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筆が進みましたので更新します。
コロニービルダー「メガラニカ」。
宇宙コロニー建築用装置に位置付けられているが、直径は約1,6 km、本体の全長は6,5 kmだがコロニーの建築部位を含めると10kmに達する超大型の構造物である。
元は木星開発用に建設された超巨大航宙戦艦であり、長距離航行を可能にする大型核パルスエンジンを搭載している。所有権を譲渡されたルオ商会は、コロニー建造装置としての機能を転用し、メガラニカを要塞化していた。
メガラニカに下手に接近すれば、外壁の岩塊に紛れて設置されている迎撃システムに蜂の巣にされ、それを避けたところで唯一の侵入口と言える資材運搬船の接舷口から侵入を試みれば、内外壁同時施工装置のアーム群により賽の目に切断される…
残りの攻撃手段は、戦略クラスの攻撃を遠距離から不意打ちで放つことだが、それを唯一可能としているソーラー・レイは先日破壊された。
『まあ、もし攻撃を放ったところで、フェネクスが跳ね返すでしょうけどね』
そう呟きを落とすのは、ルオ・ウーミンの養女でユニコーンガンダム4号機…ナラティブに搭乗している、ミシェル・ルオであった。
『ミシェル、敵艦隊へ向かわせたインレ初号機が、あと15分で合同艦隊と接触するわ』
義姉のステファニー・ルオから通信が入る。ただステファニーは……ある意味“肉体を捨てて”いた。
ユニコーンガンダム1号機に積んでいた、BUNNySの基礎設計をベースとしたNT-Dを、メガラニカのメイン制御システムに組み込み、そしてNT-Dに“己が自身”を喰わせていた。
その結果、メガラニカ自体を己が身体として操作するに至っていた。
『たった10機で大丈夫なの?』
『お父様の計算では充分と言っていたわ。ただ、何事もイレギュラーはある。その時はこっちまで引き込んで殲滅すればいいと言っていたわ』
『馬鹿馬鹿しい、だったら最初からフェネクスで出ればいいじゃない』
『そうもいかないわ。相手にはカリョーヴィンが居る。アレの相手ができるのは、お父様とフェネクスだけ……』
突然ステファニーは言葉を止める。
『やはりこっちに来たのね?』
ミシェルが聞き返そうとした直後、ステファニーは短くそう言い、メガラニカの外壁からメガ粒子砲を出現させて、突然虚空へと放った。
パリン……
ビームは何かの障害物に当たったように弾かれ拡散した。
直後、貝虹色のカーテン様の光が走り、一瞬カリョーヴィンが姿を現し、そして離脱と共に再び光学迷彩で姿を消す。
しかし……
『……っ!』
メガラニカ周辺、高濃度に散布されているミノフスキー粒子が震え、金色に輝く羽根にような光が乱れ飛ぶ。
光の羽根が捲り消し去るようにカリョーヴィンの光学迷彩を無効化し、リゼルディフェンサーのウェブ・ライダー形態に乗ったカリョーヴィン…そしてそれに続く形でゼータキュアノス、ZZZガンダム、そしてユニコーンガンダムの1号機のユニコーンと2号機のバンシィが姿を現した。
直後、貝虹色の光を纏ったカリョーヴィンは、ビームランスを構えると共に推進光を放って飛ぶ。
そしてビームランスが止められた空間……そこから姿を現したのは、金色の光を纏ったユニコーンガンダム3号機、フェネクスであった。
『直接会うのは初めてでしたかな? キシリア・ザビ』
『会わずにことを済ませたかった。ルオ・ウーミン』
直後、フェネクスとカリョーヴィンの周囲にあるミノフスキー粒子が整列していき、金色の羽が舞い、貝銀色の蓮が咲く。そしてそれらの模様を織りなす、幾何学的な光が一瞬で走り、2機をまとめて取り囲むように球状のドームを生み出した。
キシリアは、カリョーヴィンのコックピット越しに、金色の光を纏ったフェネクスを観察する。
異世界の情報通りの金ピカ形態。プレバンで1/144か1/100かを迷った末に予約を忘れて買えず、ネットオークションで競り落とすべきか迷った、非常にどうでもいい記憶が流れ込む。キシリアが邪念を追い払った次の瞬間…
フェネクスは突如姿を消した。
「……メーティス」
カリョーヴィンの制御AIの名を呼び、すかさずキシリアは演算計算に基づき、ミノフスキー粒子を配列を変える。
すると、此方に突進するフェネクスの姿が丸見えになった。
「空間や時間を跳躍したかのように演出された超常現象は、やはりカリョーヴィンと同じ“ミノフスキー粒子操作”によるものか」
迎え撃つ様にビームランスで刺突するが、フェネクスの姿は幻の様に消える。そしてまるで空間を跳躍したか様に、フェネクスはカリョーヴィンの背後に現れてビーム・マグナムを放つ。
しかしその攻撃は、カリョーヴィンの幻影を掻き消すだけの結果に終わった。
「そこか……」
その隙にビームランスからビーム弾をお見舞いするが、フェネクスは難なくIフィールドジェネレーターを内蔵したシールドで防ぐ。キシリアは粒子操作でIフィールドを無効化、同時に突進してビームランスを斬りつけた。
しかし……
「……これが異世界の情報にあった“不死”ですか…」
斬りつけた部分から修復していくシールドを様子を確認するや否や、キシリアのカリョーヴィンは離脱して距離を取る。
サイコ・シャード。
異世界の情報では正体も機序も不明となっている謎の結晶化現象。
サイコフレーム関連研究が広く行われた結果、感応波に関する研究も随分と進んだ。その結果明らかになったのは、ミノフスキー粒子を緻密な演算と操作で整列させ、サイコミュの基礎機能を持つコンピュータ・チップに類似した構造体を、一時的に作り出した時の結晶様の産物…それがサイコ・シャードであった。
さらに……
「粒子を完璧に制御すれば、姿形どころか物質からの再現も可能……外観では“再生”したと認識されるわけか…」
ウーミンがミノフスキー粒子操作をし、フェネクスが感応波を放つ限りは、フェネクスの破壊は実質不可能…つまり“不死”と言うことになる。
「……メーティス、解析は終わりましたか?」
キシリアが呟くように尋ねた内容について、メーティスが静かに答える。
《はい。フェネクスはEXAMシステムをベースとしたNT-Dシステムを介して、感応波を放出。その中核は、情報にあったリタ・ベルナルの精神体と確認されました》
一方、リゼルディフェンサーに搭乗しているヨナが、ナラティブに乗っているミシェルへの説得に取り掛かっていた。
しかしそれに対して、メガラニカと一体化したステファニーが感応波による精神干渉と、迎撃システムによる物理的攻撃で妨害を続けていた。
精神干渉への対応と味方間の感応波通信の維持は、バンシィのララァとユニコーンのバナージが引き受ける。
一方で、メガラニカの迎撃システムはゼータキュアノスのカミーユと、ZZZガンダムのジュドーが、精密射撃で次々と兵装を無力化させていた。
『次から次へと砲が出てくる…』
『なあカミーユ。俺たちだけじゃ無理なんじゃない?』
『取り敢えず、ヨナに向けられたヤツを中心に破壊する‼︎』
巨大なメガラニカの外壁に所狭しと設置された砲台の数の多さに、カミーユやジュドーと言えども対処に苦慮していた。
その時、キシリアから連絡が入った。
『カミーユ、ジュドー。充分だ。“道を開けなさい”。最後の“隠蔽”を解除します』
キシリアの言葉に従い、ゼータキュアノスとZZZガンダムは散開してメガラニカから離れる。そして…
《起動シーケンス、最終段階へ移行》
「全火器管制を私の直接操作下に」
《了解。光学迷彩、磁気粒子カーテン、ステルス外壁全解除》
直後、メガラニカの間近まで接近しつつあるミナレットが、巨大なその姿を漆黒の宇宙に曝け出した。
『なっ⁈』
ステファニーは即座にメガラニカの迎撃システムを作動させるが、それと同時にミナレットの方の迎撃システムもまた火を噴く。
互いが互いの砲塔を撃ち抜き沈黙させつつ、ミナレットはそのまま推進器の出力を最大にしたまま前進を止めない。
「推進器出力最大、収束モード。照準座標、メガラニカ搬入口」
《照準固定。飽和攻撃、5、4、3…』
ミナレット後方の塔状の構造物…隠し主砲がその正体を見せるかのように折れ曲がり照準を合わせ、残存していた迎撃システムと同時に、メガラニカの搬入口を撃ち抜く。そして出来た亀裂をこじ開けるように楕円の先端がめり込み、ミナレットはメガラニカの筒内、中央軸に進入していく。
メガラニカ内部の建造アーム群がミナレットを切断しきれず、逆に次々と押し潰され粉砕されていく。金属が捩じ切れる甲高い音が響き渡る中、ミナレットの中央管制室の椅子に座るギレンの隣に、セリーヌのホログラムが姿を現した。
《特攻だなんて貴方にしては意外ね、ギレン》
「私もザビ家の男だったと言う事であろう。セリーヌ、砲撃開始」
《了解》
閉ざされつつある隔壁を主砲で破壊し、メガラニカの内部を引っ掻き、そして引き裂きつつ、ミナレットは最奥へと進んでいった。
『くっ……隔壁が間に合わない…出ていきなさい‼︎ 私は……』
ステファニーの喚き声が割って入るが、ギレンは騒音だと言わんばかりに、手動で接続経路を見つけて切断した。
「干渉は?」
《問題ないわ。こうして互いに監視をすれば》
やがてエンジンブロックと居住ブロックを隔てる隔壁を破り、メガラニカの後部にある核パルスエンジンの機関区画に到達した。
《主砲エネルギー臨界突破》
「撃て‼︎」
限界を超えた一撃を放ち、ミナレットの主砲は自壊し完全に沈黙してしまった。迎撃システムの砲塔もまた、此処に至るまでの間に全て破壊されていた。
それでも動きを止める様子を見せないメガラニカの核パルスエンジンを一瞥したのち、ギレンは胸ポケットの中から一つの装置を取り出す。
キシリアから託されたミナレットの自爆スウィッチであった。
ギレンは躊躇うことなく、スウィッチを押した。
中央管制室のメインモニターが紅く点灯し、カウントダウンの数字が表示される。
「セリーヌ」
《……はい》
「今度こそ……君を看取る。それが私の贖罪だ」
《ギレン。貴方がここで果てるのなら……誰が私を弔ってくれるのですか?》
その言葉を聞き、ギレンは思わず目を見開いた。
「しかし私には責任が……」
《確かに私は人ではなくなってしまった。それでも……“今の”私にも、貴方の隣で過ごした記憶があります》
「……セリーヌ?」
《そして私は……ここで私と共に過ごした日々を、貴方に覚えていてほしいのです》
次の瞬間、座席下部からベルトが伸び、ギレンの身体は椅子に拘束された。
《生きて、ギレン》
ギレンはカプセルに押し込まれ、強制的に緊急脱出させられた。
そして……
ミナレットの核パルスエンジンが暴走。定められたシーケンスに従い、推進器が反転を起こして磁場が崩壊した。内向きの収束波がミナレットを内部へと潰すように圧縮し、中心部の“局所的重力井戸”が放つ吸引波が、メガラニカの外殻にまで届いた。
白熱した光が外殻を突き破り、メガラニカは内へ向かって飲み込まれるように崩壊し始めた。
構造物が潰れ、燃料タンクが引火し、それらのエネルギーが全て内側へと集約していく。
『そんな……こんな事が……私の身体が崩れる……』
ステファニーは隔壁を下ろして構造体を維持しようとするが、もはやメガラニカの崩壊は止められない。
やがてメガラニカの核パルスエンジンも暴走を始め、爆縮の兆しが見え始めると、ステファニーの恐怖と混乱は頂点に達した。
『……こんな所で? 後少しで、あの子たちと、新世界に私は‼︎ ここで果てるのであれば、私は……私は何のために生まれてきたの⁈」
啜り泣きに近いステファニーの思念が、感応波に乗って辺りに響き渡る。
『……そんなの、誰にもわかんねぇよ。それを見つけるために、必死に生きている』
ぽつりと言葉を返したのは、ジュドーであった。
『何をやるのか、何をして生きるのか…それを考え続けた先に、それぞれが見つけるんじゃないかな?』
『だから僕らは、この世界で生きていく。逃げた先じゃなくて、此処でなければ見つからないものだから』
カミーユやバナージも、必死に考え言葉を紡ぐ。ステファニーの疑問に対する直接的な答えではない。しかし、己が答えを考えるための手掛かりであった。
ただ考えやり直すには、ステファニーは余りにも遅すぎた。
その時、突然複数の子供の声が重なり聞こえてきた。ステファニーに言葉の意味は届いたらしく…フッと空気が緩んだ。
『……ありがとう……か…』
何かを感じ取り悟ったステファニーは、メガラニカにしがみついていた己が精神を解き放ち、静かに光の粒子となって消え去った。
直後、メガラニカは光を内側へ吸い込みながら輪郭を失い、最後に羽根のような光が周囲を舞い散り消えた。
沈黙の中、僅かに残ったメガラニカ残骸の中、球殻状の空白領域だけが遺されたのであった。
次回は土曜日更新が目標。
早ければ水曜日に更新します。
⚪︎おまけ「ネオ・ジオング」誕生秘話in ルナ・ライン先端技術研究所
「ビダン部長、何だこれは?」
「ああ、レイ副所長。何でも独立戦争の時に没案になったMSの設計図だそうです」
「ジオンで資料を掘り出したギニアス博士から相談を受けまして…」
「ここは資料館じゃないのですがね。シャロン学園に回して……レイ副所長、ビダン部長、ナガノ博士。これを見てください」
「どうした、ハン博士……ふむ…『ジオング』?」
「……確かゲンザブロウとアストナージの手は空いていましたね」
ー 半年後 ー
「レイ副所長。いきなりこんな大型のMSをシャロン・フェアリー隊に寄贈すると言われても困ります!」
「いやしかしシロッコ学園長。これはニュータイプ専用のMSなんだ。君が乗ればいいだろう?」
「私にはジ・Oがあるので間に合っています。こんな化け物スペック…扱える者が限られます。アムロに充てがっても?」
「馬鹿言え‼︎ アムロには私の最高傑作νガンダムがある‼︎」
「言っておきますが、キャスバル理事長はジオンが技術を結集して創り上げた、サザビーに乗る予定ですよ」
「どうしました? ご相談と伺いましたが」
「ああ、良いところに。シャリ…ア……」
「…………良いんじゃないですかね。彼」
ー 厄介ごとは常識人に集約される by シャリア・ブル ー
あなたが好きなキャラクターは? ②
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キシリア・ザビ
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マ・クベ
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キャスバル・レム・ダイクン
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ギレン・ザビ
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ドズル・ザビ
-
アムロ・レイ
-
ララァ・スン
-
ニアーライト
-
シャリア・ブル
-
パプティマス・シロッコ
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カミーユ・ビダン
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ジュドー・アーシタ