装備よし
消耗品補充よし
緊急用脱出クリスタルの作動確認よし
撮影用ドローン起動よし
バッテリー容量よし
動画設定・ゴア表現自動規制機能よし
マイクの収音調整よし
ドローンの保護魔力障壁の容量よし
カウントダウン。5、4、3、2、1
「◇◇年◯月×日、△△時△△分。現在地は竜ヶ浜ダンジョン中層4階【毒湖マングローブ】Aエリア昇降口。ダンジョン調査を開始します。
今回の調査対象は【ベルセルクオオクワガタ】です。中層4階に現れる大型モンスターです。入り組んだ地形の毒湖マングローブでは珍しいですね。
また、他の冒険者からは『クワガタニキ』の愛称で呼ばれる愛されキャラです。その辺も含めて解説しようと思います。
さて、クワガタニキは大型モンスターなので個体数が少ないです。見つけるのに手間取るので、その間に毒湖マングローブについて解説します。
毒湖マングローブ。もう名前からして近寄りたくないですね。動画の皆さんが見ているとおり、エリアの8割が毒の水で満たされています。幸い浅瀬が多いので溺れる危険は低いですが、まあ毒ですからね。踏み入れたくないです。
毒耐性は必須ですが、単純に足を取られるので、そこらに蔓延るマングローブを足場に移動することになります。こっちも足場が悪いですが、毒の浅瀬よりマシです。
お察しの通り、身のこなしが弱い人はここで制裁を受けます。魔法使いにも機動力が必要です。逆に言えば、このエリアで問題なく動ける人は、足場問題の対策バッチリです。Aランクの冒険者もたまに練習に来るほどです。
エリア全体を見ると、中央部に水深が深いところがあり、そこにはマングローブがなく湖になってます。その外周をマングローブが囲んでいる形ですね。
そんなエリアなので、出現するモンスターは毒耐性が完璧です。毒使いは別の攻撃手段を求められるでしょう。
さて、そんなこんな紹介している間に、黒光りする巨体が見えてきました。あのクソデカクワガタが例のモンスターです。カメラを拡大しましょう。
毒湖マングローブDエリア、倒木上に【ベルセルクオオクワガタ】発見です。
ベルセルクオオクワガタの解説に移ります。黒くて頑強な外殻、体長の1/3ほどある殺意マシマシの大バサミ。見た目は外国のクワガタを巨大化させたような見た目です。カッコいいですね。
ダンジョンモンスターはマジックファンタジーの宝庫ですが、この子はフィジカル特化です。「狂戦士」を意味する【ベルセルク】の名を冠するとおり、すさまじい近接戦闘が特徴的ですね。
じゃあ引き撃ちすればいいのでは?と思うかもしれませんが、ベルセルクオオクワガタは鈍重な見た目に反して俊敏です。物理・魔法の双方に頑丈な耐性を持ち、毒耐性完璧なので、生半可な引き撃ちだと一瞬で距離を詰められます。
Q.距離を詰められたらどうなる?
A.ゆっくりしていってね!(生首)
攻撃手段はハサミギロチン、投げ飛ばし、突進といったパワー任せの攻撃のほか、たまに倒木を挟んで持ち上げて、投げ槍のごとく投げてきます。遠距離攻撃もできるんですね…(震え声)
羽がありますが、流石に重すぎて飛べない様子。飛んでる相手には主に投げ槍で攻撃します。その代わり、羽の下の柔らかいボディが晒されることがありません。弱点消えてるじゃん!
かたい・はやい・つよいの3コンボ。弱点らしい弱点がない。搦手の宝庫の毒湖マングローブでは珍しい、順当に強いモンスターです。強さだけなら下層レベルです。コイツもまたレベル詐欺ですね。
討伐するならAランクの探索者ライセンスが必要です。ここにきたばかりの人は絶対近寄らないようにしましょう。
ここまで危険度が高い要素を紹介してきましたが、何故この子がクソモンスターではなく『クワガタニキ』の愛称で呼ばれているのかを紹介したいと思います。
まず、相手の感触を確かめるためにも、ベルセルクオオクワガタの視界に入ってみましょう。……ふむ、大丈夫そうですね。少し距離を詰めます。
あくまで邪魔をしない程度の距離で……よし。見ての通り、このベルセルクオオクワガタは人間に対して中立のモンスターなんです。
ようはちょっかい出さなければ、こちらを攻撃してきません。触ると首を飛ばされかねませんが、不干渉である限り安全です。触らぬクワガタにたたりなし。
更に、このベルセルクオオクワガタは毒湖マングローブに住む他モンスターと敵対しています。探索していると、ベルセルクオオクワガタにちょっかい出した別モンスターが跳ね飛ばされる光景をたまに目にします。
こういった点から、ベルセルクオオクワガタは人間と奇妙な共闘関係を結んでいると考察されています。よって、この階層に訪れた探索者から『クワガタニキ』という呼び名で親しまれているのです。
ああ、ここまで話したところで「コイツにモンスタートレインすれば楽できるのでは?」と考えた人。あなたは明日にはゆっくり視聴者になっているはずです。
不思議なことに、ベルセルクオオクワガタは悪意ある人間を見分けることができるとされています。不意打ちするつもりで近寄った探索者が先手を打たれた話は有名ですね。
理由は解明されていませんが、ベルセルクオオクワガタには読心能力があるという説が有力です。トレインしにいったら真っ先にあなたがギロチンされるでしょう。ダンジョンモンスターこわい。
そんなベルセルクオオクワガタの生態ですが、日本のカブトムシみたいに樹の蜜をprprするのではなく、倒木に口吻を突き刺してマナを吸い取るようです。セミが近いですね。
普段は倒木の上から動きません。倒れていない樹に張り付くこともできるようですが、身体が重くて疲れるのか、倒木を好みます。昼夜問わずじっとしています。
稀に毒湖マングローブに生息するトレント系モンスターを倒して、その死体の上でじっとしている姿が目撃されます。大きな樹ならなんでもいいようです。
マナを吸い取り終わったら、のそのそ動いて他の倒木を探します。戦闘時の俊敏さとかけ離れた、だるそうな移動をします。かわいいですね。
繁殖能力を持たず、ダンジョン内の自然発生のみです。性別の概念があるかは不明ですが、ハサミのあるオス型しか発見されていません。餌もそこら中にあり、ヒエラルキー最上位なので慌てる必要がなく、同種で争うことはありません。同種同士は互いにスルーします。喧嘩が起きません。紳士的です。
食べたことありませんが、味はうまあじのようです。ダンジョン昆虫食界隈では有名らしいですが、私にはよくわかりません。そもそも入手が難しすぎます。
ドロップする素材は非常に強力で、下層のモンスター素材に匹敵します。防具に使えば物理・魔法バランスよく耐性を得られて、武器は切断・打撃双方に適性があります。流石に杖等の魔法媒体としては活用できないようです。ベルセルクオオクワガタが討伐される理由の大半が素材目当てですね。
テイム成功例は数えるほどしかありません。ベルセルクオオクワガタは名前に反して武士とか求道者とか、そんな感じの性格のようです。テイムするのに「殴り合い」が必要なタイプで、武力を認められなければなりません。テイマーにそれはシビアすぎます。
かの有名なS級クラン【どうぶつ王国】ではテイム成功事例があり、一軍として活躍中とのこと。殴り勝ったんでしょうか。なにそれこわい。
総評して、ベルセルクオオクワガタの危険度は⭐︎2とします。強さはヤバいですが、中立なので戦わない選択肢があるからですね。時にはモンスター間引きの手助けになるので、人間としても益をもたらしてくれるモンスターです。私も好きです、クワガタニキ。通りすがったら挨拶します。
倒木からマナをちゅーちゅーするクワガタニキを映しつつ、コメント返しのコーナーです。
『ダンジョン動画初見です。階層ってどういう分け方されてるんですか?』 ありがとうございます。初見歓迎です。
さて、おさらいとしてダンジョンの階層を解説します。ダンジョンは主に上から『上層』『中層』『下層』『深層』に分かれてて、それぞれ5階層あります。深くなればなるほどモンスターが強力になり、特に下層→深層は危険度が跳ね上がります。
また、深層5階の下は『最深部』と呼ばれる最後の層があり、ヤバいボスモンスターがいるようです。このボスモンスターを討伐したダンジョンは『踏破済み』とされます。
深層がヤバすぎて、踏破したダンジョンは世界中で数えるほどしかありませんが。竜ヶ浜ダンジョンも深層3階で足踏みしてたはずです。
『防具の内側の装備を知りたいのでめくってくれませんか?』 やり口を変えてくるんじゃありません。変態。
『前回クソデカバスターソード見えたんですが、あの武器なんですか?』 あれはダンジョン産装備ですね。アーティファクトと呼ばれるものですが、私のは買い手がつかずに流れてきたやつです。めっちゃ重いので取り扱い注意です。重すぎて保管すら難儀してたようで、在庫処分でしょう。私は好んで使ってます。
それでは今回の動画はここまで。チャンネル登録、コメント、お待ちしております。もし調査対象のリクエストがあればコメントしてください。もしかしたら採用されるかもしれませんね。ご視聴ありがとうございました。次回をお楽しみに」