない大人し気なみみのこの前に膝を折ってヤンキー座りになる不機嫌そうなみみのこ。 その手には抜かれたであろう大人し気なみみのこの耳と串焼きのパックが無造作に握られていた。
「そんな腰の入ってねぇ攻撃なんぞ当たるかよ、雑魚が。」
「...」
「今日の所はこれで勘弁してやるよ。」
「...」
「串焼きの礼だ、良いことを教えてやろう。 新しいゴシュジンサマが欲しけりゃファイトクラブにでも行くんだな。 じゃ。」
遠ざかっていく足音。 自分に残された最後の主人との思い出の品であった耳飾り。 突き付けられた言葉。 ありつけなかった串。 頭の中でぐるぐると反芻する度に苦しみが増す。
路地裏に横たわり、声も上げられず光を失った目から涙だけをぼろぼろと零すみみのこを何時までも空に浮かぶ月だけが見ていた。
まぁ実際のポピー横丁は視界ジャックにキチガイにクラッシュアバターとやりたい放題なんですけどね。
皆はシールドレベルは最大にしておこうね!(n敗)