本日で連載開始から1周年を迎えました。
完結から5ヶ月以上が経過した現在、予想を超える反応をいただいており、非常にありがたく感じております。キシリア・ザビを主人公とした作品は少ないため、需要については不安もありましたが、想像以上に多くの方に読んでいただけたことに驚いております。
キシリア・ザビを主人公にするにあたり、彼女の言動に関する設定が少なく、代わりに外伝等で彼女の部下のやらかしばかりが目について、なかなかキシリアの本質を想像するのが難しい作業となりました。
ただ、ジオン軍の軍政や兵站といった雑務を、全て支えていたにも関わらず、男尊女卑から来る軽視で必要な権限のない中で四苦八苦していたのかな…と想像を膨らませて書いた感じです。頬が痩けていたのも、過労が原因かなあ…と(笑)。
本作は「キシリアが原作知識を持った場合、宇宙世紀はどのように変化するのか」という発想を起点としています。キャスバルの進路変更が可能なタイミングに知識を与えることで、既存の因果にどのような変化が生じるのか、その過程を追っていく形で物語を展開しました。
執筆にあたっては、「なぜ宇宙世紀では悲劇が繰り返されるのか」「ニュータイプとは何なのか」といった問いを、個々の出来事ではなく全体の流れから捉えています。その中で、理念や責任の扱い方によって、似た状況でも結果がどう変わるのか、あるいは条件が違っても同じ構造が現れるのか、そうした点を作中の複数の出来事を通して描いています。
また、原作におけるキャラクターの選択を否定するのではなく、「条件が変化した場合にどのような選択が生まれるのか」という点を重視しました。
各キャラクターがその時々の状況の中で判断を積み重ねていくことで物語が進行し、読み進める中で「なぜこの結果になるのか」が少しずつ見えてくるような構成を目指しました。本作が、宇宙世紀という世界とキャラクター達への見方を、少しでも変えるきっかけになっていれば幸いです。
THE ORIGINの前日譚からファースト、NTに至るまでを繋ぎつつ、F91やVといった未来の可能性、さらには外伝設定も含めて統合できるかという点にも挑戦しました。同時に、どこまでキャラクターを救済し得るのかという限界にも向き合う中で、改めてガンダムという作品の奥行きを実感しました。
最後に、本作の完結までお付き合いいただいた読者の皆様に、心より御礼申し上げます。
本作で一番気に入った章は?
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第一章「ムンゾ自治共和国」篇
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第二章「ジオン自治共和国」篇
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第三章「ジオン公国」篇
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第四章「ジオン独立戦争」篇
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第五章「シャロン学園」篇
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第六章「BEYOND THE TIME」