私という一頁の物語   作:スナエ

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第二次近界民侵攻

 第一次近界民侵攻のおり、私は自室で寝ていた。当時、私は無職で、一日中眠っていることもあった。

 その日のざわめきを覚えている。

 私と弟は、小学校に避難して一夜を明かした。

 三門市は、壊されてしまい、とんでもないことが起きたと思った。私たちの住むマンションも、外壁が少し壊されていた。

 その少し後、ボーダーから私にカウンセラーをやらないかと声がかかる。私は暇だったし、やれることがあるなら、と思って承諾した。

 正直ね、こんなところ壊れてしまえばいいと思ってたんだよ。私が死んで、世界も滅ぶのがいいと、本気で思ってたんだ。

 でも、その考えは捨てることにした。他人が死ぬところなんて見たくない。そう思い直したんだ。

 そして、現在。やって来た、第二次近界民侵攻。

 私は、シェルタールームに退避している。みんなの無事を祈ることしか出来ない。

 何度かボーダー本部の建物に衝撃がきていたし、本当に心配だ。

 犠牲者が出ないことを祈ったけど、神様はサディストなので、叶わなかった。

 近界民を追い払った後に、報告を受ける。通信室で、死者が出てしまったこと。C級隊員が拐われたこと。

 これは、忙しくなるな。

 拐われかけた隊員もいるようだし。今のうちに準備をしておこう。必要なものは、災害時に受けるトラウマの類型の確認と、美味しいお茶とお菓子。

 私は、年長者として、精一杯出来ることをしよう。

 愛は売り切れちゃったけど、愛に似たものなら出せるから。

 みんな、健やかでいてほしい。

 傷の上に、新しい傷を作りながら生きるなんてことのないように。そんなの、私だけで充分だよ。

 私の脳に刻まれた傷は深く、癒えることがない。機能不全家族の元で育ったせい。いじめに遭っていたせい。友人に選ばれなかったせい。恋人に裏切られたせい。私が私であるせい。

 どこを、どう直せばいいんだ? 私が悪いのか?

 きっと、そうじゃない。私だけは、私を悪者にしないであげよう。

 おまえは、普通の奴だよ。良かったり、悪かったりする、平凡な人間だよ。

 いずれ、地獄に落ちるかもしれないけど、それは仕方ないこと。

 私は、カウンセリングルームへ戻る。さあ、仕事の時間だ。

 白衣を身に纏った私を、私は鏡で見た。見た目と外面を取り繕っていられているか確認するために。

 仮面が被れなくても、見せる面を選ぶくらいは出来る。

 この前みたいな不覚は取らない。もう、誰にも弱みを見せるもんか。

 現海砂子は、ボーダーの大人で、カウンセラーで、エゴの塊だ。それなら、そのエゴを貫き通してやろうじゃないか。

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